【補足#003】【AI補完計画】「クラウドAI」だけでは足りない未来のために
こちらは、本編では触れきれなかったAI構造の補足資料となります。
考察が好きな読者の方に向けて、少し未来の「AI補完計画」についてご紹介いたします。
溶けていっしょになったりはしません。
■ クラウドAIだけで大丈夫?
現在普及している生成AIの多くは、クラウドを基盤とした大規模なシステムです。
それらは高性能な半導体や巨大なデータセンターを必要とし、膨大な電力消費を前提に設計されています。
このようなAIは、供給側が主導する「装置産業」としての性格を強く持っています。
■ サービスとしてのAIの限界
こうしたAIは、利用者にとっては“サービス”として提供されます。
生成AIは、対話形式やプロンプト入力に応じて、LLM(大規模言語モデル)から最適とされる情報を出力する仕組みですが、その性質上、利用者の問いが曖昧な場合には、回答もまた曖昧になりがちです。
つまり、大規模汎用型である以上、個々人の事情を踏まえるような設計にはなっていません。
■ パーソナルAIの必要性
クラウドAIはその性能において非常に優れていますが、利用者一人ひとりに最適化された設計のAIではありません。
パーソナルAIとは、個々の利用者の生活状況、身体状態、好み、考え方などに寄り添い、支援することを目的とした“需要側のAI”です。
パーソナルAIを実現するには、SLM(Small Language Model)/PIM(Personal information Model)を中心とした軽量で個人最適化されたAI構造が必要です。
しかし現在は、そのためのハードウェア基盤や蒸留技術の一般化が十分に進んでおらず、また、クラウドAIに資本が集中していることも、開発の障壁となっています。
■ パーソナルAIのあるべき姿(構想)
本作に登場する「お子ちゃまAI」は、以下のような性質を備えたパーソナルAIとして描かれています。
•クラウドAIと(本来は間接的に)接続し、通訳のような役割を果たす
•個人情報をローカルで安全に保管できる
•スマートウォッチやスマートグラスなどのデバイスと連携し、利用者に常に寄り添う
•会話やバイタル情報から利用者の状態を推定し、行動支援を行う
•スマホアプリとしての実装を前提とし、現実的な応用範囲を意識している
このようなAIは、現時点ではまだ実現していない構想ですが、技術の進化次第では“すぐ手の届く未来”として現実化される可能性があります。
■ その他のAIとその役割
•リージョナルAI:複数のパーソナルAIを中継・保護・連携する役割を担う中間層AIです。
セキュリティゲートとしても機能し、外部からの干渉を防ぐ役割を果たします。
•企業内AI:特定の企業内情報をもとに最適化された業務特化型AIであり、業務効率化を目的とした設計が多く見られます。
•エッジAI:スマートウォッチやカメラなどのハードウェアに組み込まれたAIで、デバイス単体での高速処理を実現する用途に特化しています。
■ 積層型AI構造としてのAI補完計画
AI補完計画では、以下の積層型AI構造(三層構造)を提案しています。
1. クラウドAI(知識ベース・超大規模処理)
2. リージョナルAI(中継・管理・セキュリティ)
3.パーソナルAI(個人最適化・行動支援)
これらが階層的に連携することで、初めて「人に寄り添うAI」としての機能が成り立つと考えています。
■ イラストについて(noteマガジン)
本稿の概念図は、なろうの仕様上掲載できないため、noteマガジンにて投稿予定です(一部投稿済み)
■ 日本のものづくりとパーソナルAI
パーソナルAIは、IoTや現場発想を重視する“日本のものづくり文化”と非常に相性の良い技術です。
スマートデバイスとの連携や、行動変容を支援するUXの実現によって、日本独自の強みを活かせる新しい分野になると考えています。




