12・七聖騎将の存在と次の町へ
1ゼル=1000円。100万ゼル=10億
春達は倒した軍人を引きずり、一階層の広場に集合。
「テリオスのおかげで命拾いしたぞ」
と服を撫でながら礼を言う。
「わたしも、テリオスとロウのおかげで助かったわ」
里実もテリオスに霊を伝える。
「テオリアの服は品質も高く、これから必要になると思ってたからね」
と照れ臭そうに笑う。
しかし、一人の軍人が目を覚まし、拳銃を抜き取り銃口を仲守春に向ける。
「!?」
春は気付き、魔導剣を握ろうとする。それに合わせて里実が魔導弓を、テリオスが魔導杖を握るがその刹那、遠くから大剣が飛翔し軍人の前に刺さり銃弾の発射を遮った。
「地球の方々は力でねじ伏せる事しか考えないのか、理解は出来るが参道は出来ないな」
そこに現れたのは迷宮に入る前、声をかけたテオリア人のアフェク。
軍人の視線はアフェクの肩章を見て驚愕する。
「お前、七聖騎将なのか!?」
七聖騎将とはたった一人で一夜も経たずに一国を亡ぼす力を持つというテオリア最強の七人のことである。
「地球人であろうと、テオリアで悪事を働くものは処罰する」
軍人の表情がこわばり逃げる術すら失うが、やられる前にやれ精神が一人の軍人の心を動かした。
「テオリア人には銃が効かないなら、刺し殺す!」
軍人はナイフを取り出し構えると、七聖騎将のアフェクと戦闘が始まる。
「地球人の中にも野蛮な人間は居るもんだな」
アフェクは魔導大剣を手に取り、一歩下がる。
「君たちは下がったほうがいい。ここは戦場になるからな」
優しい声に春達は頷き、十メートル下がる。
「死んでマテリアルオーブをこっちに渡せ!」
魔導大剣とナイフがぶつかり合い、圧倒的な剣圧が周囲に響き、ナイフが両断される。軍人は腰から拳銃を取り出すが、アフェクは魔導大剣を大きく振り、風圧で軍人を吹き飛ばす。アフェクは一歩進み、軍人の目の前に一振り。
軍人は下がりギリギリのところで回避。
アフェクの二撃目は横に振り、拳銃を真っ二つ。三撃目は軍人の服をかすめる。
「強い」
春はアフェクの戦闘を眺めながら一言を放つ。
圧倒的な剣術と存在の圧で軍人に攻撃の隙を与えない。その姿はまるで手を抜いて遊んでいるようにも見える。
軍人の武器は全て破壊され、成す術無く終焉を迎えた。
七聖騎将の一人、アフェクは戦いを終えると春達へ言葉を交わす。
「君たち、危ない所だったな。約束通り助けてやったぞ」
「凄く強くて格好良かったぞ!」
春は目をキラつかせ、憧れの眼差しをアフェクに向ける。
「お世辞でもありがとう。ここからは俺の仕事でね、こいつらは違法でテオリアに来た者達だから俺が処分しておくよ」
そう伝えると生かされた軍人と死んだ軍人の体を異次元に収納し、アフェクは迷宮から立ち去った。
「凄く格好良かったぞ! でも七聖騎将って何?」
過ぎ去った脅威に一息つくとテリオスに問う。
「七聖騎将は神に祝福を与えられたテオリア最強の七人のことを言うんだ」
と、淡々に答える。
「七聖騎将はテオリアで起きた事件を自己の判断によって処罰を決められる権限も与えられているから、春くん達もあまり騒ぎを起こさないようにね」
と注意を含めて春達に教える。
「それってわたしたちも間違ったことをすると罰せられるってこと!?」
里実がわずかな恐怖を感じ、冷や汗をかいていた。
「まぁ、皆はまだ何もやっていないから今のところは大丈夫かも」
そう言われ、里実は安心する。
「まぁ、俺たちは来たばかりだし、解らないことがあったらテリオスに聞けばいいよな」
と里実に伝えると、春、里実、テリオス、ロウは迷宮から抜け出し、外の新鮮な空気を吸って一息ついた。
