第111話「悪役令嬢ト激戦」
『グオオオオオオオ!!』
『スサノオ』が悲鳴を上げていた。至近距離から俺様に装備されている武装の数々をまともに食らえばそうもなろう。
丁度良いと俺様は胴体側面のデコトラブレードを相手の袈裟懸けに斬りつける。相手は六本の腕があるのでそのうちの2本で受け止めてきた。だがそこに隙が生まれる。
相手は人の形態を取り始めて間が無いらしく、どうしても動きに一瞬の遅れが生じるのだ。
いくら相手が六本腕とはいえ武器は剣しか無い、前世のノリで強化しまくった俺様とは違って能力の種類が限られているのだ。
【ご案内します。相手の周囲に力場の収束を観測、雷撃が来るものと思われます】
「【ガイドさん】!シールド的なのは無いか?」
【ご案内します。背中の羽根はかなり強固ですので盾代わりに使用できます】
ならばと俺様は背中に装備されていた羽根を広げて全身を覆った。次の瞬間、相手が放った雷撃がぶち当たりバチバチと音を立てる。
よし! 防げる! 一気に距離を詰めて「ねー、このガーディアン召喚って何?」
リアさん!? そういえば、さっきからフロントガラスに色々メニューされてるから武装が勝手に発動してるのか。
俺様の羽根は元々荷台を構成していたので様々なアートが描かれていた。突然その絵から様々な動物や人物達が実体化して出てきた。
小型の竜やらフェニックスやらの魔獣、果ては剣を携えた剣士みたいなものまで出てきた。
そいつらは一斉に『スサノオ』に襲いかかった。
『スサノオ』はそいつらの攻撃を剣で捌き、あるいは腕で受け流し、あるいはその身で受け止めたが、こちらの手数の方が多い。
剣による受け流しが間に合わず腕や脇腹に食らい、ついでに俺様による羽そのものの斬撃による強力な攻撃も食らった『スサノオ』は段々と動きが鈍ってきた。いける!
そのまま攻撃を繰り返していると、突然『スサノオ』の姿が消えた。
「消えた!」
【警告!直上です!】
【ガイドさん】の警告で咄嗟に身体をよじると、真上から斬りかかって来た。こいつ!俺様と違い相手を殴るなど無しに瞬間移動できるのか!
相手は有効な戦術と判断したのか、何度も何度も瞬間移動を始めた。
殺気だか何だか知らんが、何かを感じた俺様はカンに従って翼で自分を守る、その防御を粉砕するように、一撃必殺の斬撃が何度も翼を襲い、ついに翼は切り裂かれた。だが、その切り裂かれた隙間から、ぬっと極太の砲身が突き出る。
「デコトラリボルバーカノン!」
荷台部分に巨大な六連発銃のような大砲が出現していた。当然、その砲身からは何発もの砲弾が発射される。うち一発は相手の腕を吹き飛ばしたが残りは空振りだ。
「むぅ、一発しか当たらなかったー!」
「リアもジャバウォックも良いカンしとるが、相手の転移能力はそれ以上じゃの、相手は能力の数が限られておるがこの一点だけは厄介じゃ」
こればかりはレイハの言う通りだった、こちらの手数がいくら多かろうが当たらなくてはどうにもならない。
「ジャバウォック、次にあいつが斬りかかってきたら、私の言う通りにして」
リアが何か思いついたようにそう言ってくる。
【来ます!細かい制御は私が!】「うぉりゃああああああああああ!!」
なんと、リアは相手が切りつけてきたのを、俺様の胴体の両脇から生やした腕で受け止めた。そのまま引き寄せて接近戦に持ち込む。
『よし、今度はこの『かくみさいる』とかいうのを』
アマテラスさん!?それ絶対ダメなやつ!俺様達も多分ダメージ受けるから!
「ねー!今度はミサイルランチャー、ちょっと多めにねー!」
「んじゃウチはこの火炎放射器を」
「えーと、さすがにこのドリルという奴は効果無いかな?」
「フェルド、それよりもこの巨大手裏剣というのは何なのでしょうか……」
またこいつらは……。
【ご案内します。お前らデコトラをすぐ近くにとらえたんなら、やる事は一つだろうが!!早くしろや!】
うわ、【ガイドさん】キレた、なんかこの人たまに口悪くなるよな……、未来でどんな育ち方したんだろう。
「「「「『【ガイドさん】!ヴォーパルソード!』お願いします!」」」」
鬣に交じるように収納されていた剣が、額の角になるように立ち上がり、剣の中に収められていた杭が打ち出され、『スサノオ』の心臓部分を貫いた。
次回、第112話「悪役令嬢ト別離」
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