2.異世界はこんなところにありました。
ズキリとした頭の痛みに苛まれて目を覚ました自分が見たのは、見たこともない大広間と色とりどりのな装飾の施された数々の物品そして、ゴッタ返す人混みの波だった
辺りには人人人、そして自分を物珍しそうに眺める目に取り囲まれていた。
「どういう事だ?ここは一体……」
状況のよく分からない自分が辺りを見回してそう呟くと、近くに居た者が話しかけてきた。
「君、突然現れたように見えたけどどこから来たの?それに凄く立派な格好だね?どこに頼んで作ってもらったの?すごいね。」
どうやら、好奇心に駆られて話しかけられたようだが、そうは言っても自分自身現状は良く分かっていないのだ。
「分からない。さっきまで俺は、そうだ崖から落ちて、それから…ぐっ」
頭痛に顔を歪めた自分をどこか心配そうにしながらも、発言の意味を噛み砕くように、男がまた口を開いた。
「ああ、そういう事。そういう事もありなのかな?でも、場所が違うから移動したほうがいいんじゃない?ここだと下手すると注意されるよ。」
そう言って男は持っていた地図を自分に渡して来た。
「ここに行ってみるといいよ」
そう言った男に礼を述べて自分はよく分からないままに歩き出した。
しばらく人混みに紛れて歩きながら考える。ここはどこなのだろう?むせ返るほど人が溢れているし、こんなに大きな建物は初めてみた天井が高い。
中には獣人?もいるようだ。それにあんな髪の色の人間は初めて見た。すごいな。
色々なものに見惚れながらなんとか地図を頼りに歩いていく、分かり難いが、地図を見るのは得意だ。
このまま言われた場所に到着した。どうやら外のようだ。
「これは……」
そこで見たものは様々な種族の人間が囲まれている姿だった。と言っても皆一様に楽しそうにしており剣呑な雰囲気など無いように思える。
あの男の言った事は正しかった。確かに大別するなら、自分はどちらかというとここで囲まれてる者達の仲間だろう。
事情のわかる人間がいればいいが、それは話してみなければ分からない。
俺は勇気を出して、近くに居た獣人種の女の子に声を掛けた。
「すまない。ちょっといいだろうか?自分は……」
「はいなんですか?あっすごい鎧ですね?どの作品のですかー?それで?」
「…………すまない。ここはどこだろうか?」
「あれ?コミケは初めてですか?」
どうやら、ここはコミケという国らしい。知らない名だ
一体どういう国なのだろうか?