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隣の部屋に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする  作者: 夕姫


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3. 血液型の話は良いことだけ信じたい

3. 血液型の話は良いことだけ信じたい





 春の陽気は続いているけれど、部屋の空気は鉛のように重く感じられる。はぁ……憂鬱だ。外の天気の話じゃない。降りそうな雨雲が見えるわけでもない。


 目の前で繰り広げられている状況そのものが、オレの心をひどく沈ませているのだ。この静かで穏やかであるべき夕方の時間が、どうしてこんなにも息苦しいのか。その原因は全て、ここにいる白石夏帆にある。


 ソファーに寝転がっていたかと思うと、急に体を起こし、そして、予想もつかない言葉を放つ。


「ねぇねぇ先輩って何型ですか?」


 宿題の続きをやろうとしていた手を止める。また始まった。この唐突で脈絡のない会話の振り方。一体、血液型なんて聞いてどうするんだ。そんなことより頼むから部屋から出て行ってくれ。


「何型でもいいだろ?もうオレの部屋に来るなよ」


「あっ。もしかして、『ねぇねぇ私って何型に見える?』ってやつですね!」


 キラキラした目でこちらを見てくる。…いや、全く違う。どうしてそうなるんだ。オレの言葉のどこに、そんな風に受け取れる要素があったんだ?


「先輩ってば、意外に女子っぽいところありますね!きゃっ言っちゃった。」


 自分の解釈に納得したのか、さらににやにやしながら続ける。女子っぽい?この状況の何が女子っぽいんだ。勝手に人の言葉を曲解しておいて、何が「きゃっ言っちゃった」だ。全く理解できない。そして、その的外れな言動に我慢の限界が来た。


「ちげぇよバカ野郎!!」


 思わず声を荒げてしまった。感情のままに叫ぶ。違う、全く違うんだ!お前が考えていることと、オレが言いたいことは、宇宙の果てほど離れている!


「えー。じゃあ、なんですかぁ?」


 なんだその気の抜けた返事は。もうどうでもいい。早くこの話題を終わらせてくれ。


「Oだよ!!O型!!」


 もうヤケクソ気味に答える。それで満足したなら、さっさと帰れ。


 O型。血液型診断でよく言われるのは、気まぐれ、飽き性、大雑把、そして極めつけは面倒くさがり屋といったところだろうか。実際、そういう部分が全くないとは言い切れない。部屋の片付けとか、どうしても後回しにしがちだし……


 でも、血液型と性格に関連性はない、科学的根拠はない、なんて話もよく聞く。むしろ、O型の人間は寛大でロマンチストで他人のために尽くせる人間なんて説もあるらしい。


 って……なんで今、血液型のステレオタイプについて考えて、しかも無駄に自分を擁護するような思考に入り込んでるんだオレは?こんな状況で、こんな無意味なことを考えている自分自身に呆れる。白石と話していると本当に思考が脱線しまくる。


「へー。私もO型ですけど、私とは全然違うし、なんか先輩のイメージと違いますよね?」


「だろうな。お前みたいなやつが、O型なわけあるか。」


 思わず、少し棘のある言葉が口をついて出た。人の話を聞かず、自分の都合の良いように解釈し勝手に突っ走る。そんな性格が一般的なO型のイメージと結びつかないのは当然だ。いや、血液型で人を判断するなんてナンセンスなこと分かっているはずなのに。こいつのせいでまともな思考ができなくなってきている。


「ひどいなぁ~。でも、先輩も意外と優しかったりするんで、O型っぽいかもですよ?」


 意外と優しいだと?それは、お前が毎日部屋に来るのを完全に追い出さずにいることに対して言っているのか?それは優しさじゃない。ただの面倒くさがり屋の消極的な抵抗だ。しかし、それを指摘するのも面倒だ。


「うぜぇ……」


 もう、それ以外の言葉が見つからなかった。深い諦めと鬱陶しさが詰まった一言だった。関わらない、という選択肢が目の前の相手には全く通用しない絶望感。


 オレの「うぜぇ」を聞き流したかのように、白石は突然、パンッと手を打った。


「あっそう言えば先輩!お昼何食べました?私は学食のオムライス!安くて美味しいですよね!」


 唐突すぎる話題転換。血液型の話はもう終わりか。本当に話が飛ぶなこいつ。


「あっ。今度一緒にお昼食べましょうよ?私とはお付き合いしてるんだし」


 そして話の最後に、また当たり前のようにこの殺し文句を挿入してくる。まるで呼吸でもするかのように自然に。


「だから付き合ってねぇって言ってんだろ!」


 こいつ……本当に話が飛ぶな……間違いない、これが世間でいうO型の「気まぐれ」「飽き性」ってやつか?


 ……いや待て。こいつが面倒なことを言い出すのが嫌で、強く否定しきれない、結局こうして毎日部屋に来るのを許して、居座らせているオレも……「面倒くさがり屋」で、波風を立てるのが嫌いな、典型的なO型なのか?


 そう思うとなんだか自分が情けなくなった。そんな自分自身に、そして目の前の理解不能な後輩に、二重の憂鬱を感じるのだった。やはり、この状況は、雨が降るよりずっと、ずっと憂鬱だ。

『面白い!』

『続きが気になるな』


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