7月23日 俺様 叩かれた(7.4k)
いろいろあってユグドラシル王国の【王】になり、これから産まれる子供達が幸せに生きられる国を創る仕事を背負っている俺は、シーオークと外洋人の混血の王、通称【ヨー王】。
ソンライン市長とその仲間達のおかげで、街の復旧は順調だ。
電力や燃料の供給を失い、従来使用していた動力機械がほとんど使えなくなったが、混血者の割合が多いので火魔法や水魔法の組み合わせで、生活の再建は進んでいる。
国内各都市の復旧も順調だけど、都市間の通信網や物流網の復旧は見通しが立たないのに加えて、各地で有線電信網の銅線や、鉄道のレールが盗まれる事件が多発している。
だからもう、国全体を一つの経済圏にするのではなく、【地産地消】を前提とした【コンパクトシティ】の集合体として国を構成する方向で動いている。
そんな形での経済政策の設計は、王子の残した資料がすごく役に立った。
そして、あの村に派遣したカミヤリィ議員が、8日前に一時帰還した。
詳細は話すことはできないとのことだけど、エヴァ嬢は元気とのこと。
少し安心した。
カミヤリィ議員の今の仕事は【外交官】らしく、あの村からのメッセージを持ってきた。
【国境分断のお知らせ】
8月15日を期限として、ヴァルハラ川周辺を封鎖するので、通行したい者はそれまでに指定の経路を経由して通るようにとのことだった。
そのメッセージに従い、アレク中尉率いるエスタンシア帝国軍は、残っているトラックで3日前に帰国した。
ユグドラシル王国の混乱収束に協力してくれたお礼として、トラックに積めるだけの食料を渡した。
彼等は帰国してエスタンシア帝国の混乱収束を行うそうだ。場合によっては、俺と同じように政権を乗っ取ることも考えているとか。
街や国の復興の実務は優秀なメンバーがまとめてくれている。だから、【王】である俺の主な仕事は、王城区画内の王宮メイド達に食料を届けること。
王城区画は相変わらず閉鎖されており、出入りできるのは俺だけだから、これは俺がするしかない。
やっぱり彼女達は【獣人】なので、自分達で食べ物を分け合うことはできない。
普段は食べなくても死なないらしいが、子供を産むためには食べないといけないから、それぞれの【食性】に合わせた食べ物を俺が配る必要がある。
大半を占める【雑食性】の方々は外洋人と同じものを食べる。
【トラ耳】の方々は肉食性で生肉しか食べられないので、首都郊外の養鶏場から鶏を融通して頂く。
【ウサギ耳】の方々は草食性なので、これも首都郊外の牧場から牧草を融通してもらう。
街で確保した食料を王城区画外壁を飛び越えて運び込み、王城内を歩き回って必要量を彼女達に手渡しで配る。
結構大変な仕事だけど、渡すたびに彼女達が大喜びするので、それを励みに頑張っている。
【獣人】は手に入れた食べ物を手放すことができないという【習性】がある。それでどうやって王宮メイドをしていたのかキツネに聞いてみたら、うまく役割分担していたらしい。
肉食の【トラ耳】や草食の【ウサギ耳】の方々にとって、外洋人の食事は【食べ物】ではないので、彼女達は調理や配膳の仕事ができるという。
それで誰にも気づかれなかったというから、工夫次第で何とでもなる物だなと感心した。
そして、今日もその日課の最期として、塔の上層階にあるキツネの部屋に来た。
「いらっしゃい。待ってたわ」
部屋に入ると、真紅のドレスに身を包んだノイン姫が立っていた。
とんがり帽子は無くて、頭の上の【キツネ耳】が出ている。
スカートの下からは長い尻尾が1本出ており、ゆらゆらと揺れている。
「キツネか」
「キツネよ」
名前は知っていても、耳と尻尾を見るとやっぱりキツネと呼んでしまう。
「食料持ってきたぞ」
「ありがとう」
キツネに【昆虫食と乾パン携帯食セット1食分パック】を渡す。
キツネは食性が雑食性で、食べる物は人間と近いので食事の準備が楽でいい。でも、多くの【獣人】と同じく、ニンニクや玉ねぎはダメなので、それを抜いたものを作ってもらっている。
キツネは部屋の中のハイテーブルにある大皿の上にパックの中身を出して、幾つかをつまんだ。
エヴァ嬢と違って、目の前にある物を一気に食べたりはしないらしい。
「キツネは、街には行かないのか?」
「もう行く気は無いわ。ここから見てるだけで十分よ」
他の【獣人】達もそうだけど、彼女達はこの区画から出ようとしない。
【獣人】であることが見つかるとマズイというのはあるけど、退屈しないか心配してしまう。
「復旧が進んできて、結構にぎわっているぞ。お忍びで出ても楽しめるんじゃないか? 俺が背負って跳べば外に出られるだろう」
「私もその気になれば飛び越えられるのよ。だけど、街はもういいわ。今まで十分楽しんできたし」
「キツネは街で暮らしてたこともあるのか?」
「この首都が出来た頃から、随分長いこと暮らしたわ」
いつ頃の話か分からないキツネの昔話。なんか面白そうだ。聞いてみよう。
「どんなふうに暮らしてたんだ?」
「最初は小さな集落だったけど、どんどん人が増えて、農地も広がって、街が大きくなっていったわ。最初の頃は足りないものが多かったから、火魔法や水魔法とかで開拓や建築の手伝いもしてたわね」
首都ができた頃って、二百年ぐらい前じゃないのか?
