ジャングル攻略 その1
4月8日
AM:10 00
『亡者の巣窟』の攻略に成功した次の日である。
ユートは…
「こんな所に…1000円入ってた」
小さいバックをぷるぷるさせ、千円を見つめた。
「もしかして…子供の頃の持ち物漁ったら、食費どうにかなるんじゃね?!」
今日も己の使命と戦っていた(生活費的な意味)
PM:14 00
無料コミニュティアプリからの通知が鳴り響く。
しかも連続だ。
「…………………」
メッセージの内容が大体分かるユートはあえて無視。
しかし攻撃(通知)は止むことがない。
(くっ…逃げ切る事は出来んか)
覚悟を決め、携帯を開く
メリア
『死ね』 既読14:02
「……………………………」
ユートは深呼吸をし、ヘッドギアをゆっくり取る。
(さぁ…ぼちぼち行くか)
指導される生徒からの恐ろしい圧を受け、嫌々『ブレイクオンライン』を起動した。
「ユート…?」
「何でしょう…?」
身体の震えが止まらない。
目の前の美少女は笑顔でレイピアを向ける。
「何故遅れたの?時間設定したの貴方よね…?」
「えぇ…俺でございます」
「最後に一言」
「働いたら…負けだよ?メリア…」
「うん、じゃあ死のうか☆」
「嫌ぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ユートは全力で逃げた。
数分後
ボコボコにされたユートが帰ってきた。
「えーと今日はですね、『ジャングル』の攻略です」
「ユート、話の途中だが…君の身体はボロボロだが大丈夫かい?」
「カスミ…これが大丈夫に見えるかい?」
「死にそうなダメージだな」
「分かってるじゃないか…」
「ユート?」
「はっ…ハイ!説明に戻りますッ!」
「メリアやるな…上のレベルのプレイヤーをこうも怯えさせるとは…」
「ち…違うから!ユートが悪いの!」
「ユート君、大変だねぇ~」
「本当ですよ…」
ため息をつこうとしたが、後ろから来る殺意に怯え、途中で止めた。
「この『ジャングル』のボスは『ナージャ』だ。
女型のモンスターで、蛇を使った攻撃が特徴だ。
毒の攻撃はユウナさんが担当するように」
「ら~ジャ~」
「メリアは近距離攻撃に専念。レイピアスキルを使って見てくれ」
「分かったわ(ユート、こういう時はカッコイイのになぁ…)」
「カスミは罠の設置、中距離、近距離を担当。メリアのサポートを頼む」
「承知した」
「以上が今回の攻略会議だ。質問は無いな!行くぞッ!」
「おお~!!!」
PM:15 30
ジャングル中部
「コイツら多くない?」
「確か獣戦士だったよな?ユート」
「キャー☆怖そう~」
「ユウナさん!回復頼みますよ?!」
「任せてちょ☆」
(とても不安だ…)
「我ら挑みし者達に恵みを!『ヒールズ』~」
ユートを含めた4人は輝く光に包まれ、HPを回復する。
「おぉ…!ユウナさんありがとうございます!」
「天使の施しか…」
「ユウナさんやる時はやる女子だな…」
「でしょ!でしょ~☆」
「えいっ!」
「ちょっ―ユウナさん!?」
「褒めて褒めてぇ~」
ユウナさんはユートに不意の抱きつき!そして感じるメロンおっぱい!最高ッス…
「…………………」
「やはりデカい方が魅了に使えると…なるほど」
背後から感じる自然な学習意欲と嫉妬(?)の混じっている殺意…
「ちょっと!離れてユウナさん!」
「えぇ~褒めてよ~」
「え…偉いぞ…ユウナ偉いぞ~」
ほぼ棒読みだが…頭を撫でて上げたらすぐ喜んだ。同時に殺意が強まった。
「えへへ~次も頑張るね☆」
「う…うん」
「ユートはやはり巨乳派か…」
カスミが自分の胸を確かめて言う。
「カスミ…デカけりゃイイって訳じゃないぜ!」
この状況では最高のフォローをして上げた。そしてメリアの怒りが最高地点に…
「ねぇ…ユート…?」
「は…はい」
ユラユラと力無く近ずいてくるメリアが怖い!
「私の…」
(さらば…輝けなかった人生よ)
死の覚悟をしたユートに、天に昇る様な一言が飛んだ
「私の…はどう…//」
………………………
「な…何ですとぉ!?」
(デレた…あのメリアがデレた!顔だけじゃない!性格を言葉も最高だァ!)
「な…何でもない!ジロジロ見んなッ!この変態!」
(罵倒が凄い嬉しい…ドMの気持ちが今なら分かる気がする。最高だ…)
「うむ…まぁ取り敢えず行くぞ」
カスミの指揮でジャングルを進んで行った。