落陽
掲載日:2026/01/14
その音は哀愁を呼び寄せる。
今も空に響く、十七時を知らせるこのチャイムのことだ。
それが空に溶けるまでの数秒間、私は思いを馳せる。
日差しの下で、ひまわりが咲いたように笑う君。
もう二十年が経つというのに、いまだにあの情景が脳裏をよぎる。
川のせせらぎに蝉の声。白い肌を消し去る太陽と、大きな麦わら帽子。
永遠に続くとさえ思えた夏があった。
私たち二人にできない事なんてない。そう根拠もなく信じていたあの夏を。
君が死んだあの夏を。
私は今も忘れないでいる。




