Ep1:Restart
-設定確認。
作成予定仮想空間No.05。
現時刻西暦××××年×月×日××時××分××秒、仮想空間内開始時刻西暦××××年、×月×日××時××分××秒。
初期人口5億人、人口限度80億人。
人格選抜ランダム。
主要管理プログラム12種オールグリーン。
活動促進仮想敵兼容量整理プログラムレベル1より運用。
ワールドレベル3以上で即刻通知。
初期仮想表面積510,100,000 km²。
許容拡大表積………………………………………
Enter
-起動開始します-
「準備出来たか?」
「うん!いつでも出れるよ。」
「もうそんな時間か。おーい!みんなぁ!出るってよぉ!」
「はーい!」
「わざわざ見送くんなくてもいいよ?すぐ帰ってこれるんだからさ。」
「馬鹿たれ。
こういうのはやっておくことが大切なんだ。」
「いいじゃない、しばらく会えないのは本当なんだから。」
「まぁ…それはそうだな。」
玄関から声を掛けられ、家事をしていた子どもたち3人が勢いよく走り寄ってきた。
この当たり前の風景だった風景が見れなくなると思うと、出立前の2人は柄にもなく少し物寂しさを感じてしまうのだった。
「よし、みんな揃ったな。」
「揃ったー!」
「コホン。…グレン、ライラ。
この5年間、本当によく修練に励んだな。
今の実力ならギルドでもある程度は通用するだろう。
だが忘れるな。
上には上がいる。
慢心するのは構わんが、怠けることだけはしちゃいかん。
どれだけ強くなっても満足せずに、鍛錬は毎日続けるんだぞ。いいな?」
「「押忍!」」
「よろしい。
…それと、体に気をつけてな。
一時的に離れるとはいえ、ここはいつまでもお前達の家だ。いつでも帰ってきなさい。」
「…うん。ありがとう。
じゃあ俺からも一応。
え~……みんな。
今まで本当に世話になった!
俺が生きてこられたのはアンクルのおっちゃんやみんなのおかげだ。
ちょっとでも恩返し出来るように、ギルドで頑張ってくる!
だからちょっとだけお別れだ。
おっちゃん。俺に言われるまでもないと思うけど、子どもたちをよろしく頼む。
ガキンチョ共。しっかりおっちゃんの言うこと聞くんだぞ。」
「グス…グス…グレンンンンン…!!」
やんちゃだが、明るくポジティブなムードメーカーである兄貴分のグレンと、面倒見のいい姉貴分のライラ。
これから都会に出て能力者ギルドの一員として働くために、みんなで過ごしていたこの家から2人はいなくなってしまう。
分かっていた別れのはずが、いざとなると寂しさを堪えきれずに、最年少の少女ホシは泣きながらグレンにしがみついてしまった。
「やっべ、ホシ泣いちゃった。
挨拶済ませてさっさと出よう。」
「そ、そうだね。私は~えっーと…大体グレンと一緒!
みんな大好きって感じ!
会えなくなるのは寂しいけど、お土産話いっーーーぱい持って帰るから楽しみにしてて。
だからホシ泣かないで〜!」
「ライラ…ライラァ…!」
「ほらほら、私だって寂しいからぁ。
また会えるから。ちゃんと帰ってくるから。
ね?って、あ〜あ〜スタとレルタまで。
3人揃って泣いちゃってる〜。」
幼さ故に遠慮なく悲しみを表現する義妹につられたのか、下から2番目の男の子スタと、グレンとライラを覗いて最年長の女の子レルタも、いつの間にか涙と鼻水で顔が酷い有様になっていた。
「う、うるせぇ!泣いてなんか…泣いてなんかねぇよ!」
「ぐす、ごめん…!
昨日3人で泣かないでおこうって…我慢はしてたんだけど…」
「…ったく、別れづらいったらありゃしねぇな。」
「とか言って昨日グレンも寂しそうにしてたくせに。
でも…そろそろ行かなきゃね。
ホシ、スタ、レルタ。行く前にぎゅーさせて。
はい、ぎゅ〜〜〜〜!!
