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リリアーナの行動
数日後、ギルドを再訪すると、情報屋が小さな紙束を手に待っていた。
「リリアーナ様の行動は興味深い。特に、普段訪れる場所がいくつか偏っている。没落貴族や怪しい商人たちの屋敷に頻繁に顔を出しているんだ。理由は定かじゃないが、取引の臭いがする。」
「それだけか?」
ルークが低く聞くと、男は紙をめくりながら続けた。
「もう一つ、彼女が月に一度姿を消すのは北端の古びた屋敷だ。その屋敷はかつて魔道士の家系が使っていたとされるが、今は廃墟同然だ。わざわざそこに行く理由はわからないが、気になる場所だな。」
ルークが顎に手を当てて考え込むと、エリナが小さく声を上げた。
「その屋敷……秘密を隠すにはもってこいの場所ね。」
「そうだな。お姫様は好奇心がお強くていらっしゃる。」
ルークが気だるそうな目でエリナを見つめた。
情報屋が紙を片付けながらふと呟いた。
「しかし、改めて思うが……こんな依頼を気軽に引き受けられるのは、ルーク、お前くらいのもんだ。王太子や王城関係者のことなんて、普通の冒険者なら怖くて口に出せない。」
ルークは面倒くさそうに頭を掻いた。
「顧客に対して余計な詮索はなし、の約束だろ。」
情報屋は意味深な笑みを浮かべたが、それ以上は何も言わなかった。




