15・ガイラ級とメントの実とメントドリンク
里実は構えた魔導弓の弦を引き、魔力の矢を生成すると牽制としてガイラ・スピルボルアに放つ。
春はメントドリンクを取り出し、飲み干すと体力が回復した。
「テオリアの服じゃなかったら、俺は死んでたのかよ」
と立ち上がりながらガイラ・スピルボルアを睨みつける。
「春くんは急ぎすぎるから吹き飛ばされたんだよ」
とテリオスから春の癖を指摘される。
「冷静に判断すれば勝てる相手か?」
顔には少しの汗が垂れるが焦る様子はなかった。
「そうだね、冷静になれば、ガイラ・スピルボルアにも勝てるよ」
「そうか」
その一言を放つと春は魔導剣を再び構え、集中する。
「行くぜ!」
春ま魔導剣に魔力を込めてガイラ・スピルボルアに立ち向かう。
「里実ちゃん、ごめん、待たせた!」
と里実に謝罪する。
「吹き飛ばされて心配したのよ!」
と焦りを見せる。
「この服のおかげでダメージはほとんどなかったから大丈夫」
春はガイラ・スピルボルアに剣を向けるが敵は待ってくれない。
ガイラ・スピルボルアの突進に春は魔導剣を盾に使い、ガイラ・スピルボルアの突進を防ぐと里実は魔導弓で撃ち抜く。
「よし、今だ!」
春は魔導剣に魔力を流し、切れ味を増すとガイラ・スピルボルアの鼻に傷を入れる。
「さっきのお礼だ。俺と勝負しようぜ」
ガイラ・スピルボルアを挑発し、決闘が始まる。
春は魔導剣を構え、ガイラ・スピルボルアの突進を上空に飛び回避。そして前宙しながらガイラ・スピルボルアの背中を切り裂くと着地。振り向きざまに横に一閃を与える。
ガイラ・スピルボルアの悲鳴がこだまする。
「まだまだ行くぜ!」
春は魔導剣に魔力を流し込み、クルーエルスラッシュを放つ。
一振り一閃横に斬り、二振り一閃縦に刻む。三振り一閃袈裟に切り、四振り一閃胴を斬る。五振り一閃背後を斬り、六振り一閃骨を断つ。
ガイラ・スピルボルアは肉を切られ、骨を砕かれ悲鳴を上げた後絶命した。
「ふぅ、少し疲れたな」
「わたしも、迷宮より疲れたわよ」
二人は疲労困憊で地面に座り込む。
「迷宮は例えるならば整備された部屋だからあまり疲れないんだけど、迷宮以外だと足元も悪いから疲れやすいんだよ」
とテリオスが説明する。
「クゥーン」
ロウも春達を心配してすり寄ってきた。
「ロウ、心配してくれてありがとな」
春はメントドリンクを二本取り出し、里実と一緒に飲む。
「メントドリンクも数が減ってきたね」
「このドリンク、体力回復が凄いけど、結構高いんだろ?」
メントドリンクの消費が激しいことを気にしてか、テリオスに相談する。
「メントドリンクは500ゼル、地球では50万だから春くんたちだと中々手に出来ないよね」
テリオスの言葉でアイテムの重みを知る。
「それならあまり使わないほうがいいのかもしれないわね」
里実の意見も御尤もだが、テオリアで生きるためには必須なアイテムだ。
「作ってみる?」
唐突に回復薬の生成をやってみないかと言われ、春達は興味深くなり、作ることになった。
「たしか、素材集めが困難だってことくらいしか学校では習わなかったな」
と春は語り、
「そうね、学校では作り方自体知らないのよね」
里実は学校の実態を語る。
地球では販売こそするが、製造は不可能と言われている。
「テオリアでは簡単なことだよ」
テリオスがそう言いながら「素材集めから始めようか」
と春達に伝えて行動に移った。
「この変に生えてるハービル草を探してね」
と言われ、春はデバイスから植物図鑑を選び、ハービル草の特徴を覚えると森林近辺を探し始める。
