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7話「プレート起動」

結局夕食までルルーツさんとファシーのゲームプレイに付き合ったので文字を教えてもらう時間は無かった。

三人で食堂へ行き、列に並んで夕食を受け取る。そのままの流れで三人一緒のテーブルに着いて食事を取っているとブンダのあんちゃんが来た。


「お、バッツじゃねーか。ルルーツと一緒に飯食ってんのか」

「あー、あんちゃん。まあ一応ね」

「あら、一応って事は無いんじゃない?」

「んー!んー!」


俺の言葉にすかさず答えるルルーツさんとファシー、ファシーは口の中のモノを飲み込んでから喋ろうな。

色々言い返すのも億劫なので黙々と飯を食う。

二人がゲームを終えてからゲーム機を自分の体に戻した時に大分バッテリーを消費していたんだろう、魔力をごっそり持っていかれる感覚があり、現在魔力枯渇による状態で頭がふらふらしている。


「そういやあんちゃん」

「どうした?」

「プレート起動したら使い方を改めて教えてくれんか? 一応貰った冊子は読んだけどさ、ついでに先の事も相談したいねん」

「いいぞ、じゃあ飯の……もうプレート起動したのか?」


実はまだプレートは起動していない、登録してから結構経つからもうそろそろ起動しても良いとは思うんだが……店員さんも半日位って言ってたし。


「いや、まだ。多分もう直ぐだとは思うんやけど」

「それじゃ風呂の後にでもその辺り話すか」

「後文字を覚えたいんやけど」

「文字? お前読み書き出来ないのか?」


俺が読み書きが出来ない事を素直に伝えるとあんちゃんは驚いた顔をしてみせた。


「何か意外っつーかチグハグっつーか……普通に読み書きしてそうなイメージあるんだけどな」

「子供に何の印象持ってんねん」

「お前見てから普通の子供って思う方がどうかしてるぜ」


失礼な、この位の子供なら前世には一杯居たわ。今世じゃ珍しいってだけで。

食事をしながらこの街の噂を話す。何でもこの辺りに魔獣が出没するのを見かけているという噂があり、それが他の街に続くルートに出る為、近々商人達の出資で討伐隊が組まれるんだとか。

10の子供にゃ関係無いなとか思いながら飯をもりもり食べて食事を全て平らげる。子供の腹には普通位でも十分なボリュームなのだろう、腹がパンパンに膨れてる。

膨れた腹を撫でつつあんちゃんと文字の勉強をする約束を取り付ける、快く快諾してくれたのであんちゃんと一緒に食器を片付けてからあんちゃんの部屋で軽く文字を教えてくれる事になった。

女子二人は何やらゲームの話題で盛り上がっているのでそっとしておく。




あんちゃんの部屋は商会の二階にあり、机に棚、衣装ケースやベッド、他にも小物が幾つか置いてある。あんちゃんに促されて机に座ると横に置いてあるテーブルから表を取り出した。


「いいか、バッツ。まずこの表に書かれているのが文字だ、そしてコレを組み合わせて物の名前を表していく。本来なら分かりやすい本とかみせるが…お前ならコレでもいいだろ。」


と言ってあんちゃんが渡してきたのは……何だろう? 恐らく数字が書いてある事から何かの伝票とかか?


