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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

トンネル殺人事件

作者: 朝比奈もか

とーくにありませーん

俺「おはよう!」

皆「しね」














死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね


そんな夢を見た。


*********************


ある朝、親友が死んでいた。


修学旅行から帰る途中、一台のバスがトンネルへ入ってから間も無く、大きな地震が起きた。

砂埃と瓦礫がバスの目の前を通過する。

バスは1クラスの生徒達32人を乗せていた。

運転手はスピードを加速させ、トンネルの崩れによる難を逃れた。が、見事にトンネルの入り口と出口は塞がれ、閉じ込められてしまったのだ。

更に電波も届くことはなかった。

担任の先生は

「大丈夫、きっとすぐに助けが来る。」

そう言って生徒達を落ち着かせた。

こんな状況で「なんかわくわくするなー」と修学旅行を延長したような気分で喜ぶ男子もいれば、泣き出してしまった女の子もいた。

バス内には非常用の食品や懐中電灯、ランプなどで設備は何とか整っていた。

俺のリュックにも食料はまだ微かには残っていた。

今朝旅館で水筒に注ぎ足した水。持ってきたお菓子、お土産に買った産物...。

まぁ2日ぐらいなら耐えられるだろう。でも

何とかなるだろうという精神はその日だけしか持つことができなかった。


俺の隣の席には親友の朝田がいた。

いつもお調子者で、他人に迷惑をよくかけるやつだ。

小学生からいろんな奴をいじめてはよく呼び出されていた。なお、今も。

俺の学校だけだとは思わないが、スクールカーストが俺のクラスにはある。ドラマでも良く見るが、3つほどに大きく分割され、見えないもので、みんなはそれを恐れながら日々生活している。

1番上の一軍がクラスの中心で、身分が高く、DQNの集まりといったところ。

そこに朝田と俺は入ってるわけだ。

次に二軍。これは1番多くを占めている。何ともない一般人。可もなく不可もなく、ただ、三軍に落とされないように、一軍に媚を売って高校生活を送っている

、そして三軍。奴隷的存在。いじめの標的であり、暴力、カツアゲ、パシリ、見世物にされるのが日課。隠キャやKY、ブスが陥りやすい。

一軍6人、二軍約20人、三軍約10人。

朝田は俺にこういってきた

「ぁあーまじだるいわー、なんかイライラしてきたから後で冨山サンドバックパーティやろーぜ」

「wwwwwあいつまた漏らすんじゃね」

俺は正直いって、こいつといるのが楽しい。

周りは関係ない、自分達が良ければ全てよし。


その次の日。

朝起きて、朝田を探しにバスを出て、暗いトンネルを歩いて行くと、そこには死体があった。

「うわぁ!」「キャー!」劈く複数の悲鳴。

トンネルに差し込む仄かな太陽光。

収まった砂埃の匂い。香る血の匂い


朝田が殺された理由はなんとなくわかった気がした。恐らく三軍の誰かが皆が寝静まった後にこっそり殺したんだろう。もちろん悲しかった。

でも涙は何故か出なかった。受け入れることができなかったんだ、トンネルに塞がれたことも、朝田が死んでしまったことも全部夢なんだと疑っているのかもしれない。でも夢とは感覚が全然違うことから実際に起きているんだなと思う。

そして何より怖いのが、朝田と最も関わりが深い俺がターゲットになるかもしれない。次は俺が殺される可能性はなくもない。


驚きを隠せない担任の佐山は一旦生徒達をバスに戻させてから運転手と様子を調べた。

俺の隣の席には誰も居なかった。


一軍でいつメンの姫子は「れん...」と顔を覆い隠し泣いていた。2人は付き合っていたんだっけ。


それから数分してから大人達がバスに戻ってきた。


話し合いが始まった。


普段の教室では見られない緊張感が溢れる車内。


「残念ながら朝田くんは、還らぬ人となってしまいました。」

その言葉にデリカシーがないと感じたのか、ツボに入ったのか、一瞬笑ったやつがいた。


「朝田くんの首には手で締め付けられた跡、数カ所刃物で刺された跡があり、そして局部が切られていました」

またブッと笑う生徒。

俺は笑えなかった。怖かった。

朝田を殺したやつはサイコパスだ。

日頃のストレスが出てきたんだ。


「なにか知っていることがあれば教えてください」

真剣な表情で佐山は言った、険しい顔だった。


今日は恐怖で一睡もできないだろう。


午後1時、生徒達らに非常用食料が配られた。

こんなに有るのか、というほど多くある。

もう朝の出来事は忘れたかのようにみんなは過ごしている。最低でも俺と姫子はそんな呑気にならないだろう。

しかし、いつになっても「モニタリングです」と番組スタッフは言いに来ることもなく、苦しい時間だけが過ぎて言った。とりあえず今の願望は外に出たい。それだけだ。俺は一軍の西野、柏崎、伶奈、姫子と集まった。

俺「...誰が蓮を殺したと思う?...」

柏崎「さぁ...」

西野「早くとっ捕まえてぇな...」

玲奈「一人一人尋問しにいく?」

姫子「絶対次は私たちだよ...」

姫子は死んだ魚のような顔をして震えている。

西野「そんなんで分かるわけねぇだろ」

玲奈「え?いいと思うけどな」

柏崎「いいこと思いついた。」

俺「何?」

柏崎「みんな交代制で寝るんだ。そうすればいざとなったらみんなで起きて倒すこともできるし、犯人の顔を観れるかもしれない。」

玲奈「なるほど!あったまいいー」

西野「じゃあ武器用意しとかないとな...」

俺「よし、そうしよう...」


そうしてその夜は何も怒ることもなく、夜は明けた。もう昼夜感覚が鈍りかけていた。


ドォーン!!!


デジャブ。だったが、前の地震より遥かに威力の強い揺れと音だった。


不可思議に思うことがあった。

朝田が殺されるところは勿論、そのバスを出入りする姿の目撃証言が1人も出て来なかったのだ。

つまり、誰も見ていない。

朝田は幽霊に殺されたか?

それだけの疑問を抱えたまま。


トンネルに閉じ込められたからおよそ3日後、自衛隊の救助が来た。瓦礫をダイナマイトかなんかで爆破して開けたのだ。トンネル全体に白い光が差し込んだ。


外に出た。



道が崩れていた。



数台のヘリコプターがやって来てそれに乗って街の方へと向かう。


何が起きたのか、訪ねてみる。

どうやら関東全域におおきな震災が起きたらしい。

死者は2000名程度、行方不明5000人程度。そこからマイナス31...。津波も多少起きたらしい。





しかし、朝田は決して自然に殺されたわけではない。

人だ。人に殺されたのだ。

でも、大丈夫、外に出れたんだ、朝田が誰に殺されたのかはすぐにわかるはずだ!

犯人が判明したら絶対そいつを痛い目にあわせてやる。そう思っていた。











しかし。

犯人は不明のままだった。




先生は「警察からは事故だった。と伝えられました。」とだけ言った。




は?





いいや、違うだろ。おかしくないか?

事故なわけないだろ!なんで!?

は?意味わかんねえ???






なんでなんでなんでなんで







ええええええええ????

















え?

閲覧ありがとうございます。

よかったら感想ください。

『オリエント急行の殺人』をモデルにさせていただきました。

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