ジャングル攻略 その2
PM:16 00
~ジャングルにて~
「いや~まさかメリアから、
あんな言葉を頂けるなん―っ痛い!」
言葉の途中でメリアに頬をつねられる。
「だ・ま・り・な・さい?」
「すみません、自重します…」
あまりの威圧に即答した。メリア怖ぇ…
「ところでユート、ボスはまだか?」
「ナージャはジャングルの遺跡にいる。だからまだまだ遠いね」
「体力の調整をせねばな…」
「そんな大袈裟な事しなくて良いよ」
と言いつつ、カスミは謎の呼吸をし始める。
(何かロボットみたいだな…)
「ねぇねぇ~ユート先生?」
「はいユート先生です―って先生?!」
「うん、ユート先生♪」
「はぁ…で、何の用?」
「ユート先生はぁ♪どんな女性がタイプ?」
「はぁ…タイプねぇ…」
ユートは参考として3人を見た。しかし中の2人は様子が変だった。メリアはもう真っ赤になっていて、カスミは落ち着かない様子だ。
「(ユウナ殿…恥は無いのかッ?!)」
「(エッ?!どうしよう…私がユートの事…好…きな事知ってるの?!)」
「(2人とも恋する乙女だねぇ~♪)」
落ち着きのない2人に小悪魔のように笑うユウナさん。一体何が…
「まぁ…タイプは…優しい人かな」
「(優しい人…それだけ?!)」
「(情報が少なすぎる!これでは対策のしようが…)」
「ユート先生は優しい人が好きなんだねぇ☆」
「う…うん、どうしたんですか突然」
「何でもぉ?ね?お二人さん♪」
ユウナさんが2人に投げかける。しかし反応が少し遅かった。本当に何があったんだ?
「へ…へぇ~ユートって普通ね!」
「普通ってなんだよ!」
「ユートはまだまだ甘いな…もう少し上の女性を望むべきだ…」
「上って何だよ…」
謎多き2人の行動と言葉に戸惑うユートであった。
~遺跡より~
「やっと着いた…」
「遂にボスね!」
「腕が鳴る…」
「回復任せてちょ☆」
1人を除き準備は大丈夫そうだ(ユウナさんは不安が残る)
そして遺跡が暗くなり、イベントが発生。
(確かナージャは周りの遺跡を壊して入ってきてたはず…)
ユートは周りの確認をする。壁の亀裂を見つけ、銃剣を取り出す。
「先手必勝ってな!」
壁の亀裂が深くなった瞬間、ユートは斬撃を放った。
「光あれ―『ライトブレイバー』」
少量の光を纏った剣が壁を貫通する。ナージャは外にいたため、剣を不意に喰らい姿を現す。
「よしっ!ここからは3人!君達の戦闘だ」
「任せなさい!近距離に行くわ」
「罠の設置は完了している。敵を引き寄せて、メリア」
「ガンガン攻めて良いよォ~回復するから☆」
メリアが速攻に出る。ナージャの前に立ち、戦闘を開始する。
「縛れ―『バインドソード』」
メリアはレイピアに纏ったエネルギーをナージャに放つ。エネルギーは錠となり、ナージャを固定させる。
「よし、この位置ならッ!」
「打ち砕け―『トールハンマーボム』」
ナージャの真下に配置された爆弾が作動。中に入っていたエネルギーが個体となり、ナージャに降り注ぐ。ダメージは絶大。ナージャは木っ端微塵になって消えた。
「あらあら…私出番なしぃ~」
ユウナさんは残念そうにドロップアイテムを拾う。
カスミとメリアはハイタッチ。初のボス戦で嬉しかったのだろう。笑顔でじゃれあっている2人を見て、少しにやけている自分がいた。