「そいつはウチの商会の帳簿だ。会長に提出する奴の写しだけどな」


子供に何見せてるんだこのあんちゃんは。


「取りあえずコレを読めるようになってみよう。なーに、読めるようになりさえすれば後は勝手に書けるようになる」


取りあえず帳簿を受け取ってから初めに文章を教えてもらい、単語を一つ一つ聞きながら覚えていく。

10分位そうやっているとドアがノックされ、ルルーツさんとファシーが入ってきた。


「ありゃ? ルルーツ、何かあったか?」

「もう、ブンダったらさっさと食事終わらせてバッツ君と二人で行っちゃうんだもの、探したわよ」


ファシーがそうだそうだと言わんばかりに首を縦に振っている。


「あー、二人して何かの話しで盛り上がってたから邪魔しちゃ悪いと思ってな。それで何か用か?」

「うん、ちょっとバッツ君にね」

「バッツに?」


あー、この流れは……、と思っているとファシーが俺に近づいて此方へ手のひらを突き出す。


「ゲーム機貸して!」


やっぱり。あんちゃんは……まあ平気かな、いずれ相談するつもりだったし時期が早まったと考えれば良いか。

ため息一つ付いて手のひらからゲーム機を生やしてファシーに渡す。それを見たあんちゃんが目を剥いてこちらを見ている。

ファシーとルルーツさんはゲーム機を受け取って早速やり始めてる……順応早いなぁ。


「あんちゃん、大丈夫か?」

「お、おう……っていうかアレなんだ?」

「あれがゲーム機、遊ぶ為の道具だね」

「遊具なのか?」


あんちゃんが凄く納得いかないって顔をして俺を見ている。今世の遊び道具がどんな物か見たこと無いから分からんが、ゲーム機って知らない人から見たら四角いナニカだよな。

そんな事はお構いなしに二人はワーキャー言いながらクエストこなしてる。バッテリー大丈夫かな。

それより昼間にゲームで買ったメモ帳取り出したいんだけど一旦ゲーム機返してくれるかな……画面を覗き込むと丁度ルルーツさんがランスでロケットボアに苦戦してる所だった。ファシーはそれを横でニヤニヤしながら見てる。

物凄く熱中してるから無理っぽいな……仕方ないので一段落したら一度返してもらう様言って、ゲーム機を見ながら頭を捻ってるあんちゃんを呼んで文字の練習を再開する。

文字の表と帳簿を見比べながら単語を一つずつ教えてもらう。文字の書き方は違うが規則性は殆ど日本語と同じなのね、こいつは覚えやすくて助かる。

黙々と帳簿を読み込んでいくと若干おかしな所がある、単価が微妙に変動してるのは産値との交渉で変動してるんだとして合計の金額が合って無い。これは帳簿としてはよろしく無いんじゃないか?

それを指摘するとあんちゃんは帳簿と睨めっこを始めて計算をしだした。他に何か読む物無いかなと棚から本を取って読もうとした所でファシーがゲーム機を持ってくる。

ありがたく受け取りホーム画面へ。『Home&Life』を起動してメモ帳を取り出す、急に出てきたメモ帳にこちらを見ていたルルーツさんが驚いてるがそーいうモノとして覚えてもらおう。

残りバッテリーは……56%か、遊んでる割に減りが遅いな。長く遊べるなら別に良いかと思い、ファシーに再度貸し出す。


只管文字を読み解き、単語を書く。読む、書く。解らない所はブンダに聞く。

単純作業だが慣れない作業に頭が熱を持ったみたいに熱い。どれ位そうしていたのか、本の三分の二を読み解いた所でファシーの叫び声が聞こえた。


「あーーーー!画面が消えたーーー!!!!」


その声に本から顔を上げてファシーの方を見る。そこにはゲーム機を持ったファシーと左右から画面を覗いているルルーツさんとブンダのあんちゃんが居た。あんちゃん何時の間にそっちに行ったんだ?


「バッツー!画面付かない!!何で?」


そう言って渡してきたゲーム機を受け取る、俺が手に持つと電源ランプが付いたので電源ボタンを押す。ホーム画面が表示され、右上のバッテリー残量を見るとそこには『1%』の表記。

どうやらゲームはここまでの様だ、バッテリーの残量が無い事を伝えるとファシーが又騒ぎ出した。


「えー、もう遊べないの? どうにか出来ないの?」

「多分体に戻して暫くすりゃ充電は出来ると思うけどさ……夕方に結構使って戻した時でアレだったからなぁ」


そう言いながら夕飯前の時を思い出す。ルルーツさんとファシーが散々ゲームで遊んでから夕飯の時間になったのでゲーム機を取り上げた。直ぐ様体に戻したんだがその時に一気に体から何か抜け出る感覚と共に頭痛がやってきた。恐らくゲーム機に魔力を吸われたんだと思うが中々にしんどい目にあった、もしあれが又起こるなら最悪ベッドに入ってからにしたい。

というか若干吸われてる感覚がある、充電ランプが付いてるから多少なりと吸われてるのかもしれない。まあ今の体は10歳という事もありまだ小さいので最悪あんちゃんが運んでくれるかなと考えながらゲーム機を体に戻す。

