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最初のテスト

朝起きた、

隣を見た、

花純がいた、

綺麗だった、

誘われた、

ヤった。


そして今めっちゃ遅刻しそう!


「あー!やっぱり朝はダメだった」


「二時間あるから余裕だと思ったら全然足りない!」


「もっと愛したかった」

「もっと愛されたかった」


ピタッ


立ち止まり俺たちはキスした。


ピピッ


時計がなった、2人で見た。


朝礼に遅刻する確定演出が出ていた。


8時50分と。




ガラガラガラ


教室の扉を開けるとすごく注目された。


「おい、お前ら遅刻だぞー。まだ朝礼だったから良かったがテスト中だと叱らなきゃならんかったぞ。早く席に着け」


「「はい」」


「それにしても同じ日に遅刻して同じ時間に来るとか一緒に住んでんのか?」


ビクッ


2人の肩が揺れた。

注意しないと分からないほど小さく。


「先生、花純が僕以外と一緒になるなんてあり得ないですよ。ましてや一緒に住んでいるなんて」


「前半は知らんが後半はそうだなと言っておこう。まぁ俺的にはお似合いの2人だと思うが」


「ど、どうも」

「あ、ありがとうございます」


「まぁそこは2人の問題だからよほどのことがない限り首を突っ込まんから安心しろ。それより席に座れ」


「「はーい」」


「じゃあ全員来たから話すが今日は午前中で学校は終わりだ。そして午後は部活動勧誘が体育館であるから自由参加だが見に行くといい。そしてテストは国数英の三教科のみだ。他教科は中間テストであるから勉強頑張れよ。じゃあ20分後くらいから始まるから準備しておけ。

机の上に置けるのは鉛筆、シャーペン、消しゴムのみ。俺からは以上だ」


長々とした説明も終わり教室はテスト前の独特の緊張感があった。


(流石は名門、みんなマジだな。みんな会社の御曹司とかだからか、成績に入らないテストでこれなら本番はどうなるんだ?ちょっと怖いな)


「いま何考えてるの?」


「別に、ただみんな真面目だなぁと思っただけだよ」


「そう、でもどんなに頑張っても私の神次に勝つことなんてありえないわよね」


「ああもちろん、花純にそこまで言われたら負けられねぇよ」


「ふふ、じゃあテスト返しで学校内一位取ったらその日の夕食はどんなにお金がかかっても好きなもの作ってあげる」


「マジで!よっしゃー、じゃあ花純の作る魚の蒲焼が食べたい!あれ最高だから」


「ふふ、いいわよ。じゃあその日は一位が取れたらお魚パーティーしようか」


「いいねぇ、もちろんお金は俺が出すから一緒に買いに行こう」


「ええ、分かったわ」


「おいおい、俺を差し置いてデートの約束か?」


「あ、こんにちは日向月(ひなづき)さん」


「花純、知り合い?」


「この人は日向月グループ総裁のご子息の日向月琥珀さんよ」


「おう、俺の名は琥珀だ。後輩、お前は?」


「私は御劔 神次と言います」


「どこの会社の御曹司なんだ?」


「いえ、俺は一般庶民の長男ですよ」


「は?」


「え?ですから一般庶民ですよ」


「おい、どういう事だ花純?」


「どういうとは?それと私のことは雛罌粟と呼んでくださいと言っています。花純と呼ばないでください」


「そんなことはどうでもいい。何故お前が庶民の男と歩いているのかと聞いている」


「神次は私の婚約者なので」


「え!?(隠すかゼロですか!)」


「なんだと、俺からの求婚を散々断っておいてこんな庶民と」


「神次を庶民と呼ぶのはやめてください」


「庶民を庶民と呼んで何が悪い!庶民は庶民らしく床に這いつくばってればいいんだ!」


「お前の中の庶民は奴隷かよ」


「なんと言った?貴様私に口答えしたか」


「いえいえとんでもない私みたいな庶民があなたみたいな高貴な方に」


「分かったんだったらその右手を離せ」


「へ?」


俺の右手はしっかりと花純の手を握っていた。


「うおっ!いつの間に!確かに人と話してる時にこれはないですね。これに関してはすいません」


「分かればいい。花純の件はテスト後に聞きに来るから逃げるなよ。じゃあ花純また後で」


「はーい」

(ぜってぇ逃げよう)


