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20.チェックイン

 四時半過ぎにホテルに着いた俺は早速荷物の預り証をフロントに提出した。

 

「では、ご確認いたしますので少々お待ちください」

 

 俺はフロントの人が確認している間今一度辺りを見渡した。

 

(やはり俺は場違いだ!)

 

 オシャレなラウンジらしき所ではアフタヌーンティーでも行われているのか、かなり賑わっている。1人では行かないが誰かと来たら是非寄りたい。こういうところの紅茶はかなり美味しいと決まっている。

 

「・・・様ご確認とれました。お部屋にお荷物はお届けしています。こちらカードキーになります。ごゆっくりお過ごしください」

「ありがとうございます」

 

 俺は受け取ったカードキーの部屋へと向かうためにエレベーターへ乗った。

 

(いちいちオシャレなのなんなの)

 

 エレベーターでさえオシャレに感じてしまうほどすべてが日常とは違う。やはり1万7千円1泊かかるだけある。もはや全てが豪華に見えてしまうのは俺がおかしいのか。

 目的の階へ到着して俺が宿泊する部屋を探した。ちなみに、この階はそこそこな階層なので想像以上の場違い感が出そうで怖い。できる限り他人にすれ違わないように願いながら部屋まで足を運んだ。

 

(こ、ここか)

 

 俺はカードキーでロックを解除した。

 

「カチッ」

 

 扉を開いた。緊張から扉の重さがより手から伝わるがそれを跳ね返して部屋に侵入していった。

 

「うわ、狭くない!」

 

 前回は某ビジネスホテルに泊まったため驚くくらい狭かった。寝る以外なにもすることがないような感じだったので、今回はテンションがあがる。

 

「え、綺麗清潔。何事」

 

 新しく泊まる場所で部屋に入る瞬間は絶対みんなはしゃぐだろう。「すごーい」とか「ひろーい」とか「いいとこやん」とか言うだろうが、俺はそれを1人でやっている。

 今回はおれに加えてもう1つ確認することがある。カーテンを開けた先に何が見えるかだ。

 

「うおりゃ!」

 

 俺はカーテンを開けた。そこには「あれ」が映っていた。

 

(み、見える。けど、先端だ)

 

 京都タワーは見えているのだが、上三分の一程度が見えるというなんとも言えないものだった。いや、全部見えたら多分とんでもない価格になるのだから文句は言わない。ただでさえ大学生にしては高いお金払っているのだから。

 

(まぁ見えているから良しとしよう)

 

 部屋を一通り見渡して風呂場とトイレを確認した。

 

「おお、そこそこ広い。すんばらしい」

 

 全て確認し終わって俺は靴を脱いだ。持ってきたスリッパを履いて完全に休む格好になった。窓のそばにある椅子に座って、ホテルに来る前に寄ったコンビニで買ったものを机に出した。飲み物とお菓子類。

 

(一気に疲れが出てきて動くのがめんどいな)

 

 スイッチがオフになってしまったのでもう動きたくない。俺は完全にだらけてリラックスし始めた。ここでテレビとかつけるだろうが、俺はこのままスマホを取り出した。

 

(あれ、見たかったアニメがアベマで無料視聴できる)

 

 わざわざ京都に来てなにしてるんだという感じですが、アニメの無料期間は短いし、今大してやることもないし足が疲れて動きたくないのでアニメを見ることにした。京都に来ていい部屋に泊まってやったことが「アニメ視聴」。家と変わらない。

 

(うし、アニメ見るぞ)

 

 いや、家でやれや俺。

 

 

 

(腹減ったな)


 存分にアニメを視聴。ワンクールアニメの4話程を見てお腹が空いたことに気がついた。6時半を周り辺りも暗くなっている。京都タワーもライトアップされていた。そろそろ夕飯の時間なので何を食べるか考えねばならない。


(前回来た時は意味わからんことしたな)


 前回来た際は京都駅伊勢丹の地下、デパ地下にある惣菜屋や中華屋やおにぎり屋を周り、夕飯を調達した。本格的に意味がわからない。仕事帰りのサラリーマンやお買い物に来た家族連れに紛れて値引きされ始めた惣菜を買った記憶がある。


(地元でやることを京都に来てまでやるとは俺もアホだった)


 記憶が正しければ中華屋の青椒肉絲とエビチリ。おにぎり屋のおにぎり2つと、買った場所は覚えてないがサラダを買ってホテルの部屋で食べた。

 今回はそんなことはしない。前回の失敗を反省ししっかりと外食というものを試みる。目星は付けている。京都タワーの地下だ。京都タワーの地下1階にはフードホールが存在する。フードコートに近いものだ。ファストフードとかではなく「バル」やステーキ屋などお酒の提供もされる店が多く立ち並び少し大人なフードコートと言ったところか。


(下手に調べて遠出するよりそこでなに食べるか決めた方がいいだろ)


 俺はそう思って早速外出する格好になった。空腹には勝てないので早々とリュックサックを背負って部屋を出た。

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