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復讐者となりやがて神へ挑む者  作者: 秋 拓斗
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仮パーティー結成


 サリーク都市に帰ってきたカイトとアルはすぐに冒険者教会に行きパーティーメンバー募集掲示板を見に行った。パーティーメンバーの募集はDランクからCランクが多かった。やはり冒険者になったばかりの人がパーティーを組むのだろう。Bランクの募集が一つあるだけでAランクSランクのパーティー募集はなかった。

「どうするカイト同じランクの冒険者と組むか。それかDランクの冒険者だな。俺たちはCランクとは言え、冒険者としては初心者だからな」とアルが言う。

「Bランクの冒険者と組むぞ。目指しているのはSランク冒険者だからな」とカイトが言う。理由はBランク冒険者と組めばBランクのクエストを受けることができるからだ。Bランクのクエストを達成できれば、Bランク冒険者になれる可能性もでてくるし、うまくいけばAランク冒険者にもなれる。

「確かにBランク冒険者と組めば上のランクのクエストを受けることができるが、失敗すれば降格になるぞ」とアルが不安そうに言う。アルの言う通りだがカイトには自信があった。なぜならAランク以上の冒険者が所持しているメテオ・ストライクを二人とも所持しているし、Aランク冒険者相当のカイル、Bランク相当のゲイルをカイトは倒している。さらに、メテオ・ストライクを使わないにしてもカイトには対人戦で使える上級スキルファントムソード、大軍戦で使える上級スキルドラゴンブレスソードがある。どちらもAランク以上の冒険者が所持しているスキルである。またアルもAランク以上の冒険者が所持している不死鳥の弓を所持している。カイトはここでCランクやDランクと組んで時間を無駄にしたくはなかった。

「アル俺はBランク以上のクエストを受けて上位の魔物を狩って、レベルを上げしたい」とカイトが言う。カイトはAランク冒険者が所持しているようなスキルを所持しているし、ユニークスキルテイカーもあるためスキルだけ見ればSランク相当だ。だがステータスが足りてない。特に魔力が少ないため上級スキルを数回使えば倒れてしまう。これを補うなら経験値それも上位の魔物の経験値が必要だ。

「確かに上位の魔物を狩るならBランク以上のクエストになるのか。魔力的にAランクは難しいし、CやDランクだと下位の魔物と戦うだけだもんな」とアルが言う。

「そうだ。それにSランク冒険者になれば一般公開されてないスキルや情報にアクセスすることができる。」とカイトが言う。一般公開されてないスキルにも興味があるがカイトの一番の目的は情報だ。おそらくメイデン国の情報もSランク冒険者には開示されているからだ。

「カイトはSランク冒険者がゴールじゃないのか」とアルが聞いてくる。カイトにとって今の目的はメイデン国にレンがいるかの確認といた場合救出するというSランク以上に難しい内容だ。

「そうだ。アルはSランク冒険者になるのが目的だったな。俺の無理に付き合う必要はない」とカイトが言う。

「何言っているんだ。俺だってハンブルク1番の狩人になることが目標だ。冒険者見習い卒業試験の夜に言ったじゃないか」とアルが言う。カイトはアルを侮っていたようだ。

「そうだったな。それじゃ、まずはSランク冒険者になること。その後はそれぞれの目標に向かっていこう」とカイトが言った。アルがカイトの目標が何か聞いてきたがカイトは秘密だと答えた。

 Bランク冒険者とパーティー組むため受付嬢のところに行く。Bランク冒険者は朝と夕方に冒険者教会に来ているらしい。受付嬢の話によるとあと1時間程度で来るらしい。それまでカイトとアルはクエスト掲示板を見ることにした。Bランク冒険者と組めた場合に受けるクエストと組めなかったとき受けるクエストを選ぶことにした。

「まずは組めなかったときの二人でこなせるクエストを選ぼう」とカイトが言う。Bランク冒険者と組めなかった場合、受けるクエストはCランクとなる。そしてカイトとアルはBランク冒険者と組めなかった場合は、他のパーティーと組むことはなく二人でCランクのクエストをこなす予定だ。