「ハービル草、どれくらい必要なんだろうか」
春の疑問に里実が、
「1ダース分あれば十分でしょ」
春達は付近を探し、ハービル草とよく似た植物を見つけ、根っこごと抜き取る。
「植物辞典では根っこも必要と書いてあるし、問題ないよな」
「ガウッ!」
後方からロウの吠えを聞き、春と里実は驚愕する。
「なんだ、ロウも手伝ってくれるのか、頼もしいよな」
「そうね、ロウも居てくれるなら100人力よ」
春と里実はロウの存在にありがたみを覚える。
「ところで、テリオスは手伝ってくれないんだよな」
春は周囲を見渡すが、テリオスの姿が見えない。
春はロウの首輪につけられたメモを見つけて取り出すと「自分は必要なエンバルの木と葉を取ってくるから、メントの実とストルビ草をお願い」と書かれていた。
「簡単には作れないんだな」
「そうね、簡単に作れたら地球でも安く売られているわよ」
春達は森林の奥に進み、残りのメントの実とストルビ草を探し始める。
森林の奥に進むと青い木の実が眼に写る。
「植物辞典には載ってるね。青い木の実で、それだけでも回復するけど苦いらしいな」
「苦いって地球のゴーヤとどっちが苦いのかしら?」
春達は味に興味を持ち、興味本位でメントの実を手に取ると二人は一口食べてみた。
「クゥーン」
ロウの心配を無視して食べた結果。
「クッソ不味い! うげぇ、苦すぎるだろ!!」
「これ食べ物じゃないわよ!」
二人は口に残る蘞い味が残り、悶絶しだす。
「こんなのが良くメントドリンクになるよな!」
「本当、ドリンクだと苦くないのにこの味はもう嫌よ!」
と歪んだ表情を見せながら舌に残る苦みを消すためアブレコドリンクを飲む。
「持ってて良かったアブレコドリンク」
「貰って嬉しいアブレコドリンク」
アブレコドリンクは状態異常を回復させる効果があるため、口内に残る苦みも消してくれる。
「とりあえずメントの実を12個っと」
「あとはストルビ草よね」
植物辞典を頼りにストルビ草を1ダース分集めると、テリオスがやってきた。
「お疲れ様。こっちも準備出来たから、フォートレス内で作ろう」
春達はフォートレスに乗ると、後方の扉を開け、キッチンに向かう。
「まずはハービル草とストルビ草を圧搾しエキスをとり、50:50でブレンドする」
テリオスの用意した圧搾機で洗浄したハービル草とストルビ草からエキスを絞りだした。
「これをどう使うんだ?」
春の疑問にテリオスが答える。
「メントの実の種を取り出して、中の胚を取り出すんだ。そのあとエキスに混ぜて濾過させるんだよ」
テリオスは慣れた手つきで仕事をこなす。
「次に濾過させたエキスをエンバルの木で作った樽に移し、聖浄水を入れるんだ」
聖浄水とは無のマテリアルオーブで浄化した水のこと。
テリオスはエンバルの樽に移すと栓を占めて完成させた。
「これで完成か、色々と面倒だったな」
「そうね、メントの実だけは食べたくないわね」
と春達は先ほどの行いを悔いていた。
「あれ、食べたんだね」
とテリオスはクスッと笑い、二人に「アブレコドリンク持ってて良かったね」と伝えた。
入手マテリアルオーブ
火2水6地3風2光2闇2無31
所持アイテム
メントドリンク5本
スピリアルドリンク10本
アブレコドリンク6本
パナシアスドリンク10本
リジェネスドリンク10本
乗り物
ライド・フォートレス・アルテミア号
6人乗りの魔巧ビークル
水陸空の移動が可能なマシンでBランク以上の探索者しか購入できない




