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第108話「悪役令嬢ト最終決戦」

俺様達の眼の前で、黒いデコトラは周辺のコピーを吸収してどんどん巨大になっていった。吸収したデコトラの分量より大きくなっている気がする。

単に巨大なデコトラというだけではなく、装飾がガンガン追加されて豪華になり、後部の荷台コンテナが何列も何段にも重なりまるでピラミッドのようになった。

俺様にはその姿に見覚えがあった、デコトラ神だ。おかしい、俺様はあいつに言われてこの世界に送られたはずだ、それがどうして敵に回る。どういう事だよ【ガイドさん】。

【……。】

おい【ガイドさん】、なんか言って欲しいんだけど?おかしい、こんな状況は初めてだ。

だが状況は俺様の疑問を待ってはくれない、デコトラ神の変化が完了したようだ。


「お前らああああああああああああ! 俺をコケにするのもいい加減にしろおおおおおお!」

『がああああああああああ!! ここから出せええええええええええええええええええ!!』

ダルガニア皇帝と『スサノオ』の声がその場に響き渡る。大丈夫かよこいつら、どっちも正気とは思えない。そしてこいつらは問答無用で攻撃してきた。

「リア! 避けろ!」

「うん」

俺様の声に応えてリアはアクセルを思い切り踏み、俺様の車体は急上昇する。本当にどんな操作になってるんだろ。

直後、敵巨大デコトラの背後に並ぶコンテナから極太のレーザーのようなものが俺様達のいた所を通過した。


『逃さんぞ小童あ!』

今度は背後に山と積まれているコンテナが持ち上がり、二本の巨大な腕となって俺様達を捕まえようとしてきた。

「うお! あぶね!」

俺様達は慌てて逃げ回る、だがリアはそれを良しとせず、逃げ回っている途中で思い切りブレーキを踏んで方向を転換した。

腕には拳とばかりに腕と化している俺様自身の拳で殴りかかる。


「おいリア! 無茶じゃないか!?」

「逃げ回ってるなんて嫌! 殴ればコンテナだけでもどこかに飛ばせるかも!」

一応考えあっての行為だったようだ、確かにあのコンテナは巨大で重い。だが、リアの拳が触れた瞬間に敵コンテナ腕との間に光が生じる、相手は無事だ。

「効かない!?」

「どうして!?」

【ご案内します。敵デコトラの保有しているDEの量が違い過ぎます。相手の存在に干渉する等の攻撃は無効化されます】

それだと、レーザーやらミサイルやらも簡単には効かないんじゃないか?まずい、状況が不利過ぎる。


『ふははは! そんな拳一つでこちらに適うと思っているのか! 更に行くぞ!』

「おい勝手に動くな!」

あっちの操作系統もどうなってるんだというか、『スサノオ』が半ば暴走してる感じだなとか思ってると、更にコンテナ腕が4本追加されて6本腕になった。

6本腕といってもその大きさはすごく巨大なので当たるとどうなるかわからない。俺様達は逃げ回るしかない。


「ならデコトラブレード!」

リアがギアチェンジすると、俺様の胴体両側面から巨大なブレードが飛び出した。そしてすれ違いざまにそれで相手の腕を斬りつける。

ギャギィン!という音と共に相手コンテナの表面に薄い傷が付くがそこ止まりだった。

「ぅおのれえええええええええええ!」

リアが再度ギアチェンジすると、俺様の握られていた拳が一旦開かれて手刀のようになり、ドリルのように回転し始めた。

そのまま相手コンテナの表面に突き立てる。だが、やはり傷は浅い。ドリルなのに食い込むどころか跳ね返された。


『効かんぞぉ! さっさと潰れろお!』

「おいいい加減にしろ! 俺の言う事を聞け! いや、私に服従しろ!」

『さっきから聞いていたら貴様! 神たる儂に対して不敬にもほどがあるぞ! こうしてくれる!』

何かあっちでも揉め始めたな、フロントガラスの隅に映っている皇帝が突然太いパイプかコードなものに巻き付かれ始めた。何かまずくないか?

【ご案内します。デコトラコアの格が高すぎて人の契約できる権限を超えております、制御できなくなり主を捕食・侵食して自立稼働を始めたようです】

えっと、つまりどういう事?

【ご案内します。端的に言うと暴走を始めました】


「おいフレムバインディエンドルク、どういう事だこれは」

「いやいや、これはいけませんねぇ。調子に乗って少々強力にし過ぎてしまったようです」

「ぐおお、うが、があああ」

これは大公爵や古エルフも予想外ではあったようだ。苦しんでいる皇帝を差し置いて口論している。フロントガラスの隅で目障りなんだけどなぁ。

そうこう言っているうちに皇帝の表示されている部分がパイプやらコードやらでいっぱいになり突然表示が消えた。

すると相手のデコトラの様子が変わり始めた。デコトラの姿ではなくなっていった。

さすがに車のような姿だったのが縦に起き上がり、ボコボコとあちこちが凹んだり膨らんだりして人のような姿を取り始める。

生えている腕の数は変わらないままどんどん見た目は変わり、鉄のボディが一旦内臓のようにぐねぐねとうねって形状を変えて固まる。

サスペンションは筋肉に、フレームは骨に、キャビン部は頭部に、光る目は元々ヘッドライトだったか?

グリル部がぐにゃりと大きく開いた口は咆哮した。その咆哮は衝撃波となり、世界が揺れる。



【ご案内します。神格『スサノオ』がデコトラを依代として受肉し、実体化して顕現いたしました。もはやデコトラではありません】

なにそれこわい。俺様ただのデコトラだよ?


次回第109話「悪役令嬢ト神々之戦イ」

読んでいただいてありがとうございました。


基本的に月水金 夜の5時~6時頃で更新いたします。

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