途端に意識が飛んだ。






目を覚ましたらあんちゃんの部屋だった。どうやらベッドで寝かせてくれたらしい。若干の気だるさと眠気を感じながらベッドから降りる。

頭をすっきりさせたいので庭に出て井戸を汲もう。井戸の所へ行くと何人かの子供が数人で水を汲んで顔を洗っている。俺もそれに混ざり顔を洗う。

冷たい井戸水を手で掬い上げ顔を浸す。冷たさを顔で感じ頭がどんどん覚醒していく。伸びをして背中の筋肉を伸ばして朝の空気を肺一杯に取り込むと一気に目が覚める。

頭が冴えると今度は胃から腹が減ったと言わんばかりに音が鳴る。盛大な腹の音に周りの子供に笑われてしまった、少し恥ずかしくなりながら一度自分の部屋へ戻る。

静かにドアを開けると、どうやら同室の子供二人はまだ寝てる様で寝息が聞こえてくる。起こさない様に静かに入り着替えを持って部屋を出る。

昨日飯時に聞いたのだがここの風呂は温泉らしいので何時でも入れるとの事。ならば飯の前に一風呂浴びて体をすっきりさせたい……夜に風呂へ入ってないから気持ち悪いのだ。

浴場へいくとどうやら先客が数人居るらしい、騒がず静かに風呂場のドアを潜る、すると大人の男三人が浴槽に浸かっている。ブンダのあんちゃんに両刀ロリペドのおっちゃん、それから……1人知らん人が居る。

一先ず挨拶だ、朝の挨拶は大事だ。これを自らするだけで印象がかなり違うからな! 浴槽に近づいてから声をかける。


「おはようございまーす」

「お、バッツ起きたのか。おはよう」

「おう坊主、おはようさん」

「君がバッツ君か、ブンダ君から聞いてるよ。おはよう」

「隣失礼しますわ、ほんで? あんちゃん、この人紹介してや」


恐らく上役なんだろうけど、こういったモノってのは形式が大事だしな。あんちゃんに紹介して貰おう。

あんちゃんが手のひらで所謂ナイスミドルといった感じのヒゲを生やした濃い茶髪にちょっと白髪交じりのオールバックさんを指し示す。


「この人はこのサンダース商会の三代目会長で『カネダ・サンダース』さんだ」

「初めましてバッツ君、カネダ・サンダースです」

「初めましてバッツです」


風呂の中で全裸挨拶、傍から見たらシュールな光景だろうな。


「そしてこの俺!」

「両刀ロリペドさんやな」

「ちげぇ!!」

「両刀ロリペドじゃなかったらワイはおっちゃんの事を何て呼べばええんや!?」

「名前で呼べよ!つーか俺はおっさんじゃねぇ!!」


改めて両刀ロリペドのおっちゃんを見る。髪の毛は……風呂だからかしんなりとして肩に掛かる程度のセミロングに、ヒゲは……相変わらずボーボーで手入れしてない。これに甚平でも着たら『陶芸家です』とか言うと信じそうな気になるな。


「判決、両刀ロリペドおっちゃんは陶芸家おっちゃんに進化した!!」

「は? いやいや、だからオッチャンじゃねぇっつーの」

「それならヒゲを剃らんかい!せめてカネダさん位整えーや、なあカネダさん」

「ふむ……そうだねぇ、やっぱ僕としては綺麗に剃るのが一番良いと思うけどな」

「か、会長。そりゃ無いっすよ~」


全員で笑いながらおっちゃんを弄り回す。やれそのせいでモテナイとか、だから童貞なんだとか、だから何時までも下っ端とか……いや、下っ端とか童貞は俺は知らんぞ? あんちゃんとカネダさんが言ったんやからな?