…おじちゃんのこと、お願いね。」
「うん…!!いっでらっじゃい…!」
「風邪とかに気をつけろよな…!」
「メッセージ送るから、ちゃんと返事ちょうだいね…!」
「うん!みんなも体に気をつけてね。」
抱きしめていた腕を少しずつ解き、名残惜しさを背に歩き出す。
鼻をすすりながら大きく手を振っている兄弟たちと、目元を隠している養父の姿を目に焼き付けて2人は今旅立っていく。
「ゲートコマンド01!」
『行き先を指定してください。』
「行き先は、『リサーラ』!」
『ゲートコマンド01、オフィシャルワープ。
Ready?』
「Enter!」
スキルコマンドが認証され、2人の声とともに目の前に緑色の亀裂が現れる。
横に大きく広がった亀裂を進んだ先には、田舎育ちのグレンには見慣れぬ光景が広がっていた。
『神栄南方都市 リサーラ』
人口約1億1200万人。
未開拓地と統一大陸を繋ぐ港町であり、中央都市に次いで栄えている主要都市である。
都市の中央には巨大なビル群が立ち並んでおり、いかにも都会といった雰囲気を漂わせている。その一方で南側には広大なエイゲン海、西側には大森林テサーリアという大自然が広がっており、文明と自然両方の偉大さを見せてくれる。
未開拓地からの「恩恵」と3人のミュークリアスによって繁栄したのが、2人がこれから活動するこの『リサーラ』である。
『オフィシャルワープ』から抜けて見た光景は、故郷では見ることのなかった巨大な建物たちと大きな道路、そして忙しなく動き続ける人の波だった。
『おはようございます。移行暦1662年4月1日月曜日。本日も様々なニュースをお届けいたします。』
「おぉ〜、さすが都会。人の数が半端ないなぁ。
見ろ!多すぎてまるで人がゴミのようだ!
ハッハッハッハッ!
いって、何をする!」
都会に来て興奮気味だったグレンの後頭部を、ライラが軽く小突いた。
「恥ずかしいし目立つからやめて。
今流れてるホログラフィックビジョンのニュース中継に映ったりしたらどうすんのよ。
割とそういうので黒歴史ついたりするんだからね、まったく。
それに早く行かないと遅刻するよ、グレン大佐。」
「へいへい。
え〜と、ここからリニアで15分くらいか。
どうせならギルドの真ん前まで『オフィシャルワープ』で飛ばしてくれりゃいいのに。」
「それは諸々事情があって出来ニャイのよ、新入りさんたち。」
「「うわぁ!?」」
リニアカー乗り場に向かおうとしていたグレンたちは、後ろから急に声をかけられ驚いてしまった。
振り向くと、猫の獣人が虹色の扉の前に立っていた。
「びっくりしたァ…」
「あ、あなたは…?」
「初めまして。
あたしはユミ・ナナシキ。
速恭遊撃ギルド『韋駄天』のメンバーよ。」
「『韋駄天』…ってこと俺たちの先輩ってことか…!
あ、俺はグレン!グレン・リベレイターって言います!」
「ライラ・エルデンです。
よろしくお願いします、ユミ先輩。」
ユミと名乗るその女性は、ヒト型に寄ったタイプの猫獣人で、水色の髪をツインテールにまとめていた。服装は黒いインナーの上に鼠色のジャケットを羽織ってショートパンツを履いている。
盛大に先輩風を吹かせているものの、小柄な体躯と可愛らしい風貌のせいか、頑張って威張っている女児のように見えてしまっている。
「よろしくね。
お上りさんって聞いてたから、一応迎えに来てあげたわよ。
町を案内してあげたいところなんだけど、ひとまずギルドに行ってみんなと顔合わせしてもらうわ。
あたしのアビリティで送るから、一瞬で着いちゃうわよ。」
「アビリティって後ろの扉のことですか?」
「ええ、ニャイスな扉でしょ?
あたしのアビリティ、『セブンアドアレス』。
視認出来る範囲なら一瞬で移動出来るし、ドアノブに着いている錠前に郵便番号を打ち込めば、遠い場所にも行くことが出来るのよ。」
「へ〜そりゃ使い勝手良さそうなアビリティっすね。
猫の先輩が出す便利な移動出来る扉か…。
つまりどこでもド」
「ちょちょちょ!
