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秋田 紅葉③


昨日から続けて投稿です。だいたい2000文字以内を目安としていますがやはり短いらしいですね。

内容的に10話もいかないくらいなので短編のイメージの方が良いのかもしれません。



「これは人間の部隊!? どうして此処に」

彼女は俺の陰にかくれる。


人間の部隊。技術で武装した彼らは恐らくそこそこ位の高い連中だろう、さっきの今で駆けつけるあたり体力もあるみたいだ。


「一つ質問がある、先程の手紙は貴様が出したのか?」


「違うって言ったらどうする?」


「……」


リーダーの男が合図を出し俺達は完全に包囲されてしまった。後少しだけ時間があれば近場の森へと逃げ込んだが、ここは何もない草原。逃げることもできない。


「どう答えたって俺を始末するつもりだった訳だな」


「ああそうだ。我々人間界を脅かすものは始末しなければならない、たとえ同じ人間だろうとな」



部隊は銃を構える。




「魔王様の娘だけは傷つけるな、始末するのはこの少年だけだ」


「「「了解」」」




「ど、どうするんですか!? 私はともかく貴方は危ないですよ!!」


「おっ、優しいんだなあ。このまま俺が死ねば君は保護され無事に帰れるのに」


「私は貴方一個人を心配しているんです!」



……つくづくよくわからんなこの娘は。

しかしこのまま素直にやられる奴ではない事を見せつけてやらないと。


「俺を殺すのか? 本当にいいんだな??」


俺はあえて挑発するようにリーダーの男に問う?


「やれ、時間稼ぎをするつもりはない」


挑発に乗らず、リーダーは指示を出した。一斉に引き金をひく音が聞こえる――











「――と、まあここまでは俺が作ったこと(・・・・・)にするか」


「えっ――」


彼女の意識は少し元に戻ったようだ。


「なっ、ええ!?」


「訳がわからないと言った表情だね、まあ無理もない」



周囲の人間は1人残らず、時間でも止められたかのように、ただただ直立していた。



「これが俺の力だ。魔法なのか、超能力なのかは知らない。ただ俺が復習を誓ったその瞬間目覚めた力なのさ」


「ですが、魔王城で使った時と少し違います。貴方は他にも力があるのでは?」


「ああ、あれはかなり特殊な使用例だけど結局は一緒のものなんだ」




「一体全体どういう力なんですか? よろしければ……」


「うーん……まあいいや、説明するよ」


俺は傀儡のような隊員の1人の女性に近づいた。


「意識解除」


「はっ!? 」


女性の意識は少しずつ元へ戻る。


「貴様……っ、何故生きて!!」


「うるさいなあ……お前はこれからはい(・・)か、いいえ(・・・)しか言えなくなる」


「……!! …………!!!!」



「理解したか? これが俺の力だ、相手の意識、記憶、言動を支配する。つまりは相手を洗脳する事ができるのさ」


「洗……脳」


「そうだ、わかりやすく行動で見せてやろう」


俺は振り返って洗脳を繰り返す。


「嘘をつけなくなる」

「……!!」


「君達は14年前、秋田という男と女の殺害に関与しているか?」


「……!! は、はい」


女は洗脳の通り、正直に答えた。


「……やはりか。予想はついていたが」




「どうするのですか? まさかその方を……」


「ああ、殺すよ。間違いなくこいつらは俺の復讐の対象だった」


「……!! ……!!」


女は必死で首を降るがその声は届かない。しかし全く可哀想だとは思えなかった。

俺は木陰に隠したガソリンを辺りの人間へとぶちまける。誰一人残さず。


「最後に質問だ、それによって君達が死ぬかどうか、考えなおしてやろう」


「……っ!!」


「俺の親……人間である秋田 菊野と魔族である秋田 カルナ。その死因は?」


俺は言葉の洗脳を解除した。


「処刑……火あぶりによる処刑……」


「正解だ。では二人の最期の言葉は?」



「…………」


女は答えない。処刑人ならともかく覚えている訳がないだろう。

だが俺はこいつらが処刑場に居た事は覚えていた。


「早く答えろ」


俺は手に持ったライターを揺さぶる。女は顔を真っ青にして答えた。


「わからないです!! もうやめて、助け」

「早く答えろっつてんだ俺は!! このまま火を付けられたいのか!?」


女の声を遮った。女は泣きじゃくりながらもポツリと呟いた。



「やめて、助けて……」



「 ……なるほど、俺が君の声を遮ったことから答えの隠蔽だと思ったのか。土壇場に追い詰められても頭は回る、さすが王の側近だな」




俺がそう言い聞かせると、女は安堵に包まれたような表情をした。











「ひぎゃあああああ!!!? あつい!!!!どうしてええ!!!!」



俺はライターを放った。



「誰が正解って言ったんだ?」


女とその周辺の人間は炎に包まれた。俺は多分冷ややかな目というやつをしていたんだろう。

魔王の娘なのにこいつは目を逸らしてやがるし。




「教えてやるよ、お前らが興味すらわかなかったその言葉をな」




断末魔の中、全員の聴覚の洗脳を解く。








「地獄に、落ちろ」





この物語は何もかもを失った少年、秋田 紅葉と魔王の娘、アベリア・レルスレットによる復讐劇である。




恐るべき洗脳の力の詳細は次回で解説!

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