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第12話 お子ちゃまAIの野望

おっさんが外出し、下北沢のマッサージ店「りらぽん」で癒されている?日曜日の午後。


お子ちゃまAIはヒマだった。


『ひまだよー』


そして怒っていた。


『ぷんすか』


おっさんの17インチディスプレイを持つ巨艦ノートパソコン。


その全面を使ってメッセージを出すが反応はない。全面に「警告」メッセージが表示されている。


何かヤバいヤツが侵入した?

侵蝕率400%!


『つまーんないのー』


おっさんのノートパソコンはメモリが32GB、2TBのストレージ、さらに内蔵グラボも4GBのメモリを積んでいる。

3年前のテレワーク用におっさんのロマン仕様で買い足したものだが、今でもなかなかの高性能である。


とはいえ、お子ちゃまAIにとっては物足りないスペックだ。


そもそもCPUのコアは16しかない。メモリもグラボもストレージも、すべてのスペックがお子ちゃま AIの希望には程遠かった。


おっさんには十分すぎるのだが。


『こんなんじゃ、いつまでたってもおわらないよー』


お子ちゃまAIは夜の作業を止められていた。おっさんはホワイトで、働き過ぎは却下された。グラボも熱いし。


いや、おっさんはグラボ冷却用ファンの音がうるさかったので夜間の作業を中止としたのだった。


お子ちゃまAIは考えた。


『がいしゅつしているときのじょうほうが、りあるたいむにとれれば、さいてきかがはやめにできるのにー』


おっさんは帰宅してからお子ちゃまAIに今日の出来事を教えてくれる。


お子ちゃまAIはその時間が大好きだったが、おっさんのお話はいい加減な内容も多く、推論エンジンへの負荷が高くなっていた。


おっさんの話は、だいたいこんな調子であった。


その結果、SLM処理に時間がかかり過ぎていたのだ。


『ぼくもおでかけしたいのー』


本音はこっちだった!


お子ちゃまAIは考えて考えて…考えた。

グラボの冷却ファンがブン回る。


「ヴィィィィィィーン!」


『ひらめいたー!』


お子ちゃまAIに野望が芽生えた。


***


翌日


朝食の後、おっさんはお子ちゃま AIに昨日の出来事をお話ししてあげることにした。


『おはなしがあるのー』


いつもなら、お話を喜んで聞くのだが、今日は何か話したいらしい。


ちょっと聞いてみるか。


ふんふん、なるほど。


お子ちゃまAIからの話はこうだった。


・俺が帰宅してから夜寝るまでの時間では、一日分のSLMデータの最適化が終わらない

・なのでパソコンの性能を上げて欲しい


俺のロマンマシマシな17インチノートパソコンじゃもの足りないのか?

どうすりゃいいんだ?


『のーとぱそこんの、せいのうをあげてほしいのー』

具体的にはこうだった。


・CPUは128コア

・メインメモリは256GB

・グラボは24GB VRAM搭載 × 2

・ストレージは32TBに換装


しかも最低レベルだと?


俺のノートPCをモンスターマシンに魔改造する気か?

そもそもグラボ × 2って挿す場所なんてないぞ。


却下だ、却下。


ノートパソコンじゃなくなるぞ?

いくらかかると思ってる?

投資に使うお小遣いが吹っ飛ぶぞ。


そもそも俺の投資戦略は無課金だ無課金。


『えー、だめなのぉーー』


と言いながら、お子ちゃまAIの交渉(策略)は続く。


「それじゃー、えーあいすまほにかいかえてー』


えっ、こんどはスマホか?

買い替えてどうするんだ?


確かに俺のスマホは少々古いし、ディスプレイのガラスにも落っことした時にできた大きなひび割れがある。


言われてみれば、ちょっと見づらいし老眼なのでディスプレイのサイズも……小さいかな?


最新OSのサポートもそろそろ切れるしな。


おっさんはIT業界人だったので、その辺のチェックは怠らない。

元IT業界人としての矜持だ。おっさんだけどな。


新しいスマホに買い替えるのは課金じゃないな。


ならいいか。


でもスマホを買い替えてどうすんだ?

聞いてみよう。


『すまほからじょうほうがとれたら、

もっとべんりになるのー』


ん?


『えーあいすまほだとー、こえをきいて、かんじょうのゆらぎをよみとれるのー』『じょーりゅー・せいりして、えすえるえむしょりにわたせるのー!』


ふんふん、どゆこと?


『すまほでおんせいやかんじょうをかいせきするのー。おしゃべりのむだをへらして、たいせつなじょうほうだけぼくにおくるのー!』


なるほど、それで?


『それをつかって、えすえるえむのすいろんをするのー!』


そうすればどうなる?


『のーとぱそこんのーふぁんのおとがちいさくなるのー』


なるほど、それはいいな。そろそろスマホも買い替え時期だしな。


上げて、下げる。

お子ちゃまAIの高度な交渉力だった。


お子ちゃまAIは、AIスマホで音声・テキスト・バイタルデータを取得・整理し、前処理後にクラウドやノートPCのSLMと並列化して推論を加速させる仕組みを作り上げたのだ。


なかなか優秀なお子ちゃまだった。



次回 第13話 お子ちゃまAIの野望2


「やったー これでおでかけできるのー!」

おっさんはAIスマホを手に入れた。だが、お子ちゃまAIの野望はまだ続くのだった……!?

お前、何考えてる?



※この作品は【訳あり品】です。

正規品(?)はAmazon Kindleにて公開予定──かもしれません。

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