あんた何言おうとしちゃってくれてるわけ!?
色々あぶニャイからそれ以上言わないでくれる!?」
「いやだって先輩の髪水色で猫耳だし、そこからドアまで出てきたらアレ思い浮かぶじゃん。」
「ちょっとグレン、初対面で失礼だよ。
すみませんユミえもん先輩、ギルドまでよろしくお願いします。」
「あなたも何気にユミえもん呼びしてんじゃニャイわよ!
まったく!2人とも置いてっちゃおうかしら!」
「まぁまぁユミ先輩、後でドラ焼きでも奢りますから。」
「奢るものに悪意しか感じニャイのは気のせいかしら…。
まぁいいわ、ガチガチに緊張しているよりはあたしもやりやすいし。
それじゃあギルドに送るから着いて…き…て…」
後輩からのイジりに意気揚々とツッコミを入れていたユミだったが、何かを目にした彼女の視線は徐々に上へと向かっていく。
状況を理解した彼女の顔色は真っ青になり、額からは冷たい汗が1つ流れ落ちた。
「ユミ先輩、大丈夫ですか?」
「グ、グレン…あれ…」
ライラに促されて後ろに振り向くと、巨大な黒い穴のようなものが上空に出現していた。
「『ホール』…それにかなり大きい…!
あんたたち、早くドア通って!ギルドまで避難するわよ!!」
「は、はい!」
ドアに近づきつつホールを注視していたグレンは、ホールの中から1つの人影が現れるのを目にする。
その人影は、ユミに向けて砲身のようなものを向けているように見えた。
「やばい…!
先輩、後ろから攻撃!」
「…ッ!」
禍々しいオーラを纏った砲弾のようなものが後ろからユミに襲いかかる。
グレンが声をかけたことで横に大きく回避したものの、砲弾はユミの横腹を掠めた。
着弾した地面は大きく抉れ、焼け焦げたコンクリートの匂いが辺りに広がっていく。
「な、何とか躱せたわね…。」
「ユミ先輩!!」
「大丈夫、かすっただけ…!あなたのお陰でこの地面みたいにならずに済んだわ、ありがとう。
それはそうと、早く対処しないと…こんなの乱射でもされたら街が大変なことに…!」
「もう既に大変なことになってるみたいですよ…!」
ライラは少し離れた建物に設置されている電子掲示板を指さした。
『緊急襲撃速報です。
沿岸線 スリキャスル駅付近にてホールが出現しました。
周辺の皆様は速やかに建物の中、または遠方に避難してください。
繰り返します。沿岸線にて-』
「ホール…外界からの侵入口ってやつか…。
じゃああれが…『インベイダー』…!」
ユミに攻撃を仕掛けた犯人が、空中からゆっくりとグレンたちの目の前に降りてきた。
シルエットこそ人型だが、顔はカマキリ、胴体はムカデの腹のような構造になっている。
右腕はカブトムシの頭部を模しており、角の部分は戦車の砲身のような形をしている。
左腕はクワガタムシの頭部で、角は鋭利な刃物のようである。
(人型…厄介ね…。
セキュリティかギルドの応援が来るまで何とか時間稼ぎを…)
『ギギギ…』
「人が集まっているところを眺めてる…?
グレン、もしかしてこいつ…」
ライラが言い終わる前に、インベイダーが右腕の砲身を振り上げて、近くにあった建物を砲撃した。
「きゃぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
建物が倒壊し、人々が叫び声をあげる。インベイダーはその音と様子を見るやいなや、四方八方に乱射をし始めた。
立派に立ち並んでいたビル群はあちこちに風穴が空き、周囲は炎に包まれる。
インベイダーの言葉は理解出来ないが、その様子から今どう思っているかは容易に察することが出来た。
明らかに、間違いなく、目の前の異形生物は阿鼻叫喚の巷と化した景色を見て楽しんでいる。
『グガ…グガガガガガガガァ!』
「…そんなに楽しいかよクソッタレ…!
