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これを運命といいます  作者: 円寺える


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第28話

自惚れではなく、脈ありなのではないかと思っている。

交際経験はないし、人を好きになったこともないが、これは絶対脈ありだと思う。

 そして、朱里も自分のことを好きだ。と、思っているのだが。


数パーセントくらいは自信がない。

冷静になって考えると、自分と朱里のスキルは全然違う。顔の格差や性格の格差を考えると、何故、どうして、そんな疑問が出てくる。朱里に好かれる理由が見当たらない。


学年の中でもかっこいいと言われている男子ではなく、朱里が自分を好きになる理由は何だ。

顔だって普通だし、学力も良いわけじゃない、運動だって並みだ。飛びぬけて才能がある分野なんてない。朱里はそんな幸雄とは真逆で、むしろどうやったら惚れないのかというくらい魅力的だ。


だけどやはり、朱里が自分を見る目はなんだか、熱があるように思う。

この前の、「私と同じ気持ちかもしれない」という言葉も、自分が朱里を好きだと気づいた上での発言なのではないか。

我ながらあのときは雰囲気が出ていたと思う。告白する雰囲気が。

その空気を朱里も察して、その上での発言なんじゃないのか。


そうとしか考えられなかった。


「白井くん、何考えてるの?」

「へっ?」


今日は休日であり、朱里の家で昼食を御馳走になっているところだ。


「あんまり美味しくないかな?ちょっと焦げちゃったから」

「そ、そんなことないよ!」

「そう?じゃあどうして怖い顔してたの?」

「こ、怖い顔してた?」

「うん、してたよ」

「そ、それは、その」


あなたに好かれているのかどうか悩んでました。なんて、言えるわけもない。


「な、なんかすごい、恋人みたいだなって思ってさ!ハハ!」

「恋人?」


箸を持ちながら固まる朱里に、しまったと焦る。

もしかして今のは言ってはいけない言葉だったのでは。

キモイと思われる。世間でいうところのセクハラに該当するのではないか。


冷や冷やしながら次の言葉を探していると、おかしそうに笑い始めた。


「恋人っていうよりは、夫婦だよね」


爆弾発言だった。

夫婦。恋人を通り越して夫婦。すごく良い響きだ。


くすくす笑っているが、よく見ると少し顔が赤い。


これはもう脈ありでしかない。


「じょ、城之内さん!」

「何?」

「あ、の。その…明日の放課後空いてますか」

「放課後?うん、大丈夫だよ。どこか行くの?」

「い、いや、その」


脈ありは確実だと判断した告白をする決意をかためた。

これはもう告白するしかない。むしろ告白しなければ。


じっと見つめていると、本気度が伝わったのか「わかった」と一言返事を貰えた。


「ふふ、楽しみだなー」

「えっ、そ、そうですか」

「なんだろうなー」


嬉しそうに料理を口に運び、笑顔でいる朱里はもう分かっている様子だ。

告白をするとは言っていないから気づいていないかもしれないが。

けれど、こんなに可愛いならきっと告白もたくさんされたことがあるはず。告白をする空気とか、そういったものは経験上悟っているのかもしれない。

それでも自分は男だから、告白をする。


これで振られたらきっと学校に行けない。


「白井くん」

「ん?」

「明後日の放課後は空いてるかな?」

「明後日?うん、何もないけど」

「じゃあ、私に時間を頂戴?」

「えっ、うん、全然いいよ!」

「ふふ、ありがとう」


すごく気になる。しかし何も聞けない。聞いたら今度は逆に明日のことを聞かれてしまう。


「白井くん」

「うん?」

「楽しいね」

「え?」

「ふふふ」


今日はとても上機嫌のようで、いつも以上になんだか可愛い。

いつも天使だけど、今日はより天使感が増している。


「白井くん」

「何?」

「えへへ」


何度も名前を呼ばれ、その度に嬉しそうに笑う。

この生物は本当に同じ人間だろうか。すごく可愛い。

こんな可愛い女の子が存在していいのか。地球上に存在するすべての雌が霞んでしまう。

そんな天使に明日、告白するのか。


そう思うと、先程までにはなかった緊張感が一気に押し寄せた。


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