ネッ友と対面
4月7日
前回のクエストで思いついた『リアルで対面』を今日開こうと思う。連絡はしてあるから、後は了承してもらえるかだ…
普段引きこもっているので人と話す機会が少ない俺だ。『リアルで対応』何かを開いても、喋れないのでは無いかと思い始める俺である。しかし、今から練習というのも面倒臭い。最悪の場合、「自分コミュ障なんで…」とか言えば誤魔化せる。良し、会話についてはもう問題無いな。
ユートはジャージ、イヤホンを付けて家を出た。(ちょくちょく痛い目で見られる)
待ち合わせ場所は近くのファミレス
我ながら変な場所に待ち合わせてしまったと後悔している。
早く着きすぎたユートは、3人の女性を待った。流石にボッチはキツイな…
するとファミレスの近くで声がする。
「ユートってどんな人だろうね…?」
「私はねぇ~イケメンだと予想するよぉ~」
「ユートはユートだと思うが」
3人の女性の言葉痛い。そんな期待するでない。見た目はまだ希望があるが、内心が終わってるから…
「あっ…誰かいる」
1人の女性が指した先には俺が居た。
「あっ…どうも、ユートです」
「嘘でしょ?」
「えーと、証拠ね…証拠…はい」
ユートは手元のスマートフォンを女性に見せた。
画面には『ブレイクオンライン お出かけツール』と書いている。
「………………」
「引きこもりなんだねぇ~」
「哀れな姿だ…」
2人からの言葉が非常に痛い。1人の女性はずっと震えて黙ってるけど…
「ねぇ、貴方…」
「は…はい」
「フード取ってみても良いですか?」
「あ…フードですね、フード?!」
「顔を確かめるから」
「うわっ…ちょ―」
ユートは強制的にフードを取られた。(あまり見せたくなかったのになぁ…)
「……………」
しばらく沈黙が続く。(俺、何か悪いことしたかなぁ…)
「あ…貴方…」
「はい…?」
「以外と格好いい…」
「?」
「いえ!何でもありません!対応会でしたよね、私はメリアです。宜しくお願いします」
「あっ…どうも―ってメリア?!」
「変ですか…?」
「いやいや!全然…」
(気づかなかった!いつもボイスチェンジで話していたから…こんな可愛いのか)
「私はユウナだよぉ~宜しく~」
「うん、宜しく」
「私はカスミだ、そなたがユートで間違いないな?」
「うん、間違いないよ」
カスミさんは刀を腰に下げているッ!警察に捕まらないだろうか…
心配の視線に気づいたのか、カスミさんはこう言う。
「これは防護用だ。私はこれでも警察だからな。いつでも犯人に対抗できるようにしてるよ」
「け…警察?!」
「私と同じ反応ね…」
「普通みんな驚くけどねぇ~」
「まぁ取り敢えず中で話しましょう」
ユートは四人席の机に案内し、『対面会』を始めるのであった。
「まずは自己紹介から、高校1年のユートです。
現在、不登校中です…」
とんでもない自己紹介をしてしまった。ユートは頭を抱えながら座った。
「私はメリアです。同じく高校1年で、バトミントン部に所属してます」
「へぇ~メリアちゃんって~なんでも出来るタイプ~?」
「イヤっ!そんな事は無いですよ…」
「あらあら、外見からしてそんな感じがしたんだけどなぁ~」
ユウナの気持ちが少し分かるような気がするなぁ…見た目からなんでも出来そう。
「は~い、私はユウナですぅ~。高校3年でアニメ研究部の部長で~す」
以外だ!この外見でオタとは…ゲーム内では分からない事は多いな…
「私だな、名はカスミと言う。高校1年で警察をやっている。父上の後継ぎでやっている。ちゃんと試験は受けているからな?」
カスミに至っては『警察』、ゲーム内でも身体の動かし方がプロっぽいなぁ~とは思ってたけど、本当にお偉い『警察』とは…
「ちなみに皆さんはどこの高校で…?」
ユートが聞くと、2人の声がシンクロした
「旗が丘高校ですよ」
「旗が丘高校だ」
「水上町高校です~」
シンクロしていたのはカスミとメリアだった。
「メリアは学校の注目が高いからな、結構有名だぞ」
「カスミ、そんな事無いって…」
「ほら、やっぱり優秀な子だぁ~」
「………………………………」
3人のトークの中、俺だけ固まっていた。
(マジか…カスミとメリアって…)
「あのさ、カスミとメリアのクラスに不登校の奴いない…?」
「あっ…いるいる。名前知らないんだけど、ずっと学校来てないよ。どうしたの?」
(その不登校野郎はね…多分なんだけど…)
「その不登校野郎、俺だわ」
衝撃の発言に2人の動きが止まる。ユウナはお茶を飲む。
「あ…貴方なの…?」
「まさか貴方様が…不登校とは」
「う…うん、なんか色々と迷惑掛けてすみません…」
衝撃のカミングアウトとメリア達の硬直で沈黙が続いた。そんな中でもユウナさんはお茶をグイグイ飲んでいた。