表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/30

終章


それからエリナとルークは再び、各地を周り人の病を癒していた。

「聖女様、ありがとうございます!おかげさまで子どもの命が救われました!!」

「病が癒えてなによりだわ。」

銀髪をたなびかせ、エリナが答える。

その横には黒服のルークが澄まし顔で立っていた。

「もう終わったか?次の村に行くぞ。」


エリナは2人になると、しばらく黙って歩いていたが、やがて意を決したようにルークに話しかけた。

「ルークはこれでよかったの?」

「ん、どうしたんだ?」

「だって、あなたが本物の聖女なのに、王も民も私が聖女だと勘違いしたままなのよ。」

「男が聖女なんて、夢がないだろう」

茶化すルークに、エリナは不満そうに続ける。

「王家からの褒賞も、リリアーナの恩赦と被害にあった人たちの復興支援なんて。あまりにも、聖女らしく無欲だわ。それなのに、誰もあなたのおかげだとは知らないのよ。」

「民にとって、苦しい時に助けてくれたのは他でもなくエリナだった。見返りも求めず、直向きなエリナは正真正銘の聖女だった。そんな聖女のそばにいたら俺も聖女らしくなっちまった。」

それに、とルークはエリナの方を振り返って続ける。

「こうやって2人で旅をする生活がとっても居心地がいいんだ。」

エリナは珍しいルークの柔らかい微笑みに目を丸くした。


黙ってるエリナにルークが重ねる。

「エリナには少し申し訳ないと思ってる。聖女なんて、みんなからの期待がはんぱない役割、本来俺が果たさないといけないのに負わせてしまってすまない。」

「それこそ、大したことないわ。聖女として人を救う覚悟、王太子と婚約した時からとっくにできているもの。足りなかったのは力だけ。」

それに、と今度はエリナが続ける。

「あなたも一緒に、ついてきてくれるんでしょう、黒騎士様。」

エリナがふわっと微笑む。ルークは思わず見惚れていたが、ハッとして返事をする。

「そのクソ恥ずかしい異名、知ってたのか。」

「村の人たちが教えてくれたわ。国で一番強い冒険者がいつも黒い装束を纏っているって。」


2人は顔を見合わせて笑った。

エリナは、病に倒れた時、そばにいて欲しいと願ったのが王太子ではなくルークだったことを、もう少し秘密にしておこうと思った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