表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/39

25.蹴上駅 南禅寺前

(南禅寺じゃいおらぁ!)

 

 俺は蹴上駅に着いた。出口を出ると目の前に木々が見えるがここには行かずに、左斜め前にある横断歩道を渡って左に曲がる。そこをまっすぐ行くことになる。比較的大通りであるので歩道もしっかり整備されていることがわかる。ここら辺はレンガ造りのトンネルがちらほらと存在しているので、それを見てみるのもオススメする。レンガ造りであるのはやはり南禅寺の影響だと俺は考えている。ここは割と大きな観光スポットであるが、俺は結構な頻度で訪れている。嵐山はほとんど毎回行っているがこちらも負けないほど来ている。こちら側に用がなければ寄らないけども近くまで行けそうなら寄る。それくらい好きなお寺だ。

 

(何度見ても飽きないのはなぜだかね)

 

 ここで迷うことは多分ない。多くの人が南禅寺に向けて歩いているからだ。南禅寺でなければ「線路」目当てだと思うのでどちらにしろ迷わない。線路とは何なのだと思うのだが、それは是非調べて欲しい。写真を見ればわかる人も少なくないはずだし、線路という事には間違いないのでこれ以上の情報を詳しく言うのは後々機会があればということにしておく。ちなみに、カップルは多い。これが行かない理由ではない。もちろんそうである。

 

(インスタ映えにはなるからな。写真を撮るために行くかもしれない)

 

 なにしろ気まぐれ旅ではあるので、行くかどうかはその時の気分次第。放浪しているのだ。

 さて、そんなことを考えながら横断歩道を左に曲がって直進している。車通りは今まで見てきた中でも多い。それだけここは栄えているということが伺えるが、景色は歩いていても全然変わらない。南禅寺へ行くには途中で右折しなければならない。代わり映えの無い景色で右折する場所がわからなくなるのではと思うが安心してほしい。小さな橋が見えたら曲がればいい。

 

(看板出てきたな)

 

 南禅寺ほど有名であればしっかりと看板はあるので橋を目印にしなくとも到着するだろう。看板の指示通り俺は橋で曲がった。この道は歩きの場合南禅寺に行くための道だ。料亭、カフェ、飲食店。観光客向けのものが立ち並んでいる気もするので人通りは多いのだろう。

 そこをまっすぐ進むと出てくる南禅寺。近づくにつれて和の木々が右片に連立してくる。左には駐車場あり、混んでいなければ車で来ても待たずに駐車できるくらいの台数は確保されている。

 

(バスの駐車場もあるな)

 

 ツアーに組み込まれているのだろう。バス用の駐車場も設置されている。整備されすぎて面白い情報が無い。悪口を言うつもりはないが、よくあるのが有名であればあるほど整備された自然が増えてしまうのだ。だとしても確かに美しい。それは認めるのだが、独特な個性が欠如してしまう。

 

(内部は完全に自然なのだが)

 

 いじられていない自然が特に美しいと思うのは俺だけだろうか。いじられていない自然は見るものを惹きつけるが、私達に苦難を与える。駐車場は良い例だろう。木々が生い茂ったところに駐車場を作ったら車としては駐車しにくい。そして車は傷つく。それを防止するには、景観を崩さないように緻密に計算して自然を残した状態で駐車場を作る。それが観光における保全との両立で最善の方法なのはわかる。俺はただその苦難が好きなだけなので、俺がただの変態だということでこの話は終えとこう。

 

(ま、美しいことには変わりはない。俺がとやかく言う事ではないよな)

 

「大本山南禅寺」

 

 俺はこの言葉が掛けられている木の門をくぐって足を踏み入れた。南禅寺に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