第6話
思わぬお見舞い客が来た。私の部屋は個室のいわゆるVIP部屋だから部屋でもてなし。
「おい、この部屋すげーな。疋田さんてセレブってやつなのか?」
「私のお金じゃないよ。母が会社を経営してるの。でも、母子家庭だから、家事一般は私が小さいころからやった来たのよ」
――女子力アピール出来た?やって来たのは佐伯君。部屋に圧倒されすぎて、私の話半分かなぁ?
「これ、見舞いの花。この部屋には合わないかな?」
「そんなことないよ。来てくれただけですごく嬉しいもの」
「授業結構進んだよ。大丈夫?同じクラス委員だし、ノート貸すよ」
「ありがとう、何から何まで。それじゃ、大事な話するね。実はこれからは車椅子生活しなきゃならなくなっちゃった。家の中はどうかな?なるべく外出時だけ車椅子ってのがいいんだけど。だから、マネージャーとか部活とか無理かな。色々考えてくれたのになんかごめんね」
「謝らなくていいよ。できる限り俺は疋田さんを補佐する。そういうことか、なんか今日学校が騒がしかったんだ。疋田さんのお母さんが学校に来てたんだな。俺が推測するに、疋田さんが通いやすいようにバリアフリー化をなんとかしろって校長と理事長にせまってたんじゃないかな?」
――あり得る…母の行動力だ。やりそうなことだ
「私立高校だからお金で動きそうだもんね。そこんとこは公立よりはいいかも。そうそう、私にノートは有難いけど高体連近いんじゃない?」
「今年は俺はベンチっぽいから大丈夫だ」
――部活の中でもヒエラルキーみたいなのがあるみたいだ
「佐伯君はサッカー部の期待の星☆だと思ってた」
「今年が最後になる先輩にはかなわないよ」
――あぁ、そういうことか。
「今日は来てくれてありがとう、お花まで」
「退院楽しみに待ってるよ」
――うーん、口説かれつつあるのか?他の女子の反感買うから怖いなぁ