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目の見えない君に教えよう  作者: 前歯隼三
1/3

見えるという事

多分3話ぐらい、もう本筋 出来てるので今日中にやりたいです。

「見る事を考えてみよう」


 見るとは識別の要素の一つ、触れば質感が解るように、嗅げば匂いが解るように、音もそうだ、目の見えない君に説明しよう。



「触る事と聞く事」


 触ると言う行為は多くを知ることが出来る、形、質感、温度、しかしそれは手の届く範囲だ、危険な物はもっと早く知りたいだろう?次は聞く事を考えよう、音は離れててもわかる、得に動きがある物、危険な物はだいたい音を出す。触った経験と合わせれば、触らずに世界を想像出来る。素晴らしいね、次は匂いだ



「匂い」


 匂いは音とおんなじだ、触らなくても解るのだし、しかも動かない音が無い物にも匂いはある。更にすごいのは、今無くても、在った物も匂いを残す…過去が残るんだ凄い事だろ?

 そしていよいよ、見る事さ、目の無い君に伝えよう。



「見る事」


 見るとは音や匂いと同じ、触らないでも感じる力さ。見えるのは顔の前の方だけだし、ずーっと遠くまででは無いけれど、触らないのに形がわかる。音と違って動きがあっても無くてもさ、だけど温度や硬さは解らないね、触った経験と合わせて想像するぐらいだよ。

 言ってしまえばそれだけの力さ…感じる力を考えようか



「感じる力」


 人は色々な物に囲まれている、危険な物、安全な物、恐ろしい物、優しい物。人は好ましい物に手を伸ばし

恐ろしい物からは逃げないと行けない、だから耳や鼻があるし、ついでに目を持つ人が多い、音で気付き目で見て匂いを嗅ぎ指先で突き掴むのだ。」

 目がない君は杖を持つだろ?

 そうさそれで済む話だ最後に幸福と不幸の話だ。



「幸福と不幸、美しさと醜さについて」


 知ると言う行為にはこの2つと一つさ、手を伸ばせば温もりに心地良さを覚え、或いは痛みに焼かれる事もある、匂いは安らぎを運んでくるか、悪臭を運んでくるか、音は親しいあの人の声か、誰かの罵声かもしれない


 目で見る幸福を<美しさ>と呼ぶ

 目で見る不幸を<醜さ>と呼ぶ


 君が一時間かけて指でなぞる形、大きな愛しいその存在が一瞬で心に飛び込んでくる。

 見るとはそういうものなんだ、一瞬で心満たされて人は美しいと呟くのだ。

 君の鼻をつく悪臭や指先を痛めつける痛みの化身が、不快な存在の巨大な形が群れが、一瞬で心に飛び込んでくる、それを人は<おぞましい>という。


 あなたが手に出来なかった幸福は、あなたが触れずに済んだ不幸でもある。

 さて、今日はおしまいだよ。明日は<色>について話しをしよう。



 先生がカーテンを閉める音がした。カーテンとはひらひらした布で、朝と夜の間で閉めたり開いたりする物だ。そう…今は夜が訪れたんだわ。


「おやすみ先生」


「おやすみナデル」

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