表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/39

26.南禅寺水路

 臨済宗大本山南禅寺と言うらしいが宗派の違いは高校の授業で習って以来教わったことが無いので詳しくはわからない。「栄西」が日本に伝えたのは覚えている。とりあえず俺は南禅寺に入って一目散に直進した。南禅寺と言えばここだろうというところ。そう、水路だ。

 

(でかい門をくぐらずに水路直行!)

 

 明確な目的地が俺にはあるので、そこに行ってからしっかりとでかい門「三門」をくぐるとしよう。ちなみに、水路の正式な名前は「疏水」だ。たしか琵琶湖の水を運ぶ際に造られた水道橋のはずで、絶対に三門とかと同じ時期に造られたものではない。

 

(三門と同じ時期に造られてたら笑える)

 

 水路なんて臨済宗の男「栄西」の時代にあるわけない。栄西が「水路造れ!」などと言ったら驚きが隠せないし、レンガなんてその時代無いだろう。俺としてはそのレンガ造りの水路に魅了されている。早く見たいため俺は急いで水路へと向かっている。道路の脇の側溝には音を立てながら水がかなりの勢いで流れている。傾斜があるので水が勢いよく流れるのも納得するが、普段生活している時に道路の脇に流れている水とは全く違う。言葉で表すと同じような概念ではあるが、こちらの水はとても清らかで風情がある。

 

(葉っぱも勢いよく流れている)

 

 ただ葉っぱが波に乗って下っているだけで絵になるというのは不思議だ。雰囲気の力であろう。そんな坂を上ると右手にレンガ造りの水路が現れる。水路の周りは木々や草が丁度よく生えていてレトロを演出している。俺はその緑の中を進んで水路とご対面した。

 

(圧巻)

 

 この言葉がまさに合う。考えて欲しい。格式高いお寺の一角に明治を思わせるレンガ造りの水道橋が異色な雰囲気を醸し出しながらも自然に佇んでいるのである。圧巻としか言いようがない。この場所、この造り、この緑達、この大きさ、どれかが嚙み合わなかったらここまで圧倒的な存在感を見る者に与えることはない。後ろを向けば木造の門やお堂が鎮座しているが真正面を向くとレンガ造りの水路が鎮座している。果たして俺は簡易的にタイムスリップでもしているのではないかと思わされる。

 

(よくお寺側も水路造るの許したな)

 

 ミスすれば景観を損ないかねないのにお寺側は建造を承諾したのだから面白い話だ。経緯を調べてみると面白いのかもしれない。俺はもちろん経緯は知らない。

 

(写真~写真~)

 

 圧倒的フォトジェニックスポット。俺の上空を流れている水路を撮るには少し離れたところから撮るのが無難か。基本的にどこから撮ってもいい写真は撮れるのでそれぞれお気に入りの画角を見つけるのもいい。全体を写すわけではないが、オススメの撮り方は橋脚のアーチ部分を撮る方法だ。見たことある人は納得すると思うが、この水路は水を運ぶための「橋」なので橋脚がある。この橋脚が美しいのだ。説明が難しいので「どこで撮るか」を伝える。水路下には階段があるのが確認できるのだが、向かって右側の階段を上る3歩くらい前で左に90度回ればオススメの写真が撮れる。目の前にはアーチがマトリョーシカのように永遠と現れる。

 

(やっぱりこれやな。けいおん!にも出てきたし)

 

 アニメ「けいおん」を見たことある人なら主人公たちがこの撮り方をしているのを見たことがあるのではなかろうか。

 

(例としてはマニアックすぎか)

 

 この例ではわかりにくいだろうからやめとく。この橋脚での撮影は今ではメジャーな撮り方なので、アーチに誰も入らないように撮るのはよほど粘って機会を伺わないと難しい。俺としては雨の日に少々暗い時に撮るのをオススメしたい。ただでさえ異色な雰囲気を出している水路を、暗くて水が滴っているとなれば雰囲気がおぞましくなるはず。実際に撮ったことはないが、厚めの曇り時に行って思ったことなので雨が降れば尚いい写真が撮れるはずだ。是非やってみて欲しい。

 

(さて、階段あがるか)

 

 階段をあがると建物が普通にあるだけなのだが、実はこの水路は上に上がれる。右にさらに上がれる階段があるので探して欲しい。水が実際に流れているのを見ることが可能だ。俺は早速右に外れて水路の上に上がった。

 

(ふぅ、素晴らしい!)

 

 この水路実は歩ける道が並走するように作られている。なので、水が流れているのを横に観察しながら歩けるのである。南禅寺の裏道的なものだろうか。では、この道を進むとどこに行くかということだが、前述した蹴上駅前の「線路」の近くに出ることができる。駅に戻れる裏ルートだが、銀閣寺や永観堂に続けて向かう場合は反対方向なのでオススメしない。行ってもいいがこの後は永観堂に行く気分なのでこれ以上は進まない。写真を撮って水路下に下りることにする。

 

(めっちゃみんな写真撮ってる)

 

 階段を下りてみるとかなり多くの人が写真を撮っている。ここに長い時間滞在すると「写真お願いします」と観光客から声をかけられることが多い。俺も声をかけられたことがある。「クリスマスに」だがな。

 

(カップルが写真撮ってくれって声かけてきた時は複雑な心境だったよ)

 

 その時期に行く俺が悪いのだが、1人でいる人間にカップルで話しかけないで欲しい。むなしくなる。そんなことを思い出しながら俺は水路を後にして三門へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 南禅寺、ここは凄くロマンがあります。誰かがタヒして、それを崖の上の女王や帝王が推理するという……あれ?これってロマンなのでしょうか?(  ̄- ̄)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