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ガリウルの家族
昨日、母さんの余命宣告をされた。
優しく僕を包んでくれた母さん。
女手一つで僕を立派に育ててくれた母さん。
手術すれば治るがもう長くはない。僕の家は貧しく手術の費用がないのだ。毎日朝早くから夜遅くまで働いても足りない安月給。
「ガリウル……」
僕を呼ぶ母さんの声は震えている。
目を開いているが、主治医の先生が言うにはほとんど見えていないらしい。
それに僕には小さな痩せこけた妹もいる。
僕には妹の生活費、そして母さんの手術費が必要である。
そんな家族のために僕は明日地球へ行きます。