勝負の行方
リリアーナの姿が変わった瞬間、ルークの体に圧倒的なプレッシャーがかかる。だが、彼はそれを乗り越えて、剣を構えた。
「俺はお前の手のひらで踊るつもりはない!」
ルークは地面を蹴り、一瞬でリリアーナに接近する。だが、リリアーナは驚異的な反応速度でルークの攻撃をかわすと、闇の魔力を集め、腕を振り下ろした。
「くっ!」
ルークは素早く身をひねり、その攻撃をかわしたが、魔物の力を宿したリリアーナの一撃はその威力が凄まじく、ルークの体に余波が襲う。ガラガラと床が揺れ、ルークは一歩後退する。だが、彼の目は変わらず冷徹にリリアーナを見据えていた。
「遅すぎるわ!」
リリアーナが再び魔力を爆発させ、影の刃がルークに向かって一斉に放たれた。ルークはそれを瞬時に見切り、無数の刃をすり抜けながら、一気にリリアーナの近くに飛び込んだ。
「このまま終わらせる!」
剣が鋭く舞い、リリアーナの肩を切り裂いた。だが、リリアーナの回復力は尋常ではなかった。傷がすぐに再生し、元の状態に戻る。
「甘いわね、私の力はこんなものじゃない!」
リリアーナの目はますます激しく輝き、再び闇の力を収束させると、その力で周囲の空間が歪む。ルークはそれを察し、すぐに後ろに跳躍し、リリアーナから距離を取った。
「どうしてそんな力を使うんだ?お前の家族を奪った力じゃないのか?」
ルークの言葉に、リリアーナは冷徹な笑みを浮かべながら言い返した。
「今では、これが私と家族を繋ぐ、唯一のものなのよ。」
ルークはその言葉を耳にしながら、再び突進した。技術でリリアーナの力に対抗するため、常に攻撃を予測し、隙をついて斬りかかる。リリアーナの圧倒的な力に対して、ルークは一撃一撃を力で打ち破るのではなく、正確なタイミングで振り下ろし、相手の隙を突く。
数分後、二人は互いに傷だらけになりながらも、決定打がなく戦いは続いていた。ルークの衣服は裂け、肌にも深い傷がいくつか刻まれている。リリアーナもまた、手足が部分的に焼け、体のあちこちに傷を負っているが、それでも回復する速度が異常で、まるで攻撃が意味を成さないかのようだった。
「これ以上、続けても無駄だ。」
ルークは息を整えながら、作戦を練る。
リリアーナの力を封じるには、一瞬の隙が必要だ。彼女の攻撃を避けつつ、少しずつ相手の防御の隙間を探る。そんな時、リリアーナが急に跳び上がり、闇の魔力を全身に集めて巨大な影の槍を作り上げる。
「これで終わらせてあげるわ!」
リリアーナはその槍を投げつけ、ルークに迫る。ルークはその一撃を避けるのではなく、敢えて自分から槍に当たりに行った。左腕に鈍い痛みが全身に広がる。
予想外のルークの動きにリリアーナは驚いて隙ができる。ルークはその隙を見逃さず、最後の一撃を放った。剣がリリアーナの腹部を貫き、そのまま深く突き刺さる。
「ぐっ…!」
リリアーナは力なく膝をつき、目を見開いたまま倒れ込む。傷口から血が噴き出し、彼女は無力化されていく。
ルークはそのまま息を整え、肩で息をしながらリリアーナの姿を見下ろす。
「これで終わりだ。」
ルークは剣を引き抜き、リリアーナが倒れたまま地面に横たわっているのを確認する。
彼は足元に落ちた小瓶を手に取ると、慎重にそれを持ち上げた。だが、その時、リリアーナがかすかな声で呟いた。
「弟の形見…。」
その言葉がルークの心に棘のように引っかかる。だが、ルークはそれを振り払うように、冷徹に小瓶を握りしめ、その場を後にしようとした。