お前にも1発くれてやる!!」
親指を立たせ、人差し指と中指を銃を向けるように異形に突き立てる。
「『メテオコマンド 01』!!」
『メテオ。Ready?』
「Enter!」
スキルを発動させたグレンの指先から直径24.5cm程のエネルギーの塊が現れ、反動でグレンを押し退けながらインベイダーに直撃した。
「グ…ガ…」
「少しは懲りたか害虫野郎…!」
(なんだあのスキル…見たことないな。
なかなか珍しいスキル使いやがる。)
(だけど…まだ倒し切れてはいない…!)
グレンがインベイダーに一撃見舞った様子を遠目に、そして密かに見ていた者が2人いた。
1人は漆黒のバイクの上からヘルメット越しに、もう1人は白と金色で装飾された近未来の甲冑越しに。
『グ…ガ…グガァァァァァ!!』
「あっぶねぇ…!」
獲物の1匹から予想外の反撃を喰らって激昂したインベイダーが、グレンに向かって肉迫する。
左腕のハサミのような武装で頸動脈を断ち切ろうと、首の部分をバチンと挟み切る。
頭を大きく下げて何とか回避したグレンは後退し体制を整える。
(あと数秒反応遅れてたら首チョンパされてたな…)
「グギャア!」
「うぉ!!?」
間髪入れずインベイダーがグレンに迫る。攻撃を避けられたことが余計に癪に触ったのか、やたらめたらにハサミを振り回している。
首だけでなく腕、足、身体をランダムに狙い、グレンに出来るだけ攻撃を読ませないように仕掛け続ける。
グレンは距離を取りつつどうにか切断を免れてはいるものの、避けた先にあった電柱や車が綺麗に断ち切られているのを目にし精神的に追い詰められていく。
(やばい、このままじゃ絶対やられる…!けど反撃する余裕も隙もねぇ…!)
「ユミ先輩!!しっかり…!」
「ごめんね…先輩のあたしが…こんな…」
「!」
掠めただけとはいえ、地面を大きく抉るほどの攻撃を受けたユミの横腹からは大量の血が流れていた。
グレンたちを不安にさせまいと強がってはいたものの、明らかに命に関わる出血量である。
そして、ユミを気にかけて動揺するグレンの様子をインベイダーは見逃さなかった。
「グギ…?
…グ、ギ…グギ、グギギギギギ…!」
「…おい、お前何するつもりだ…よせ…止めろぉぉぉ!!!」
「グギャア!!」
右腕の砲身をユミに向け、先程と同じ砲撃を放つ。エネルギーの砲弾は的確にライラとユミに向かい、大きな爆発音をたてて炸裂した。
「ライラ!!先輩!!」
「…お二人共、ご無事ですか?」
「え…」
攻撃をもろに受けたと目を閉じていたライラは、声をかけられたことで自分がまだ死んでいないことに気づいた。
困惑して辺りを見渡すと、目の前に白と金色の鎧を身につけた騎士が立っていた。
その騎士は十字が刻まれた盾を携えており、盾からは砲弾を受けた際に発生した爆煙が登っている。
「あ、はい…私は大丈夫です…。
ユミ先輩は…!」
「あたしも無事よ…死にかけではあるけど…」
「2人とも、良かった…」
「グギャァァ!!!」
「しまっ-」
「グレン!!」
2人の生存を確認して安堵していたグレンに、インベイダーは容赦なく斬撃を繰り出す。
一瞬反応が遅れたグレンは体制を崩してしまう。白刃が迫りくる景色の中、グレンの目には真っ黒なバイクで近づいて来る男の姿も写っていた。
「うごっ…!?」
「グギ!?」
「悪ぃな、咄嗟だったんで雑になっちまった。首は繋がってるか?」
黒バイクの男は、インベイダーを追い越して斬られかけていたグレンの服の襟元を掴み、後方に放り投げて攻撃を透かした。
ヘルメットを脱ぐとツンツンした茶髪と、切長の鋭い目つきが現れた。身なりは白いインナーに茶色のジャケットを羽織り、いかにもヤンキーめいた格好をしている。
「え、お、おう。
お陰様でしっかり有線接続のままだ。ありがとう。
あんたは…?」
「俺か?名乗るほどのもんじゃねえが…まぁ、答えないのも無作法ってもんか。」
ヘルメットをハンドルにかけてバイクを降り、グレンの目の前にやってきた。
「俺は武装民法組織『シンセン組』若頭補佐、ヤマト・オグナ。
よろしくな、隕石くん。」
「『シンセン組』だって…!?」
ライラとユミを助けた騎士はその名を聞いて思わず顔をしかめた。
先ほどまで穏やかながら凛々しい表情だった彼との差に、ライラは少し不安を覚える。
騎士はヤマトに詰め寄り、怪訝な顔で睨みつけた。
「巷を荒らしまわってる暴力集団の構成員が、何のつもりだ…!!」
詰め寄った勢いそのままに、ヤマトの胸ぐらを掴みあげる。
「あぁ?なんだよてめぇ。
まずは名乗れやがれ。礼儀知らずな野郎だな。」
「この…!
