俺はお嬢様の護衛係
楽しんでもらえたら嬉しいです。
「父さん、仕事辞めたんだ」
はい?それは冗談ですか?
「面白くない事朝から言うな糞親父」
「残念ながら本当の事なんだ。なぁ、母さん」
「えぇ、そうよ」
まじかよ・・・。
っていうか何でそんなに軽いんだ?
我が家で唯一働いてる人間が仕事を辞めたというのに・・・。
「これからどうすんだよ?」
「大丈夫だ。新しく仕事先は見つけてあるからな」
「なぁんだ。だったら変な報告の仕方すんなよ」
「お前のな」
「へぇ、俺のねぇ・・・。はぁ?」
俺はまだ17歳になったばかりの高校二年生なんだけど・・・。
「何で俺の就職先が見つかるんだよ。まだ高校生だぞ」
「見つかったというより誘われただな」
「はぁ?で、OKしたのか?」
「給料が良かったからな」
「はぁ?そんだけで俺の意見を聞かずにOKしたのかよ」
「だって10倍だぞ。俺が働いていた時の」
「知らん。そんなこと知らん」
「まぁ安心しろ。ある社長令嬢の護衛になるだけだ」
「俺にそんなこと出来るわけないだろ」
「そんなこと俺には関係ない。とにかく稼げ」
「お前もしかして俺が稼いだ金で暮らしていく気か?」
「だから仕事を辞めたんだろ」
「糞親父。お金もらってもお前には渡さん」
「ははは。既に俺の所に振り込まれるようにあっちと相談してある」
くそ・・・。
親父としての誇りの欠片すらない奴だ。
「母さん、何か言ってやれよ」
「頑張ってね遥斗」
「俺にじゃねぇよ」
駄目だ・・・。こいつも親父並みの馬鹿だ・・・。
「まぁ。とにかく頑張れ、俺達の為に」
「・・・・・・」
あぁ、もう何か言い返すのもめんどくさい・・・。
「そうそう言い忘れてたがこの家売るから」
「はぁ?」
「いやぁ。お金いっぱい入ってくるし母さんと世界旅行行って来る」
「俺はどうするんだよ?」
「あぁ、お前の仕事は泊り込みだから安心しろ」
何の安心をするんだよ。
「それにこの家よりも快適だぞ、良かったな」
だから何が良いんだよ。
「ははは、頑張れ。俺達の為に」
さっきも聞いたわ。
「もういい。お前達と話していると疲れる」
「そっか。それより急いで荷物まとめろよ。仕事、今日からだから」
「はぁ?急すぎるだろ」
「お前を驚かせる為に今日言ったからな」
「死ね、糞親父」
「生きろ、息子よ。そして働け、俺達の為に」
あぁ・・・。この家何なんだよ・・・。
3時間後、俺は高級車であろう車の中にいた。
勿論、俺の仕事場となる場所に向かってるわけで・・・。
これは悪夢だぁなんて叫んだりしたいが出来ない・・・。
そしてこれは紛れもない現実で・・・。
俺には溜息をつくしかできない・・・。
「もう成るように成れ」
俺は心の中でそう叫んだ。
「は?同じ市内にこんな家が存在してたのかよ・・・」
でかい。とにかく家のでかさは半端なかった。
敷地は俺の家のかるく500倍以上はあるんじゃないか?
「こちらです」
車の運転手だって人がそう言って歩き出した。
俺はその人について歩き出した。
あぁ・・・。もう逃げられないんだ・・・。
「この方があなたが護衛する麻衣お嬢様です」
「よろしくお願いします、遥斗」
「あ、よろしくお願いします」
俺の目の前に立っている女性は今までで見た誰よりも美しかった。
生まれて初めて誰かに見惚れた。こんな事って本当にあるんだな。
「下がっていいわよ、黒沢」
「はい」
返事をすると黒沢と呼ばれた人は出ていった。
これで部屋には俺と麻衣お嬢様しかいないわけで・・・。
すげぇ緊張する・・・。こうなるんだよね。
「あの、麻衣お嬢様」
「麻衣でいい」
「え?」
「麻衣って呼んで。同い年なんだし」
「え、でも・・・」
「これは命令よ。麻衣って呼びなさい。それと敬語も禁止」
「あ、うん分かった」
「それでいい。それより何?」
「うん。何で俺なんかが麻衣の護衛する事になったの」
「私が頼んだのよ」
「え?俺たちお互いのこと知らないのに?」
「私は知ってるのよ。たまたま見かけただけだったけど」
「それだけで何で?」
「あなたが好きだからよ」
「へぇ、そっか・・・。はい?」
「あなたが好きなのよ」
麻衣は顔を真っ赤にしている。
まじなのか?これは本気で言ってるのか?
っていうか今日驚かされる発言多すぎでは?
「だからあなたを誘ったのよ、こうしたらずっと一緒にいられるから」
麻衣は顔が真っ赤だ。そして勿論、俺も真っ赤。
こんな美人にそんな事言われて平常だったら凄すぎ。
「でも、学校とかは別なわけだし、一緒にいられるって程でもないんじゃ」
「大丈夫よ。もうあなたは転校決まってるから」
「あ、それなら大丈夫だね」
ははは。もうどんな答えが来ても驚かないのさ。
何か、俺少しずつ壊れてる・・。
「じゃあこれから頑張ってね」
「あ、うん」
一体何を頑張ればいいんだろうね?
俺の苦労はまだ始まったばかり・・・。
本当は連載小説のつもりだったんですけどねぇ。
いろいろと連載してるので短編にしました。
続きは読者の皆さんで想像してください。
もしかしたらいつか連載として発表するかもしれません。