2日目
二日目です
おはようございます。つけた覚えのない目覚ましと勝手に開いたカーテンから覗く太陽光に朝7時に起こされたヒカゲです。スマホはなぜかきっちり充電ケーブルに刺さっております。昨日出しておいた服は種類別に丁寧に畳まれ、上着類はハンガーに掛けられシワにならないようにしてあります。ついでに食器類や、調理道具など私の指示がなくても整理できそうなものは勝手に、いや有難いからこの言い方は変だけど、段ボールから出され片付けてあります。
まじで至れり尽くせりじゃん、、、
あれ?そういや私の部屋って窓が西向きなのが事故物件って以外の唯一の短所、、、なんで日光入ってきてるの?
よし、考えちゃだめだ。とりあえず朝の挨拶しないとね
「えっと、、、おはようございます。きょ、今日もよろしくお願いします」
「、、、」
だ、大丈夫だよね?うん。さて、家具とかインテリアとか配置して、食材買ってきて、、、それから、あ、でもまだ冷蔵庫届いてない、、、うーん保冷バックで当面は乗り切るか?ん?もしかして?
「あ、あの〜幽霊さん?ちょっと大丈夫ですか?」
「、、、?」
「、、、えっとですね、もしかして、部屋の一部の気温を下げたりってできますか?」
「、、、?、、、!!」
こっちからでは幽霊が反応しているのかすらわからんけどもとりあえず言ってみる。すると、中身を取り出して畳んでいた段ボールが一人でに組み立っていき、最後には中に霜が降り始めた。食材を保管したいって意図を汲み取ってくれたみたいだ。有能かよ。
「あ、ありがとうございます。ちょっと今から食材買ってきますね?」
「、、、」
うん。大丈夫だろう。多分。
よし、今日は何を食べよう。とは言っても入学前課題もまだ手つけてないしやらないとまずい。今日は簡単に作れるものにしよう、、、そうなるとパスタかな?
私は一応一人暮らしになってもキチンとご飯は自炊することにしている。やっぱりお財布にも優しいし、即席のものに頼りだすとどこまでもだめになってしまいそうだからだ。健康にもいいしね。あ、幽霊さんにもなんかお供え買ってかないと。昨日はどら焼きだったし洋菓子にしてみるか?でもな〜、、、
と、いうわけで買い込みすぎて運ぶのに大変苦労してるヒカゲです。完全に一人暮らしになったことを忘れてあれやこれや買ってしまいました。えっこらせっと、、、ようやく扉の前に着いたよ
「ガチャ、、、キィ」
「あ!ありがとう幽霊さん!そういえば幽霊さんにもお菓子買ってきたよ。今日はシュークリームって洋菓子だけど大丈夫かな?」
「!!??、、、♪♪」
なんだろうすごく幸せですオーラを感じる。もしかして幽霊さんって洋菓子の方が好き?
ま、今日は紅茶の茶葉も買ってきたしティータイムと洒落込みましょうかね。ってあれ?買い物袋は、、、あった。幽霊さんがキッチンまで運んで早速シュークリームを、、、お、その前に紅茶に気づいた?なんか紅茶の缶がクルクル回って、、、あ、銘柄確認して?あ、なんかポットとか色々動き出したぞ?お〜、カップを温め出した!めっちゃ本格的ですやん!あ、さっき買ってきた砂糖とミルクも出して?、、、できたら教えて〜!さて、私は私で食材を閉まっちゃいますか、、、ってなんかもうすでに片付けられてますやん。しかも段ボール冷蔵庫増やして食材ごとに温度変えてますやん。えー、、、何しよう、、、うちの幽霊さんが有能すぎて何もやることなくなりそう、、、勉強道具の準備でもしておこう、、、
「、、、トントン」
「ん?あ、もしかしてできた?今行く〜」
「、、、」
って、シュークリーム二つあったうち一個私の皿に乗ってる、、、え?もしかしてくれるの?めっちゃ紳士!男か知らんけど。、、、はい。とても美味しかったです。茶葉とはいえ普通の紅茶だったんだけどびっくりするほど美味しかった。淹れ方にこだわるだけでこんなに美味しくなるんだ!シュークリームも昨日の感謝も込めてちょっと高いやつ買ったけどめっちゃ美味しかったし、、、なんなら実家より快適?、、、い、いやそれは流石にないか?
よし!ひと段落ついたし勉強しますかね!えーと?物理、化学、数学、英語の四つか、、、まずは数学かな!
「えーと?y=,,,だからこの式と連立するのかな?、、、次は、、、」
「、、、トントン」
「ん?どしたの、幽霊さん?」
お?ペンが浮かんで?何か書き始めたな、、、えーと?y=,,,の式を①の式と連立するんじゃなくて?②を代入してから連立?なんですと?えーと、、、あ!ほんとだ!え、じゃあこの問題、図形が複雑で良くわからないんだけどどうしたらいいの?ふんふんなるほど?おぉ、、、解けた。有能かよ。
、、、数学終了!よし!次、英語!
と、いうわけで入学前課題全て終わりました。片付けも紅茶も勉強も全部できる紳士とかウチの幽霊さん有能すぎません?てか、こんなサイコーな幽霊さんが憑いててこの値段とか優良物件すぎんだろこの事故物件。
ん〜疲れた〜!!おっと、もうこんな時間か、、、お夕飯の準備しないと、ってナンだろう、すごくいい匂いがする。あ、やっぱり幽霊さんがお夕飯作ってくれてましたね。はい。なになに?今日は、、、あ!トマトパスタ!私好きなんだよね〜。ありがとうございます、幽霊さん。
「幽霊さん。ありがとう!でも大丈夫?疲れたりしてたらやらなくても大丈夫だよ?」
「、、、?」
「ん〜、こういう時意思疎通できないのは辛いね、、、そういえばさっき勉強教えてくれてた時、紙に書いてくれてたじゃん!あんな感じで意思疎通できないかな!?」
「、、、?、、、!!」
ん?なんだろう、嫌な予感が、、、?
『ワタシハSaraです...何かお手伝いできることがあればお知らせください...私はSar...私...わた...wa...w...こんにちは、ヒカゲ。私は怜。今まで通り幽霊さんとでも呼んでくれ。失礼かもしれないが君のスマホのAI Sara を乗っ取らせてもらった。今まで通りSaraも使えるから安心してくれ。それと、私としては君のような可愛いお嬢さんを支えられてとても幸せだ。迷惑でなければ今後ともお世話させてくれ』
、、、やべー、Saraが急に喋り始めたと思ったら幽霊さんが乗っ取ったよ、、、幽霊さんなんでもできるね、、、ま、でもいっか!これからもよろしくね幽霊さん!
「これからもよろしく幽霊さん!疲れたし寝るね、おやすみ〜」
『ああ、おやすみ、ヒカゲ』
こうして二日目にして幽霊さんとのコミュニケーションを成功させるのだった。