21話
ギランダ
『お姉ちゃんが俺をなかなか家から出してくれないの、ひどいと思わない?』
ヤイバ
『・・・それはともかく、いい加減口調をどうにかしたらどうだ?』
ギランダ
『カッコイイでしょー、ダンラギと同じなの』
ヤイバ
『あっそ・・・』
今マテリアの家でギランダの話し相手になっているが・・・どうしてこうなった?
それにしても、目の前の十歳ちょっとの少女が中途半端に男口調で話すのはなかなかシュールだ
ギランダ
『俺も旅したいのー』
ヤイバ
『危ないからやめておけ』
ギランダ
『何かあってもね、とりあえず撃ち落とせばいいんだよ!』
ヤイバ
『・・・』
俺は時折戦闘狂と呼ばれる事はあるし自覚もしているが・・・目の前のこいつは天然で戦闘狂か?
ギランダ
『俺だってダンラギぐらい強いのー、絶対負けないんだからね!』
ヤイバ
『うるせえよ、ダンラギって誰だよ?』
ギランダ
『まだ寝てるよ、俺が旅に出たら最強になるんだからね!ヤイバのおじさんも超えちゃうよ!』
ヤイバ
『おじさんか・・・』
こいつもストグも戦闘狂で有名な俺を挑発するあたり危機感は無いのか?
俺は弱い奴には興味無いがな
マテリア
『いえいえ、発展の時代に創られた貴方は若作りジジイ・・・失礼、私とした事がわざと本音を言ってしまいました、すみませんね』
マテリアはギランダの部屋に入って一言がそれかよ!!?
ヤイバ
『ああ!?、喧嘩うってんのか?表に出ろよ!』
マテリア
『貴方に勝てる訳ないでしょ?それとも、そんな私をこてんぱんにしたいのでしょうか?』
ヤイバ
『弱いもの虐めだといいてえのか?』
マテリア
『貴方にそこまで能があるとは驚きです。尤も、私が言いたかったのはへんた・・・』
ヤイバ
『ふざけんなー!!!』
この前会ったばかりの俺にここまで言うお前は何もんだよ!?
ギランダ
『無駄だと思うよ、お姉ちゃんは普段からこれだから』
あいつは普段から息をするかの如く毒を吐くのか!?
マテリア
『そんな事言うと外出時間が少なくなりますよ?』
ギランダ
『意地悪だ!』
マテリア
『可愛いギランダを一人にできないのよ、どっかの戦闘狂に襲われたらどうするの?』
ヤイバ
『俺を見んじゃねえ』
ギランダ
『俺が撃ち落とす!』
マテリア
『ダメよ、ギランダはまだ頭も身体もお子様だからね』
ギランダ
『それ絶対俺をバカにしてるよね?』
あながち間違ってないがな
マテリア
『所詮あなたはどこぞの蜥蜴レベルの頭脳しか無いのよ、身体能力は・・・ヨチヨチ歩きの子供かしら?』
ギランダ
『うわぁ・・・』
何かものすごく酷くなった。しかもついでにどこぞのドラゴンまでけなしてる
マテリア
『だから私がずっと守ってあげるのよ』
ギランダ
『俺は最強になるんだ!』
ダメだこの姉妹、さっさと退散しよう
・・・
マテリアの家から脱出し外をふらついていると・・・枯木を見つめる変な奴が
???
『アレ・・・ヤイバ!?』
ヤイバ
『てめぇ誰だ?』
どこかで見たことがあるような・・・
シード
『私はテラ・シードよ、ホワイトレッグのね』
ヤイバ
『ハッ!あの気にいらねえ組織か』
シード
『ねえ、ホワイトレッグってあなたから見たらどんな感じ?』
ヤイバ
『しらねえよ、俺は俺だ周りなんて関係ねえ』
シード
『そう、自由なのね。私も自由に生きてみようかしら?』
ヤイバ
『好きにしろ』
シード
『リュラの行動にも疑問なのよ、復讐なんて良いものだと思う?』
ヤイバ
『目的がある分はいいんじゃねえの?俺は周りに愛想振り撒くような奴は嫌いだが、自分のやりたい様にやる奴は素直で良いんじゃねえか?』
シード
『自分の好きな様にか・・・』
ヤイバ
『じゃあな』
シード
『待ってよ!』
・・・
シード
『ホワイトレッグが世界オイトタに侵入してるわよ』
ヤイバ
『何で俺に言うんだよ?』
シード
『だって、行くんでしょ?』
ヤイバ
『そりゃあな』
当たり前だろ?こんな面白そうな事を逃すとでも?
そして、世界オイトタへの鏡を用意する
シード
『・・・私はどうすれば』