「組めなかったときか。考えたくはないな。Cランクオークやオーガの討伐が多いかな。ワイバーンやガーゴイル、ケルベロスはBランクやAランクのクエストが多いな」とアルが言う。やはりBランクからのクエストをこなしたいなと二人は思う。

「商人の護衛もあるな。金にはなるが、やはり討伐クエストがいいな。組めなかった場合はオークやオーガの討伐にしよう」とカイトが言う。

「次はBランク冒険者と組めたときのクエストだな」とカイトが言う。

「BランクのクエストはBランク冒険者と組めたときに決めればいいじゃないのか。」とアルが言う。確かにその通りだがBランク冒険者と組むときにアルとカイトがどの程度のクエストをこなしたいかが分かりやすいようにするためだ。

「俺たちがどの程度のクエストをこなしたいか分かってもらいたいしな。それにBランク冒険者と組まなくても、いずれ受けることになるクエストだ。よく見ておこう」とカイトが言う。Bランククエストは上位種の魔物を討伐できるクエストもあったが、Aランクに比べて少なかったCランクは下位の魔物Aランクからが上位種の魔物の戦闘になるのだろう。Bランクはどちらかというと調査クエストが多かった。どうやらBランク冒険者が見つけた上位種の魔物をAランクの冒険者が倒すのがパターン化されているのだろう。

「カイトどうする調査クエストが多いみたいで、討伐クエストは少ないぞ」とアルが言う。

「調査クエストでいいだろう。調査のついでにその魔物を倒してしまってもいいみたいだからな」とカイトが言う。アルはそんなことありなのかとカイトのずる賢さに感心していた。

 クエストを見ている間に1時間以上たったのか。受付嬢がこちらに来るようにと声をかけてきた。その先にはカイト達より年上の女性が二人いた。

「こちらがBランク冒険者のお二人です」と紹介される。二人ともかなり美人だった。一人は薄い紫色の神に黒色の三角の帽子である、魔女の帽子を被っていた。どうやら魔法使いらしい。もう一人はオレンジ色の髪色に背中に槍を一本背負っている。気が強そうな女性だ。おそらく前衛職だろう。相手もこちらの装備を見ていた。

「二人が私たちとパーティーを組みたいやつらか」と前衛職のオレンジ色の髪色の女性が言う。

「こちらがCランク冒険者のお二人です」と受付嬢が言う。どうやら自己紹介は自分達でやれということだろう。受付嬢はパーティー組めるといいですねと言って受付に戻っていった。ランクの低いカイトとアルから自己紹介した方が良いと判断したカイトが自己紹介を始める。

「俺はカイト。双剣使いで前衛職をやっている。スキルはファントムソードとドラゴンブレスソードまで使える」カイトは自己紹介と一緒に使えるスキルの中で最上級のスキルを言う。

「僕はアル。弓使いで後衛職の狩人をやっている。スキルは不死鳥の弓を使えます」

「カイトとアルね。噂で聞いたことがあるわ。最年少でCランク冒険者になった二人。ただ冒険者としての経験は少ないはずよね。その二人が私達のパーティーに入る気なの」とオレンジ色の髪の女性がさっそく痛いところを突いてくる。

「でも使えるスキルはAランク相当よ。それに若い人は歓迎よ」と紫色の髪の魔法使いが言う。

「お二人の意見はよく分かりますが、まず自己紹介をしてもらっていいですか」とカイトが言う。

「私は魔法使いのリサ。得意スキルは雷と風よ。得意スキルはライトニングストームよ」続けてオレンジ色の髪の女性が答える

「私はサラ、リサとは姉妹よ。リサが姉で私が妹。私は槍使いで前衛職をやっている得意スキルはファントム・デスピアで槍の使いてよ」二人の話を聞いたカイトはこの二人とパーティーを組みたいと考えた。二人ともAランク冒険者が所持するスキルを所持に加えて職業が被っていない。役割分担がうまくできるからだ。