本当にキツネは何歳なんだ?
「街が一通り出来上がって生活が安定してくると、いろいろ楽しいことも増えたわ。友人も沢山できたし」
「友人って外洋人のか?」
「そうよ。外洋人の若い女の子と仲良くなって、私の奢りで一緒に飲んだり食べたり喋ったり。楽しかったわ」
「キツネは外洋人の女性とどんな話をしてたんだ?」
「やっぱり、年頃になった娘の最大の関心毎は今も昔も【結婚】ね。私も結婚式に呼ばれる事多かったけど、その二次会で、先を越された娘がやけ酒で酔いつぶれるのを介抱したり。まぁ、楽しかったわ」
「楽しそうってのは分かるけど、なんで結婚式でやけ酒なんだ?」
「友人の結婚式に参加した時に【なんで結婚しないの?】とか聞かれると、大概の女の子は式が終わった後でやけ酒して愚痴るのよ。【しないじゃなくてできないなんだ】って。まぁ、私の方が独り身長いから、そんな娘達に【師匠】と呼ばれたりしてね」
「なんか、痛い荒れ方だな」
外洋人の女性は優しいイメージあったけど、荒れることもあるんだ。
「でも、そうやって荒れた娘も、すぐに相手を見つけて結婚して、そうなると疎遠になっちゃって。寂しかった。荒れたくなる気持ちが良く分かった」
「気持ち、わかるんだ……。寂しいんだ……」
「その娘達が出産したら、子守の仕事を引き受けることもあったけど、一緒に遊んだ若い娘が立派な【母親】になっていくのを見ると、やっぱり寂しくて……」
自分より若い子が先に結婚して【母親】になっていくのか。
【母親】に憧れていたと言ってたけど、これはつらいのかな?
「それで、子守の仕事で私が世話していた子供が、またすぐに大きくなって、若い娘になるの。そしたら一緒に飲んだり食べたりするんだけど、やっぱりまたすぐに結婚して【母親】になっていくの。その繰り返し」
「そうか。寿命が違うから」
赤子の頃から面倒見てた子が先に【母親】になっていくのか。
しかもそれを何世代も繰り返したのか。
ある意味すごいと思うけど、先越された感はあるんだろうなぁ。
「100年以上そんな生活していたら、ちょっとしたことで街を追い出されちゃって。半ばヤケになって、国で最高の男の【子種】を貰って、最高の子孫を残したいと思って狩りに行ったのよ」
「国で最高の男って、一体誰を狙ったんだよ」
理由はどうあれ【不倫】は重罪。
狙われた男にとっては迷惑な話だろ。
「国王の【子種】を奪おうと王城に侵入したら、王妃様に捕まってひどい目に遭った」
「何やってんだよキツネ!」
「本当に、失敗だった。外洋人の恐ろしさが骨身に染みたわ……」
あのキツネが遠い目をしている。
どんだけ酷い目に遭ったんだ。
「いや、キツネも【獣人】だよな。外洋人よりもよっぽど足は速いよな。なんで捕まるんだよ」
「……1回目と2回目は、見つかったけど無事逃げられたのよ」
何度も行ってたのか。
「3回目。やっぱり見つかって逃げようとしたら、廊下に【油揚げ】があったのよ」
「【油揚げ】があったからって、どうなんだ?」
「気が付いたら、檻の中だったわ」
「おいっ!」
「運動能力では負けないと甘く見ていたけど、外洋人は恐ろしい相手だった」
「それ、獣用の罠じゃないか! なんでそんな物に引っかかるんだ!」
「【獣人】だからよ! 引っかかるわよ! 外洋人は本当に恐ろしいことを平気でするわ」
そういえばそうだった。エヴァ嬢もエヴァ嬢の村の獣脚男達も、目の前に食べ物を出されると見境がないところがあった。
これも【獣人】の抗えない習性か。
じゃぁ、もしかしてあの時。
エヴァ嬢にスカートを履かせた後で、【イワナ】を入れた【檻】を目の前に出せば、エヴァ嬢を無傷で捕獲できたんじゃないのか?
