表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/94

タカシとの別れ

それから約3ヶ月が過ぎた。


青い目の阿修羅蜘蛛は未だ見つかっていないらしい。本当にどこにいったんだろう。


私は、タカシさんが居なくてもなんとか一人で任務を受けて報酬を貰えるようになっていた。


今日もいつものように、冒険者ギルドで任務を受けるために訪ねると


「アズミちゃん……ちょっといいかい?」


タカシさんが話しかけてきた。


「はい。何ですか?」


「実は、俺はSランク昇進試験に合格して明日から冒険者ギルド本部で暮らす事になる。」


「えっ? 明日からタカシさん居ないの?」


「そうだ。」


「嫌だよ。タカシさんが居ないとわたし……」


「大丈夫だよ。アズミちゃんなら一人でもやっていけるよ。」


「タカシさん……いかないで……」


「ごめん。それはできないんだ。わかってくれ」


「ここに居てくれないとわたし、死ぬから! 手首切って死ぬから!」


「アズミちゃん……それはやめて」


「じゃあ、行かないで!」


「アズミちゃん……冒険者をやっている以上それはできない。いくらアズミちゃんの頼みでも。お願いだ。わかってくれ!」


「うわあああああーん!!!!」


私は泣いた……盛大に泣いた。


<ギュッ>


そしたら、急にタカシさんが私を包容してくれた。


「アズミちゃんごめん……でも……わかってくれ。いつかアズミちゃんもSランクに上がってくれたら俺と会えるから。」


「えぐえぐ……タカシさん……タカシさん……わかった……絶対にSランクになる」


「うん。ありがと。わかってくれて。アズミちゃんならSランクになれるよ。素質あるよ。絶対にSランクになれるから……だからここは俺を行かせてくれ」


私は、タカシさんに包容されてからタカシの言うことを素直に聞くようになった。自分ではかなり我が儘を言ってることはわかった。だからこそ、素直に聞いたのだと思う。


「タカシさん……最後に私のお願い聞いてくれる?」


「うん。聞くよ」


「お別れのキスして////」


私は、どうしてこんな恥ずかしい事を言ったのかわからない。

でも、どうしても言わなければならない気がした。


「わかった……んっ……////」


タカシさんは私にキスをしてくれた。初めてのキスだった。脳が蕩けるような気分で身体が熱くなった。


もっとタカシさんのキスがほしい……そう思った


「これでいいかな? じゃあ、また冒険者ギルド本部で会おうね。」


タカシさんはキスを終えたら、直ぐに去っていった


私はもどかしい気分のままその場で立ち尽くしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