「確かに俺たちは冒険者としての経験が少ないですが、リサさんが言った通りAランクスキルも使えるのでBランク冒険者、最低でもCランク冒険者としての仕事は必ずこなしてみます。それに前衛職二人に後衛職と相性も良いと思いますが」とカイトがアピールする。

「確かにそうね。回復職がいない以外は完璧な構成ね」とリサが答える。リサの方はパーティーを組んでくれそうだ。

「確かにスキルはAランク相当、構成もいいけどさ、冒険者はスキルより経験の方が大事だろう」とサラが言う。サラの意見はもっともだ。カイトがどう説得しようかと考えているとアルが答えた。

「ではお試し期間を設けるというのはどうでしょうか。もし、それでパーティーを組む気になったらそのままパーティーを組む。ダメなら解散。でどうでしょうか」とアルが言う。ナイスアシストだとカイトがアルに目配せをする。

「分かった。それでいこう。リサの方はもうパーティーを組みたいみたいだしな」とサラが言う。

 仮とはいえパーティーを組むことになった4人は親睦を深めるために一緒に夕食をとることにした。

「ところでカイトとアルはどうして冒険者になろうと思ったんだ」とサラが質問をしてくる。カイトの目的はSランク冒険者になってメイデン国の情報を手に入れることだがここで言うわけにはいかない。そこで、昔いた故郷が襲われたこと今は村長のお世話になっているがいつかは自立したいことを伝えた。なんて偉いやつなんだとサラがテーブル越しに頭をなでてくる。こんな感覚は初めてだったキール村ではお兄さん扱いだったしハイデ村に移住してからもアルの兄のように扱われていたから弟みたいに扱われてカイトは少し恥ずかしかった。

「僕はカイトに影響されて冒険者を目指し始めたけど、今はハンブルク1番の狩人になるのが目標です。」とアルが答える。お前も真面目だなとサラがまたも頭をなでる。

「リサさんとサラさんはなぜ冒険者になったんですか」とカイトが質問する。カイトとアルが冒険者になった理由を聞いたのだから当然の流れだろう。

「私達はお金のためよ」とリサが言う。何に使うお金だろうとアルとカイトが考えているとサラが続けて話した。

「私たちは元々貴族だったのだけど、領地の運営がうまくいかなくてね。親の代で領地を没収されたの。だからお金を貯めてSランク冒険者になってまた領地を取り戻そうと思っているの」とサラが言った。Sランク冒険者になったら領地ももらえたりすることをカイトは初めて知った。

「俺たちもそれなりの理由ですが、リサさん達も苦労しているんですね」とカイトが言う。

「冒険者なんてそんなものだよ」とリサが言う。

「ところでカイト達は次何のクエストを受けるんだ」とサラが聞いて来た。カイトはあらかじめにアルと決めていたことを言う。

「リサさん達と組む前はオークやオーガの討伐クエストを受ける予定でしたね。ただ下級の魔物だと少し物足りないですね」とカイトが言う。

「確かに、カイト達の実力だと下級の魔物では相手にならないだろうな。でもその様子だと私達と組んだ場合に受けるクエストも決めていたんじゃない」とリサが聞いてくる。

「その通りです。せっかくBランクの冒険者と組めるのでBランクのクエストを受けたいと考えています。具体的には調査クエストですね」とカイトが言う。

「確かにBランクは討伐クエストが少ないけど、調査クエストは依頼によってはAランククラスの魔物と戦うことになるわよ」とリサが答える。確かにリサとサラの実力が分かるまでは討伐クエストでもよいと考えていた、だが二人ともAランク冒険者が使うライトニングストームという2属性魔法、それに複数の敵には弱いがファントム・デスピアの使いてだAランク相当の魔物が出ても対処できるとカイトは考えた。

「この4人の実力ならAランク相当の魔物がでても大丈夫だと思うのですが、それに調査クエストです。途中で撤退することも可能です」とカイトがまくしたてる。

「分かった。分かった。けど、まずはパーティーとして機能するかを確認したい。まずは、Bランクの魔物討伐だ。それがうまくいったら調査クエストの依頼を受けよう」とサラが言う。


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