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ずっとチャラいと思っていた男は、実はとても純粋な男性だった。

作者: 七瀬








ド派手な服に、チャラい話し方で私に近づいてくる男がいる。

他の女の子からも、“この男だけには心を決して許してはダメ”だと

何度も言われていた男だ!

如何にもチャラそうで、何人もの女性ひとと同時進行で付き合って

そうなチャラ男。

私もこの男には決して近づかないようにしていたというのに......。

何故なのか? この男から私に近づいて来るなんて!?

私は普通の女の子なのよ!

これといって目立つ訳でもなく、だからといって地味でもない。

ごくごく普通の女の子。

それなのに、この男は何故? 私に近づいてきたのか?




『ねえねえ礼緒ちゃん? 今日、この後ヒマ?』

『えぇ!? なんで?』

『ちょっとさー話したい事があるんだけど?』

『ここで話せないの?』

『ちょっとここでは話せないんだよね? 後で近くに公園があるから

○○に来て!』

『えぇ!? ちょっと待って! まだ、行くって言ってないんだけど、』





この男は、用件だけ私に言ってそのまま何処かへ行ってしまう。

勿論! 私は行くつもりがない!

どうせ、あのチャラ男に口説かれて弄ばれるだけだと思っていたからだ。

でも? 性格上無視できない私は用件だけ聞いて帰るつもりだった。

一応、あのチャラ男に言われた公園まで行くことしたのだ。




『ごめんね、ココだよー!』

『話って何? 聞くだけ聞いて私は直ぐに帰るから!』

『実はさ、俺? こんな見た目だしチャラく見えるしょ?』

『見える!』

『本当はさ、俺、“彼女とか作った事ないし、女の子と何を話せばいいのか

よく分からないんだよね、見た目と違うだろう。”』

『そう言って、本当は私のこと後で口説くんでしょ!』

『俺さ、女の子に【告った】事もないよ。ダサいよね、』

『・・・そ、それ? 本当なの?』

『今だって、何話していいのか? 昨日の晩からシミュレーションしてきた

のに、もう頭の中真っ白になって何話していいのかわかんなんだけどな、』

『顔も真っ赤だしね。』

『ホントは、“人見知りだからね。”』

『見た目で損するタイプなんだね!』

『よく言われるよ。』

『それでなんで私なの?』

『“普通に友達になってほしくてさ!”』

『えぇ!? 友達?』

『女の子の友達が一人もいないから、礼緒ちゃんならなってくれるんじゃ

ないかって思ってさー!』

『やっぱりチャラいじゃん!』

『友達だよ、友達になってほしいだけだよ。』

『・・・まあ、なってあげてもいいけど。』

『本当?』

『友達ぐらいなら別にいいわよ。』

『サンキュー!』

『軽い男ね!』






・・・今までずっと、“チャラいと思っていた男は?”実はチャラくない

男だったとこの時私は知った。

ちゃんと話してみると? 恥ずかしがり屋で人見知りだし、照れ屋で直ぐに

顔が真っ赤になるような純粋ボーイだった。

じゃあーなんであんなチャラい話し方をするのかと彼に訊くと?

【見た目だけでも少しは軽く見られる方が人が寄って来るから】という

答えだった。

まあ、実際に話してみると? ちゃんとした格好で普通に話していたら

真面目だしつまんない男にも見えるのかなとも思う。





それにしても? このチャラ男の噂は何処からきているのだろう?

実際の彼とはかけ離れた噂。

見た目だけで、女の子達にそう思われているだけなんだと思った。

“本当の彼を知ればチャラい男とは誰も思わないのに!”

そんな事を、私はふと思う。








 *







私はこのチャラ男と正式に友達になりよく話すようになった。

最初はふたりで居ると? “なんで一緒に居るのとか離れた方が

あなたの為だよとか”よく言われていたのだけど。

彼とよく二人で話すうちに、他の女の子達も彼に興味を持ち始めた。

彼と話してみると? 全然チャラくない彼を知ってどんどん女の子達

が彼に寄って来るようになる。

いつの間にか? 私は彼にとって必要のない存在になった。

私は彼から離れようと思った時に、彼から引き留められてこんな事を言われる。




『礼緒ちゃんは俺にとって、“特別な存在だからずっと俺の傍に居て!”』

『特別な存在って何?』

『・・・お、俺の、か、彼女に、なって、、、くれません、か?』

『はい!』

『えぇーーーーーーーーーーーーーーえええ!? ホント!?』

『うん。』






なんか“ギャップ萌え”ってやつなのか?

彼の人柄を私は好きになってしまった。

本当はチャラくないこのチャラ男と私は本気で付き合ってあげてもいい

と感じたのだ!

“本当の彼は物凄く純粋で素敵な男性だから。”



最後までお読みいただきありがとうございます。

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