無神経
夢落ちの水面に
ささやかな言葉をかけて
次があるという希望的観測で
言い包めるしかできなかった
それ以上は
慰める此方側も
疲れてしまうような気がした
彼方立てれば此方が立たぬと
ぐるりと回るスマートフォンの中
言葉の向こう側には
人が居るけれど
無機質なものとして
扱ってしまいたい
面倒な日ほど強く思ってしまう
生きている人間の行動なんて
行動している人間以外には
意味が無くて
素泊まりしているあの人には
全く響かないものなのだ
それなりの方の言葉だと
言ってみても効き目が無いのは
目の前の人間に
言って欲しいことがあるからだろう
時間軸の没落に
元気づける言葉を縫って
壊れないように縛り上げ
拳銃を向けるしかできなかった
それ以上は
殴っている此方側も
疲れてしまうような気がした
立つ鳥跡を濁さずとは
純粋に生きられる人だけの話で
酷く汚れたものが
しがみついていて
言葉にできない人が
繰り返し呟いている
目を伏せて何も考えたくない
諦めている人間の行動なんて
諦めていない多くの人間には
関係が無くて
橋の下で蹲るあの人には
此方側との壁があるものなのだ
それなりの人であったのだと
聞いてみても驚きが無いのは
目の前の人間が
生きていないことがあるからだろう
欲望の隙間にしゃがみ込んで
此処なら見つからないと
意味の無い行動を回し
時間の浪費をしたところで
後は一人で生きて
社会の隅っこで笑い方を忘れて
近くを通った若者に
サンドバッグにされるのが落ち
最後は痛みだけを抱えて
それが貯金だと云うように
世の中すら呪えずに
消えることすら消されている
最初から居なかったのと同じだろう
そのままであれば
生きている人間の行動なんて
行動している人間以外には
意味が無くて
素泊まりしているあの人には
全く響かないものなのだ
それなりの方の言葉だと
言ってみても効き目が無いのは
目の前の人間に
言って欲しいことがあるからだろう
諦めている人間の行動なんて
諦めていない多くの人間には
関係が無くて
橋の下で蹲るあの人には
此方側との壁があるものなのだ
それなりの人であったのだと
聞いてみても驚きが無いのは
目の前の人間が
生きていないことがあるからだろう
助けることすら余計なこと
関わることすら無神経なこと
言われて引っ込めるほどの馬鹿であれば
違う馬鹿に成れるだろうに
嫌味の形は響き合うから意味が出る
消えるだけの人間には
空間も空気も振動も無い
それを回避する為の傷を
傷と呼ぶ意味は無いだろう