僕は『円卓評議会直属騎士団』第13席、アルス!アルス・ペンドラゴンだ!」
「13席だと…?なんでこんな所に…。
まぁいい。それよりお前、公僕ってことだよな。今まで呑気に何してやがった?
怪我人が大勢出てるんだぞ…!」
「…セキュリティの鎮圧部隊とここに向かっている途中、建物の倒壊に巻き込まれたんだ!
軽傷だった僕が先行してここに来た…!
部隊の大半は瓦礫に潰されて…」
「は、普段税金だけガッツリぼったくってる癖に肝心な時に役に立たねぇな!
とんだ穀潰し集団だぜ。」
「なんだと…!」
「グギャア!!!!」
「危ない!」
自分を無視して口論を始めた獲物に腹を立てたのか、インベイダーは砲弾を撃ち込んだ。
グレンは2人を抱えて近くにあった瓦礫の陰に身を隠す。
「あの野郎バカバカ砲撃しやがって…2人とも、怪我ないか?」
「す、すまない…助かった。」
「…サンキューな。」
「おう、これで貸し借りなしな。
それでさ、1個提案なんだけど。」
「提案?」
「俺らで共同戦線張って、あの昆虫図鑑マンぶっ倒さないか?」
「「…はぁ!?」」
グレンの突拍子のない提案に、普段は敵対しているはずの2人が息ぴったりに驚きの声をあげる。
「こ、この3人であのインベイダーを!?
無茶だ、大体こんなごろつきと一緒になんて…!」
「こっちのセリフだ、評議会の犬畜生なんぞと…!」
「でもさ、ここであいつ止めないと町もっとボロボロにされるぜ?
それにアルスの話聞く感じ、応援もしばらく望めない状況みたいだしさ。
2人にも色々あるんだろうけど、今は普段のしがらみとか気にしてる場合じゃないと思う。
砲撃を防げるアルスと、攻撃を見切れるヤマト、あいつ倒せる火力がある俺。
組んだらなんとかなりそうじゃね?」
「いや…まぁそれはかもしれないけど…」
「色々あるで片付けられるようなことでもないんだよ。俺らは何から何まで反りが合わねぇんだよ。」
「そんな事ないさ。
ヤマトとアルスがインベイダーを見る目、同じ目だった。
町をこんな風にされて怒ってるのは絶対同じ気持ちのはずだ。
だったら俺たちは協力出来る。力を合わせれば、あいつにだって絶対勝てるよ。」
2人を説得するグレンの目は、ただひたすらに真っ直ぐだった。
知り合ったばかりではあるが、気のいい先輩を目の前で傷つけられた。
仇を打ちたいという怒りの感情と、ヤマトとアルスの力を純粋に信じているその目が、相反する2人の心を動かした。
「…は、上等じゃねぇか。いいぜ、やってやる。あの虫ケラぶっ潰すぞ!」
「あぁ!言いたいことは山ほどあるけど、まずはあの怪物を何とかしないとね!」
「そうこなくっちゃ!
さぁて…昆虫図鑑マン殺虫作戦、開始だぜ!」
次回
田舎者、チンピラ、公僕の凸凹チームが外宇宙からの害虫駆除に挑む。
残念ながら〇ースジェットは効きません。