檻の中に食べ物どっさり入れておけば、食べ終わるまでは大人しくしているだろうし。檻を隠せる場所なんて近くにいくらでもあった。
いや、もう考えるまい……。
「王妃様に捕まって、檻に入れられた状態で、二人きりで一晩中説教を受けた。怖かった。本当に怖かった…………」
「ちなみに、それいつの話だよ」
「えーと、30年ぐらい前かしら。その時の王はフォール・キル・ユグドラシルよ。まぁ先代の王ね」
中央ヴァルハラ市で犠牲になったあの王か。新聞で【不倫疑惑】なんてのがあったけど、本当に危ない所だったんだな。
「あれ? でも、だったらなんでキツネは王城で【姫】をやっていたんだ?」
普通に考えて、そんな危険人物、いや、危険獣人を城に入れたりしないだろう。
「街を追放されていたけど、王妃様とは文通してたのよ。持病が悪化して余命宣告受けたからって、臨時の後妻を頼まれたの」
「それで城に居たのか。【不倫】未遂の相手に後妻を頼むなんて、王妃様もかなり大胆だな」
「王妃様が亡くなって、私が城に来たのはわりと最近よ。王子も大きくなってたし、王も歳を取っていたわ。だから、後妻というより【知恵袋】ね。長生きしていた分、国内各地の事情に詳しいということで」
「【知恵袋】か。だったら、その力で【戦争】の回避はできなかったのか?」
【王】の直下、政治の中枢部に【知恵袋】が居たなら、何とかしてほしかった。
「できたかもしれないけど、戦って強い者だけが勝ち残るのが自然の摂理。だから私達には戦いを止める理由が無いの」
キツネが無茶苦茶言い出した。
「それは【獣人】の考え方だろ」
「【獣人】の男は求愛のために最強の座を巡って戦った。何度見ても美しい戦いだった……。でも、外洋人の男達はそれ以上に美しい戦いを見せてくれた」
なんかキツネがうっとりしてるけど怖い。
恍惚とした表情も怖いけど、戦いを美しいとかいう発想も怖い。
「彼等はね。自分の女を守るために戦うの。女と子供を食べさせていくため。自分の子供達に食べていけるだけの財産を残すために命を懸けて戦えるの」
「矛盾してるだろ。戦争さえ無ければ死なずに済んだ人間が、女子供含めてたくさん死んだんだぞ」
人口が集中していたヴァルハラ川沿いの大都市は消滅して、そこに居た人達は全員亡くなった。
犠牲者の集計はできていないけど、国内人口の7割近くが亡くなっている。混血者は街から追い出されていたから、犠牲者のほぼ全てが純血の外洋人だ。
「自分の女子供の為なら、死んででも殺してでも奪い取る。世界を滅ぼしてでも家族を守る。そんな強い【愛】を感じたわ」
世界が滅びたら家族は守れないだろう。
そんなものを本当に【愛】と呼んでいいのか?
発想がぶっ飛んでるなぁ。
「キツネめ……」
「キツネよ」
「まぁ、女や子供達への【愛】が、彼等の戦いの原動力。それを知った私達には止める理由が無い。だから、貴方に託したのよ」
「俺に? 俺、なんにも聞いてないぞ」
「私がここに居るっていうメッセージを流していたんだけど。残念ながらそんなに上手くはいかなかったようね」
メッセージ?
キツネがここに居る?
うーん。まさか、アレか?