そうやっておっちゃんを弄ってると良い時間になったので全員で風呂から上がる。服を着替えてから食堂へ。ついでに俺も一緒に朝食を食べる事に。

異様に腹が減ってた俺は兎に角食べる。その食べっぷりに俺自身も含め、全員が驚いていた。凡そ大人3人前位を食べきって食後の水をちびちびと飲んでると昨日の役所での話しになった。


「ほう、じゃあバッツ君はプレートを持ってなかったのかい?」

「そうなんですよ会長、なので俺が買い与えました」

「これなー」


と言ってポケットからプレートを取り出して見せる。


「ふむ、このタイプは型落ちだからプレートとしてはそこまで高いものではないけれど、それでもそれなりにしただろう?」

「まあコイツしか持って無い奴居ませんでしたし、別に自腹でも良いかなと」

「……後で経理の人に申請しておきなさい、来月分につけておくから」

「いいんですか?」

「かまわんよ、必要なモノだしね」

「ありがとうございます」


おお、プレートの金が商会の経費で落ちるんか……。この商会ってめっちゃホワイト企業やないか? 奴隷商ってイメージだとめっちゃブラック企業感があったけどここまでくると超ホワイト企業やな。

もしこの世界に某掲示板サイトあったらホワイト企業として乗るんちゃうか?


「しかしバッツ君は読み書きが不十分とはいえ色々と聡い子なんだねぇ。普通はもうちょっとこう……もっと子供らしいんだけど」

「発想も大人びてる上に肝が据わってますからね」

「坊主は普通じゃないっすねー」


おい、ロリペド。普通じゃないってなんだ普通じゃないって。どこからどうみても10歳のショタボディだろうが。


「うーん、バッツ君は資質鑑定ではどうだったんだい?」

「……あ!すいません、コイツ昨日飯の後に失神したんで書類に記入してません」

「失神? また何で?」

「飯の後に俺の部屋で文字を教えてたんですけど目を離した隙に失神してました」

「バッツ君、今日は体の方は大丈夫なのかい?」

「はい、大丈夫です」

「本人が大丈夫と言っているなら良いか、だが健康には気をつけてな。何事も体が資本だ」

「はい」


会長はこの後、直ぐに仕事があるので食器を片付けてから会長室に戻って行った。ロリペドのあんちゃんも朝の掃除があると言ってさっさと食堂から出て行った。で、俺はと言うとあんちゃんと残って商会への登録用書類を文字の練習がてら記入している。


「んで、『雷』ってこれでええんか?」

「ん~? 違う違う、ここに1本線が足りないのとここは右に曲げる」


昨日出した紙とペンで下書きをしてから書類に記入する。10分程かけて書類が完成した。

書類が出来上がる頃になるとちらほらと子供達が食堂に集まりだして席が埋まってくるので、俺達も食器を片付けてから書類を持って事務所へ移る。事務所へ行くとルルーツさんが事務仕事をしていた、何でも昨日遊んだ所為でちょっと仕事が溜まってたそうだ。

遊ぶのはいいけどちゃんと仕事してください……。そんなルルーツさんに書類を渡してから不備が無いか精査してもらう。

問題が無かったのでルルーツさんが書類をリストに収めて登録完了。これで今日やる事も終わったし、一日はフリーになった。


等と思っていたが、プレートの件をすっかり忘れていた。部屋に戻り同室の子達が居ない事を確認してからプレートを起動させる。

起動させて出てきたのは……当たり前だが今世の言葉で書かれた俺の情報。読めない部分もあるので恐らくだがこれがあれば自分の進むべき道が見えてくる気がする。

早速あんちゃんの所へ行って表示されてる内容を教えてもらおう!


「成る程、それで俺の所に来たって訳だ」

「そそ、っちゅー訳なんで、コレの内容教えてくれへんか?」

「そんじゃプレート貸してくれ」


言われて俺のプレートを渡す。するとあんちゃんは俺のプレートを机に置き、自身のプレートを並べて比較しながら俺に教えてくれた。


「いいか? この一番上のが『名前』だ、書き方分からなくなったらまずコレを見るといい」


言われながらどこに何が書いてあるかをメモしていく。あんちゃんは俺がノートに『日本語』で記入するのはスルーしてくれるので助かる……スルーしてくれてるんだよな?

