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5 ギルド

「ここがそうです」


 少女に付いていくと冒険者ギルドらしき所に着いた。

 門の付近から歩いて二十分ほどだろうか。

 木造の二階建てのようで、結構デカい。

 確かに周囲の建物と比べてどこか厳つい雰囲気を放ってるような気がする。

 あ、今凄い怖そうなハゲた人が出てきた。大丈夫かな……


「おい、ここは本当に冒険者ギルドなんだろうな? ヤクザの事務所とかに連れていって俺をハメようとしてたりしないか?」


「何言ってるんですか、登録とか色々ありますから早くした方がいいですよ」


 そう言って彼女は先を歩く。

 仕方ないので俺も付いていった。

 そしてノンストップで冒険者ギルドへと突入する。



 からんからーん



 彼女のあとに続いて扉をくぐると鳴子がなった。いかにもそれっぽい感じだ。


「おぉ、ここが冒険者ギルドかー」


 感動して思わず呟いてしまった。

 内装は外観通りにかなり広く、ホテルのエントランスみたいだった。ちなみに中に人は殆どいなかった。数人武装した人がいてなにやら駄弁ってるくらいだ。あの方々も冒険者なのかな。


「前が受付になってるみたいですね。右手のフロアは酒場といったところでしょうか」


「冒険者になるんだから受付でいいんだよな?」


 ひとまず奥の受付にいたお姉さんの元まで行き話しかけてみることにした。


「あ、あの……」


「はい! 冒険者ギルドシモモ支部でございます! 安心信用第一でやっております! ご要件をお伺いいたします!」


 俺が小声で話しかけようとしたら、お姉さんは凄い勢いでまくし立ててきた。

 二十歳中盤くらいに見えるけど全然初心を捨ててない感じだな。見習いたいな。


「えっと、冒険者になりたいのですが」


「かしこまりました、冒険者登録をご希望ですね。紹介状とかはお持ちではないですよね?」


「紹介状?」


「紹介状があれば冒険者認定試験をパスすることができます! お持ちではないということでしたら試験の方をお受けしていただくことになります」


「なんだか分かりませんが、持ってないです」


「かしこまりました、それではこれをどうぞ」


 そう言ってお姉さんは一枚の紙を渡してきた。


「これは?」


「それにお名前と冒険者になるにあたってのの意気込みや自信のほどを書いてください。その内容によって冒険者になれるかなれないかが判斷いたします」


「それが試験なんですか?」


「左様でございます!」


 なんだそりゃ、そんなことで大丈夫なのか?


 まぁとにかく用紙とペンを渡されたので、その場で書くことにした。

 紙に書かれた文字は何故か読むことができた。

 そういや神様が異世界言語に対応できるようにしとく的なことを言ってたな、その恩恵というわけか。

 にしてもなんて書こうか、うーむ、難しい。


 名前は適当に本名の『ユイタ・エンドウ』でいいとして、問題はその他だよな。

 少し悩んだが、結局めちゃくちゃ強くなって魔物をぶっ殺したいですと書いた。ちょっと狙いすぎたか。


「はい、お預かりいたします。うーむ、はい、合格です」


 と思ったがあっさり合格だった。


「なんだったんだ……?」


「ああ、すみませんね、大体の人は合格するような試験ですので、あまり気にしないでください。結局ギルドの言うことをちゃんと聞けるかという超簡単な検問をしただけですから。中には少し意固地な性格の方もいらっしゃいますからね、最低限の性格が求められるというわけです」


 なるほど、そういうことか、明らかに難がある奴を弾くための試験だったということか。だとしたら悩んだのがすごくバカバカしいな。でも合格してよかった。


「では簡単な説明に入らせていただきますがよろしいですか!?」


 そうして後は適当に冒険者のルール等を聞くだけの作業だった。

 冒険者がなんなのか、依頼の受け方や、報酬の受け取り方、素材の売却方法など簡単なことを教えて貰った。

 手続きはホントにそれだけでいともあっさり俺は冒険者になることができた。


「終わったみたいですね。おめでとうございます」


 ちょうど終わるころに後ろから少女が話しかけてきた。


「あれ、そう言えばあんたは冒険者にならなくていいのか?」


「私はもうすでに登録済みですから問題ありません。といってもまだだいぶ前の登録ですし一回も依頼を受けたことありませんが」


「ふーん、なるほど、じゃあ早速依頼を受けてみよっかな」


 登録も済んだし、お金をがっぽり稼いでいきたいところだ。まぁ少なくとも今日の晩飯と宿代くらいは稼いでおきたい。


「だったらこれとかどうですか?」


 依頼が貼られているボードの前までやってきた俺たちだったが、とある紙を少女が指さした。


「えーと、なになに……エビス山脈のアッシュグレードラゴンの討伐……ってドラゴンはやばいだろ、絶対強いじゃん。最初はきのこ狩りだろ」


「きのこ狩りはしょぼいと思いますよ。だったらこれとかどうですか」


「えーっと……グモグモ遺跡の攻略……古の守り神を発見し、討伐せよ。うん、明らかにやばいよね。というかランクが高いから受けれないだろこれ」


 冒険者にはランク制度があり、FからSまでで変動するらしい。Fが最低ランクでSが最高らしいのだが、Sランクは世界的な偉業を達成した英雄しか辿り着けない領域らしく、世界でも六人しかいないとか。だから実質Aランクが最高ランクだとか言っていた。そして当然俺はFランクからのスタートだ。


 ちなみに依頼にもランクがあり、自分と同等以下か一個上のランクまで依頼しか受けられないということだ。遺跡はBランクだし、ドラゴンはAランクとか書いてある。


「仕方ないですね、だったらこれはどうですか」


 そう言って少女が再度指出した依頼は……


「鉄コガネムシの駆除……」


 まぁこれでいいか……



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