「もしかしてデタラメ本の【紙の砲弾】か? そこにあった【お姫様の耳はキツネ耳】っていう記事がメッセージだったのか?」
「そうよ。貴方読んでたんじゃない」
「いや、分かりにくいだろ。それ読んで俺は一体どうすればよかったんだ?」
「戦時伝令使として城に出入りしていた時、王宮メイドにその話をすればよかったのよ。知ってたなら気にならなかったの?」
仕事で王城区画内に来た時は、長い待ち時間の間王宮メイド達と世間話は普通にしてた。【獣人】だったとは知らなかったけど。
主に流行りの服とかの話だったかな。【紙の砲弾】の話をしたことは無かったな。
「……もし俺がその話をしていれば、どうなってたんだ?」
「貴方がその話をすれば、王城見学の名目で私の所に連れてくる手はずだったのよ。私はある程度王子の行動に口出しできたから、直接会えたならやりようはあったわ。例えば、【戦時伝令使】を解任してあの【大剣】を渡せば、貴方なら力業で戦争を止められたでしょ」
今考えると、確かにできたかもしれない。
【戦時伝令使】は戦況に関与してはいけないという縛りがあったから、俺は真面目に仕事をしていたけど、それさえなければ、戦争を泥沼化させた変なデマを止めることはできた。
それに、【大剣】があれば暴徒を一掃したり、正面から軍隊を止めることもできた。
「これも俺の【ダメ行動】の結果なのか……」
「起きてしまったことを悔いても仕方ないわ。だけど、貴方はもう少し視野を広げて考えて行動したほうがいいわね」
俺が真面目に【戦時伝令使】の仕事をしたことで、戦禍は拡大してものすごい数の犠牲者を出してしまった……。
確かに、もう少し視野を広げて考えるべきだった。
ルール違反は【死刑】と言われていたけど、エヴァ嬢の両脚を斬ることに比べれば、俺が無茶苦茶してお尋ね者になるぐらいどうってことは無かった。
今までの行動を思い返すと、反省点が沢山出てきて、思わず腹が減る。
なんとなく、目の前のハイテーブルに置いてある乾パンをつまむ。
「どろんぱぁぁぁぁぁぁ!」 スパァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 ドサッ
いきなりキツネに尻尾で尻を叩かれて、激しい痛みで倒れてしまう。
「…………貴方、今、何したの?」
背後からキツネの怒りの籠った声。
俺は、自らの失敗に気付いた。
あの乾パンは、キツネの分だ!
【獣人】は食べ物を【横取り】されると逆上するんだ!
「ごめんなさい! 気が緩みました! 油断しました! 【叩き】は勘弁してください! 立てなくなります!」
ドガッ ビシッ
床に倒れる俺の目の前に、キツネの尻尾が突き刺さった。
綺麗な毛並みの小麦色の尻尾が、石のタイルを貫いて床の下地に深く嵌入している。
「そう……。【叩き】が嫌なら、【掘る】しかないわね……」
ビシッ パラパラ
小麦色の尻尾が床から抜けて、綺麗な毛並みの隙間から砂を落としつつ、俺の視界の上の方にスーッと上がっていく。
恐い。【掘る】って何だ。何をされるんだ俺。
床を打ち抜く危険な尻尾で、キツネは一体何を【掘る】つもりだ。
いや、回避する方法を考えろ。俺。
大変な事になる前に、今こそ視野を広げて考える時だ!
「【叩き】でお願いします! 【獣人】から食べ物を横取りしたダメな【王】は俺です! 深く反省しております!」
スパァァァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「【獣人】相手じゃなくても、横取りは行儀が悪いのよ! 貴方は【王】なんだから、全てにおいて国民の手本となるような振る舞いを普段から心がけなさい!」
「ごめんなさい! 気を付けます! 普段から【王】らしい行動に気を付けます!」
スパァァァァァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺は【王】だ。
乾パン一つ横取りした罪で、床に腹ばいになりキツネの尻尾で尻を叩かれて、痛みに悶えている【王】だ。
スパァァァァァァァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
お尻が痛い。今日はもう立てない。
たぶん朝までここに転がされる。
空腹だけど我慢だ。
なんだかよく分からないけど【掘る】というのが怖い。
たぶん【叩き】よりも酷いに違いない。
スパァァァァァァァァァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
【愛】が戦争を創り出すというなら、人々が家族を想う【愛】が戦争に向かないような社会を作るのが【王】の仕事だ。
戦争は誰だって嫌だ。だけど、誰も止められなかった。
スパァァァァァァァァァァァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
戦争を防ぐには想いや心がけだけではだめだ。
時には強権を発動して、少なからぬ犠牲を払ってでも流れを強引に止めるような仕組みが必要だ。
たぶん【暴君】と呼ばれるんだろうけど、戦争を止めるには【暴君】が必要なんだ。
スパァァァァァァァァァァァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
【王】は考える。
今日はもうお尻が痛くて立てないから、【王】は明日から考える。
未来永劫の平和のための社会の在り方を。
スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン
「どぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
●オマケ解説●
年頃の娘は、友人に先に結婚されると焦燥感を感じるという。
焦りを感じて相手を探し、結婚に至るならまぁいいけど、中にはそうならないまま30代後半に突入して詰んでしまう人も居る。
まぁ、それで詰んだとしても人生限りがあるので、【先越され行き遅れ孤独余生劇場】も終わりは必ずあるものだ。
しかし、寿命の長い【獣人】は、【先越され行き遅れ孤独余生劇場】を世代を超えて続けてきた。
なんて太いメンタル。
世代を超えるほど長生きしても、好物の【油揚げ】を目の前に出されると、罠にかかってしまう残念な【習性】には抗えない。
そして王は今日も叩かれる。
乾パン一つと言えど、横取りは禁物。
行動する前に考える癖はつけたいものだ。【王】として。




