表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TUONI ~闇を被った死神~  作者: 穀潰之熊
At Doom's Gate

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/214

7

 少しして、獄介が戻ってきた。


「ちょっと、電気が通ってないみたいですね。すぐ良くなると思うので」


 などと、瑩達を落ち着かせるようなことを言ってみせた。

 しかしそれはおかしい。ならば、倉庫の照明は何だと言うのか。


「でも、そこの電気ついてますよ?」

「ソーラーパネルがあるからね。日中の陽射しが強かったら、一晩は十分賄えるんだ」


 なるほど、それならば問題はないだろう。

 しかし顔面を蒼白にしたままでは、説得力がない。


「なにかあったんですか?」

「えっ」


 明らかに尋常でない様子を感じ取った瑩は質問をぶつけた。

 この反応がまた露骨だったが、やや間を置くと、彼は口を開いた。


「電話回線も、ダメみたいで」

「電気が通らなかったら、電話も繋がらないんじゃ?」

「いや、ここは避難場所の公共施設だから、電話回線だけで通話できる固定電話があるんだ」


 光回線でなければ、通話に必要最低限の電力供給は電話線のみで行える。

 過疎地である大桑村でも、災害時などはそれで問題なかった。

 しかし双方が使えないとなると、線そのものに異常が発生した可能性があった。


「この施設だけの問題……ということはありませんか?」

「どうでしょう。それは降りてみないと」


 その推測は、スマホの電波が届かない時点で怪しかった。

 電波を発するアンテナは、少なくともこの施設が管理しているものではない。


 瑩は出入り口から外を見渡した。

 多目的ホールと旧校舎、それぞれから線が延びている。

 その先には電信柱。もちろん、途切れてはいない。


 恐らく線に問題はない。ならば、原因はここよりも上流にある。


「大丈夫よ。そのうちどうにかなるから」


 弥生は生徒を安心させたかったのか、あるいは本心からか、能天気なことを言い出した。

 常識的に考えて、彼女がそんなことを言える状況ではない。


「先生……電波が届かないのに、どうやってJVFから連絡受けるつもり?」

「……あっ」


 自分の車が壊れていることは、完全に頭から抜けていたようだ。


「じゃ、下まで様子見に行ってくるので、待ってて下さい」


 さすがにここは動かないと、クレームが入って自分の職が危うくなる。

 こういう時に機転が効く獄介は駆け足でホールを飛び出した。


 倉庫の備品には、用途がよくわからないが木刀が含まれていた。

 何やらへこみや欠けが見受けられるそれを手に取る。

 瑩はそれを片手に、ホールを飛び出した。


「えーちゃん!?」


 その形相は尋常ではなく。

 友達の春香や、指導する立場であるはずの弥生ですら、彼女を呼び止めることは出来なかった。

◆一体なぜ木刀を───?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