「まずは町に戻ろうぜ」
春は里実とテリオスとロウの許可を待つ。
「そうだね、一度近くの町に寄って、支度をしてから隣町に行くのが良いかもね」
ロウも、
「ガウッ」
と賛成の意思を見せる。
「お腹もすいてきたし、町に戻るのは賛成ね」
みんなの賛成を得た春は近くの町エルダムに戻る。
「あれ、こんな場所に車があったんだな」
春はエルダムの駐車場に目を向けると地球にはない乗り物を物珍しく見ていた。
「そういえば地球とは違う技術で造られているのよね?」
里実の質問にテリオスは、
「魔巧を基にマトリクスプレートやマテリアルオーブを使って造り出されたマシンだからね」
とQに対してAを与える。
「これ、俺たちも手に出来るのか?」
春の素朴な疑問にテリオスは答える。
「探索者ランクがBランクになれば買えるよ。100万ゼルするけど」
その金額を聞いて春は即刻諦めた。
エルダムの町に入ると、春達はギルドに行き、受付嬢に迷宮踏破と倒したばかりの新鮮な魔物を取り出し、鑑定を頼む。
「こいつらの買取鑑定をお願いします」
「買取鑑定ですね。少しお待ちください」
春達は少しの時間を待ち、買取鑑定が終わると、名前を呼ばれ、受付嬢の前に向かった。
「全て食べられる魔物で、新鮮なので1000ゼルになりますが、よろしいですか?」
その値段に春達はYESと答える。
今の持ち金1400ゼル。
「さて、テオリアで食料買っていこうぜ」
春は燥いでギルドから外に出ると、里実達が春の後を追う。
「まず必要なのは食料だろ」
「確かに」
春の言葉に里実は納得し、テリオスは、
「食料なら良い場所があるよ」
と春達を案内する。
向かった先はエルダムの町の建物、地球とよく似た作りで食料品が棚に並んでいる。
「ここガイドブックに載ってたな」
見た目だけなら地球のコンビニと言ったところだろう。
春達は扉を開けて店内を見渡すと、おにぎりや瓶ジュースが置かれていた。
「買うとしたら栄養満点な弁当だよな」
春の一言で里実も納得する。
「テオリアにもから揚げ弁当があるのね」
地球と似た食品も置かれているため、安心して選べる。
春達はから揚げ弁当とナップルジュースを購入し、店の外に出る。
「この後、折沢尚人のいる町まで行くんだよな」
「そうだね、歩きだと次の町、カンドルの町まで約半日かかるね」
テリオスの言葉を聞いて春達は驚愕する。隣町まで12時間もかかる距離にため息をつく。
「ここから半日も歩かないといけないなんて、田舎から都会までの距離じゃない! 行くまでに疲れるわよ!」
里実が疲れるのは嫌だと表情に現れる。
「そう言うと思って用意してるよ」
テリオスはエルダムの駐車場に案内し、テオリア製のビークルに手を向けた。
それは上級探索者しか買えないマシン。
「名前はライド・フォートレス、アルテミア号だよ」
春達を中に入れるとそこは6人乗りの車。春は後方の扉を開けると一つの部屋になっていた。
「ここすげぇよ! どんな仕組み!?」
春は不思議な空間に驚きとドキドキで興味が爆発しそうだ。
「これで次の町まで疲れずに済むよ」
「よし、次の町、カンドルまでこれで行こうぜ!」
仲守春一行は次の町、カンドルへアルテミア号に乗って向かっていった。
入手マテリアルオーブ
火2水6地3風2光2闇2無31
弁当4つ
所持アイテム
メントドリンク8本
スピリアルドリンク10本
アブレコドリンク8本
パナシアスドリンク10本
リジェネスドリンク10本
乗り物
ライド・フォートレス・アルテミア号
6人乗りの魔巧ビークル
水陸空の移動が可能なマシンでBランク以上の探索者しか購入できない




