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17.野宮神社

 踏切を抜けると見えてくるのはあるお寺。「野宮神社」が現れてくる。

 

(ほう、野宮神社ね。あれ確かここのご利益は、、、、縁結びだ!)

 

 縁結びにやけに反応してしまって恥ずかしい話だが、全くモテなければ神頼みしてもしょうがない。ただ、おかしな話で俺自身かなり京都に通っているので、意図せずとも無意識に縁結びにご利益のあるお寺はかなり通っているはずなのである。だが、全然彼女なんてできない。

 

(おかしいぞ。他の人よりもかなり多くの縁結び神社に通っているんだ。自ずとこちとら人よりも金払ってるんだぞ)

 

 多分この姿勢がダメなんだろう。まず、意図せずに縁結び神社に訪れているというのは果たしてご利益を得られるのか甚だ怪しい。お賽銭の時に「縁結びお願いします」と祈ってないのだから。普通縁結び神社にお参りする時は縁結びを狙って行くはずだ。その過程を無視して「たまたま」縁結び神社に行っているだけなので神様から見捨てられていても文句は言えない。なぜならお賽銭はしているのに「縁結びを」とは祈っていないのだ。人よりも多くの神社に行っても心構えが異なっているということはもう救いようがない。

 

(ならば、今回はしっかりとお祈りをするか)

 

 入り口である鳥居を抜けると本殿が出てくる。早速そこでお参りを済ませた。

 敷地的にはあまり広くないので全体を見ることは可能なのだが、様々な小さな社が見えている。それぞれに違ったご利益があるかどうかは不明だが、なにかしら理由があるのだろう。こういう場合は全てお参りしておく方がマナーであったりする。

 

(子宝って)

 

 俺には必要ないご利益の1つだが全ての社を参拝すると決めた以上お参りすることにした。

 お参りを終えて他にも中を探検しているが、どうやら絵馬がかなり飾られている。良縁に関しての絵馬なのだろう。詳しく見ると失礼に当たるのでじっと見ないが良縁に関しての記述が多いのは確かだ。いかにこの神社が縁結び神社として有名かがこれでわかる。そしておみくじの量もかなり多い。引いていく人が多いということだ。

 一通り回ったところでここを出るとするが、俺は1つ疑問に思っていた。神社の鳥居を抜けてきているのだが、この鳥居が明らかに木造なのである。鳥居と言えば朱色が一般的ではあるもののここの鳥居は黒い。表面が木の表面そのままで、木を1本丸ごと使用しているのではないだろうか。俺は気になったので調べてみると、どうやらこの鳥居は「黒木」というらしく、クヌギの木を樹皮を残した状態で使用する鳥居だとのこと。今は日本で唯一野宮神社だけ残されている形態の鳥居である。

 

(唯一の鳥居か。どうりで目に付いたわけだ。タイムスリップしたみたいだな)

 

 保存が難しいという理由でこの鳥居はメジャーではないようなのだが、是非これから先増えて欲しいなとも感じる。京都にはオンリーワンが本当に多い。鳥居なんて普段はそこまで気にしない。ただ、この神社のようになぜか気になってしまう不思議な力がある。視線を引き寄せる目に見えない何かが働いているのかもしれない。それこそ何が起きているかは、神のみぞ知るといったところだ。

 

(さて、ここともおさらば)

 

 俺は野宮神社を後にした。


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