「はい」

(もう来なくてもいいわよ)


離れていく琥珀先輩を見て俺たちはもう会いたくないと思っていた。


「なぁ、ここって貴族が来る学校だっけ?ラノベみたいな展開が繰り返されてるんだけど」


「普通より学費の高いただの学校だと思うけど流石にねぇ」


「「はぁ」」


「なんで女の子との絡みはなくて男子に絡まれるんだよ」


「さぁ、それより早く準備しないとテスト始まるわよ」


「本当だ、じゃあ花純頑張ろうなー」


「勝てないだろうけど負けるつもりはないわ」


「勝てないかは分からないだろ?」


「大学センターの過去問を中1で全教科満点取った人に言われてもね」


「ははは、まぁ頑張ったからな」


「どんな勉強してるのよ」


「普通だよ普通、というか教科書とネットの情報以外見てないからな」


「は?それ初耳なんだけど」


「あれ?言ってなかった?最近はネットでなんでも調べられるからいいよな」


「これが天才か」


「おい、お前らテスト始まるぞー。席に着けー」


その言葉にすべての生徒が流れるように席につき集中力を高めていた。


「お前ら真面目だな。まぁいい、これから問題配るからな、最初は数学だ。時間になるまで開くなよ」


そして問題が配られクラス内の緊張感はピークを迎えた。


(慣れねぇ、こんなにみんな真面目なの)


「では始め!」


問題を開くと小学校、中学校の基礎の問題だった。


(これなら満点は楽勝だな)


そう思ってた時期がみんなありました。


20分後みんなの手が止まった。


(へぇ、複素数に微積、ベクトルに数列、確率に統計、極限に二次曲線に媒介変数ね。いやぁ、やっぱレベル高いなぁ解いてて楽しい。じゃねぇよ!なんで入学時の学力テストで高校卒業レベルの問題出てんだよ!これじゃ俺が手加減しないと花純が勝つのは無理だろ)


そう思いつつも俺はすべての問題を解いてペンを置いた。


(後20分か、寝るか)


俺が寝始めたことに先生生徒共に困惑した。


(あいつは諦めたのか)

(考えもしないのかよ)

(時間いっぱい解こうという気がないのか)


だが全無視で寝続けた。


キーンコーンカーンコーン


「そこまで!ペンを置け。名前が書いてあるか確認しろよ、書き忘れたやつは手をあげろ。いないな、1番後ろのやつが答案を集めてこい!」


そして集めに来た人が俺の答案を見て目を見開いていた。


「なっ、解けたのか」


「ああ、まぁセンターよりかは簡単だったから」


おかしなものを見る目で見られたがまぁいいや。


「よし、集め終わったな。じゃあ休み時間にする。次の国語は15分後だから遅れるなよ」


そういい先生が教室を出ると花純がよってきた。


「ねぇ、おかしいよね」


「ああ、おかしいな」


「なんであんな問題が出るの!もはやなんの問題かすら分からなかったわよ!」


「まぁ、高校卒業、センターより簡単ぐらいなレベルだからな。数3を選択したら卒業する頃には解けるようになるよ」


「なんでそんな問題が出るのよ!また勝てなかった」


「まぁ、今回は運が悪かったから仕方ないよ」


花純との話に夢中で気づかなかったがこの時俺には視線が集まっていた。


(あいつ解けたのか)

(嘘だろ、何者だよ)

(なんで勉強してんだよ)


という視線で見られていた。



そしてすべてのテストが終わった


(まぁ、ケアレスミスがなければ全部満点かな)


「はぁ、なんで国語も英語もあんな問題なのよ、満点なんて無理じゃない」


「まぁ、そうだよな」


「どうせ神次は満点なんでしょ」


「多分」


「すごいわね、勉強教えてよ」


「もちろん」


そんな話をして最初のテストは終わった。






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