深く考えるのはやめてあんちゃんの説明に耳を傾ける。


「んで、名前の横に書いてある数字が『レベル』になる、所謂強さの指針になる数字だな」


その下の列になると種族、性別、年齢になって、そこから順に体力、魔力、技力、筋力、頑強、知性、器用、敏捷となっている。

さらに下へ行くと持ち主の職業、特技、称号があるんだとか……称号って何やねんって質問をすると、ある程度周囲に認知された二つ名は称号の欄に載り称号化するんだとか。他にも何時の間にか称号が付く事があるらしい。

ソレ等を踏まえてあんちゃんと俺のプレートに書かれている内容を見てみる。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


《ブンダ》   Lv8

人間  男性  31歳

体力  236/236

魔力  113/113

技力  162/162

筋力  81(81)

頑強  57(57)

知性  79(79)

器用  68(68)

敏捷  60(60)



職業【奴隷商】

特技【火魔法】

称号【―】


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


《バッツ》   Lv1

人間  男性  10歳

体力  73/73

魔力  35/35

技力  49/49

筋力  23(23)

頑強  19(18)

知性  24(24)

器用  21(21)

敏捷  17(17)



職業【―】

特技【ゲーム】【雷】

称号【道具使い】


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


ステータス的には大体あんちゃんの三分の一って感じかな? 年齢的に比べると大体合ってるような気はするけどどうなんだろう。

そして突っ込み所は特技の欄か……『ゲーム』はまあ良いとしよう、実際ゲーム機生やせたりするんだから……『雷』って何だよ。あんちゃんみたいに雷魔法とかじゃないんかい!


「あんちゃんコレってどうなん?」

「んー、割と平均っちゃ平均なのかな? 大体年齢の倍の値が平均だ。と言ってもそれは精々20~30で伸び代は個人で全然違うからなんとも言えんが」

「それじゃこの括弧って何?」

「こりゃ素の能力だな、んで左のが身に着けている物を反映させた値らしい」

「持ってる物……要は装備品で変動した値って事?」

「そうだ、例えば魔道具なんてのが代表的なモンだな。倍率で底上げしてくれる奴なんてびっくりする位の値が付くぞ?」

「ふーん、じゃあ俺は10歳だから10*2で平均で見れば20前後って事?」

「お前数字に強いんだな……そうだなソレを考えるとお前は器用が一番伸びてて、反対に敏捷が低い。でも筋力や知性も高いから街拠点の力仕事か、それとも職人に向いてるのかもな」


成る程、ステータスから見るとそんな風に考えれるんか。でもこれからの伸び次第じゃ別の道も見えてきそうやな。


「ふーん、じゃあ特技の欄のコレ、『雷』ってなんやろ? あんちゃんみたいに『火魔法』とかじゃなくて雷単品ってどないなっとるん?」

「ああ、そりゃお前の資質だろ。役所の資質鑑定で雷って出て自覚したから表示されてるんだ。多分意識的にやれば多少は資質通りの現象は出せるけどちゃんと技術学ばないと魔法としては扱えねーよ」


魔法って聞くと才能うんぬんって感じだったけど、魔法=技術なのか。属性だけが才能なのね。


「じゃあ最後。この称号ってなんやろ?」

「んん?『道具使い』か……確かベテランの職人さん達が割りと持ってる称号だったと思うけど……何でお前こんなの持ってるの?」

「しらんがな」


纏めると俺には器用さをメインに何かの職人がオススメで魔法は雷魔法が覚えられる。称号は道具を使う際に補正が掛かってその道具に合わせた動きが自然に出来るんだとか。

職人ねぇ……大工とか? まてよ、一次産業で木工、石工、革職人辺りもあるか。うーん、職人のイメージが漠然としてて思い浮かばん。


「バッツ、今は深く考えなくてもいいぞ。これから暫くは色んな事をやらせて、その中で適正があるものに割り振られるし。そもそも向こうが雇ってくれなきゃ意味無いんだ」

「向こう……ああ、なるほど」


商会としちゃ稼いで貰わないといけないから相手側から断られたらその時点でお終いなのね。

そこでふと、役所のラスターに言われた言葉を思い出した。


「そういやさ、役所で資質鑑定して貰った時に『魔法鍛えれば仕事の幅が増える』みたいな事言われたんだけど、何でだろう?」

「ん? 資質鑑定の時……雷……仕事の幅……って、バッツ、お前もしかして『付与』持ちか?」

「うん、そうだけど?」


あんちゃんが右手を頭に当ててアッチャーって顔をしてる。何だ? 付与って何かいかんのか?


「バッツ、お前の仕事先が決定した」

「は?」

「多分お前の仕事先は公的施設になると思う、つまり公務員かな」


ステータスの設定に結構悩みました。

後ロリペド君の名前を募集します、なにかあれば感想でも活動報告にでも良いのでご記入お願いします。

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