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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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釘バット令嬢

作者: 結城 からく

「エルシア! 君との婚約を破棄――」


「上等ですわァッ!」


 高らかと宣言しようとした侯爵に釘バットが襲いかかる。

 侯爵は腰を抜かした拍子に紙一重で躱すことができた。

 もしそのまま立っていれば、顔面が削れ飛んでいたところだろう。

 その事実を認識した侯爵は激昂する。


「き、貴様! その武器をどこから取り出した!?」


「企業秘密ですわぁ!」


 釘バットを持つ悪役令嬢エルシアは、狂暴な笑みを以て答える。

 爛々と輝く双眸は、破壊と殺戮への期待に満ちていた。

 既に理性は無いに等しく、無骨な釘バットを大きく掲げる。


 対話による解決が不可能だと悟った侯爵は、大慌てで声を上げた。


「衛兵! 衛兵! この女を殺せッ!」


 鎧を着た数十人の兵士が室内に集結する。

 彼らが攻撃を仕掛ける前に、エルシアが釘バットで殴りかかる。


 フルスイングの一撃が軌道上の兵士を肉片に変えた。

 防御を試みた者も腕ごともぎ取られて泣き叫ぶ。

 隙を突こうとした兵士は、勢いのままに回転する釘バットで引き裂かれて死んだ。

 エルシアは止まらない。

 嵐のような速度で絶えず釘バットを振り回し、間合いに入った者を抹殺していった。

 血飛沫に濡れた彼女は、満面の笑みで死を撒き散らす。


 そうしてものの数秒で兵士は全滅した。

 正確には増援が到着しているが、誰もが被害を恐れて近付こうとしない。

 侯爵は完全に見捨てられた状態であった。


「そ、そんな……馬鹿な……」


「これが現実ですわぁ」


 エルシアが侯爵に釘バットを叩き付ける。

 侯爵は咄嗟に魔術の結界を使用した。

 結界はあっけなく打ち砕かれるも、打撃の軌道を僅かにずらすことに成功した。

 侯爵の脳天を粉々にするはずだった釘バットは、彼の片目と額を抉るだけに終わる。

 無論、それでも重傷なので侯爵は転げ回って悶絶した。


「うがああああああぁぁぁっ!?」


「無駄な抵抗ですわぁ!」


 エルシアは侯爵の口に釘バットを入れて、そのまま力を込めて押し込んだ。

 痙攣する侯爵がへばりついた釘バットを振り回し、彼女は歓喜する。

 それを見て呆然とするのは、侯爵の新たな婚約者であるアナだった。

 遅れてやってきた彼女は凍り付く。


「えっ、何これ。虐殺バッドエンドはもっと先のシナリオのはず……」


「メインディッシュですわァッ!」


 侯爵付きの釘バットがアナに向かって振り下ろされた。

 アナの顔面が潰れ、首が捻じ曲がり、胴体が裂けて、両足が千切れ飛びながら即死する。

 仲良く肉塊となった侯爵とアナを連れて、エルシアは機嫌よく謁見の間へと向かう。

 そこにはこの国の王がいた。


「や、やめてくれ。王の権力で何でもやろう。だから命だけは」


 国王の頭部を粉砕したエルシアは、血の付いた王冠を被って玉座に腰かける。

 愛用の釘バットを弄びながら、彼女は不敵に宣言する。


「国盗り開始ですわ」

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