入学式
場所は体育館に移り俺たちは校長の話を聞いていた。
「長いね」
「ああ、流石に20分は長すぎる。暇すぎて途中校長が『えー』って言った回数数えてた」
「何回言ってた?」
「100からは数えてない」
「はぁ、長いね」
「そうだな」
一時間後様々な長い話が終わり、入学式も終わった。
保護者も帰り、場所は教室に移り担任の話になった。
「明日は8時半集合で学力テストを行う。入試後で勉強していない人もいると思うから成績には入らないが順位は決められる。
その順位に満足するか、悔しがるかはそれぞれだが勉強しておくように。
じゃあ俺に反抗してきた御劔、お前が挨拶しろ」
「え?俺ですか」
「そうだ。簡単に『気をつけ、礼』だけでいいから」
「分かりました。気をつけ、礼」
「じゃあ気を付けて帰れよ」
『はい』
「じゃあ帰ろうぜ花純」
「今日の夕食何がいい?」
「ハンバーグ」
「ほんと好きだね。夏休みの時3日連続だった事もあったよな」
「好きなものは飽きないんだよ」
「ほんとに?」
「本当だよ。何日続いても大丈夫だと思う」
「思うなんだ」
「やった事ないからね」
そんな他愛もない会話をしながら教室から出ようとすると奴が声を掛けてきた。
「花純、僕の家に遊びに来ないかい?」
「え、嫌だけど」
「ははは、恥ずかしがっちゃって。ん?御劔くんだったかな?もういいよ帰っても僕は花純と帰るからさ」
「は?何言ってんだお前」
「ん?理解できなかったかい?僕は花純と帰るから君はもう帰っていいと言ったんだ」
「花純からそう呼ぶなって言われただろ」
「恥ずかしがってるだけさ」
「神次、無視して帰りましょう」
「そうだな」
「待ちたまえ何処に行くんだい?」
「帰れって言われたから帰るんだよ」
「なぜ花純も一緒に行こうとしてるんだい」
「私たち付き合ってるの、将来も約束したし、愛し合ってるの邪魔しないで。行きましょう」
「ああ。じゃあそういう事だから」
「君は僕よりもそこの男の方が良いと言うのかい?」
「ええ」
「分かった。なら今日は大人しく引こう、だがまだ終わりじゃないからね」
そう言って教室から走り去っていった。
「いや、もう付き纏わないでよ、って聞いてないわね」
「もういいよ帰ろうぜ。何かあっても守ってやるから」
「ありがと」
そして俺たちは周りから好奇の視線で見られながら教室を後にした。
午後7時
俺の家に2人で花純にハンバーグを作ってもらった。
「お待たせ」
「おー、美味そう」
「ありがと、食べましょ」
「ああ、いただきます」
「いただきます」
「もぐもぐ、うめぇ。花純と一緒になれるなんて幸せだ」
「ふふ、ありがとう。私も神次と一緒になれるのすごく幸せ」
この後も食事を続け、夕食後は一緒にお風呂に入り、同じベッドに入った。
泊まりの予定は無かったが、流れに身を任せた結果だ。
明日のテストは少しまずいかもしれない。
(明日は朝からシャワーを浴びて勉強しよう)
そう決意して生まれたままの姿の花純とキスをして眠った。