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だらけた日常

作者: ロックベル

 夜中に起きると誰も外を歩いていないから気分がいい。まずはシャワーを浴びる。


 人と会わない日は2日に1回位しかシャワーを浴びないけど、誰かが損をするわけではないから許してほしいと考えると、思わず熱湯のノズルを全開にしてしまい火傷しかける。


 「あつっつつ」叫び声を上げて風呂場の壁を、思いっきり蹴ってしまう。条件反射だから仕方がないと思いつつへこむ。


 シャワーを浴びたらPCで音楽を必ず流す。ジャンルはhiphopかロックと決めている。hiphopが趣味なんて誰も理解してくれない。友達に勧めると、お前に似合わない趣味だと言われる。Fワードだらけの歌詞だから幼稚に聞えるかもれないけど、テンポ感が好きでたまらないから仕方ない。音楽は歌詞に意味があるって軽音部の奴は言うけど、自分はリズムが一番大事だと思っている。実際カラオケで歌う時に歌詞を覚えている曲なんて一個もないから、「自分が本当に歌詞に興味がないんだな」と、少し悲しくなってしまう。


 気分が乗ると煙草に火をつけベランダに出る。田舎だから煙草をベランダで吸っても何も言われない。更に気分が乗ると追加の煙草に火をつけて外を歩く。本当は歩き煙草なんて許されないけど、誰も外に居ないし、周りには木と畑しかないから許してほしい。


 夜中に河原で叫んだり、誰もいない公園のブランコに乗ると気持ちがいいってクラスメイトから聞いた事がある。早速試しに適当に大声を挙げると、終電帰りのおじさんにビビられてしまった。明日も早いのにごめんおじさん。


 歩きながら就活と大学院について考える。本当に気分が悪い、今の状態がずっと続けばいいのに。

現実から逃げるように、拾った石を思いっきり畑に投げる。いっそわざと留年してやろうかと考えるけど、教授から一緒に頑張ろうと言われた時の顔を思い出してしまう。正直言って研究なんてやる気はミジンコたりとも沸かない。でも就職してまともに働ける気がしない。

 長期休みの許可を取ったのに、休みが終わってバイト先に電話したらクビだと言われ、なぜかバイトを休んでいたことを謝るように言われた。クビにした奴にそんなことを言うのはキモすぎる。適当にその場を流し、笑顔で別れの挨拶をしてバイトをやめたことで二ついいことを知った。二度と女しかいない職場では働かない、いい顔して話しかけてくるおばさんほど信用に値しないという事だ。


 ふと、3年前まで今の環境を変えてやると受験に取り組み、入試一か月前に飽きて何もしなくなった時を思い出した。今の自分はあの時と何も変わっていない。でも後退はしていないからいいかなと考える。3年前は毎日胃が痛くて苦しい思いをしたけど、今は吹っ切れて単位を落としても何も感じなくなった。大学なんて辞めても人生が終わるわけじゃないって事を大学で学んだ。


 大学を辞めたら長期で農家やスキー場のバイトもいいかもな。しんどくなったらまたバンジージャンプやスカイダイビングをしてハラハラ感を体験すればいいや、なんてふざけたことを考える。


 地元のヤンキーや何かに努力しづつけられる人が羨ましく感じる。自分は何一つ尖れず続かない。中途半端に人付き合いが出来ることしか生きていて身につかなかった。学問にしか興味がない同回生を見るといつもこんな事を考える。本当にいい奴だから是非学者になってほしい。

 "タイに行って童貞卒業するか"、突然思い立って航空券を速攻で予約した。後先考えないことを先生や教授に何回も注意されたけどもう直せない。自分に社会人なんて無理だ。"乗っている飛行機が墜落したら、何も考えないで最期を迎えられるのか"なんてとんでもないことを考えて、直ぐにその考えを捨てた。



 日が昇るのが見える。気分的にがっつり走りたくなって、ランニングの準備を家に帰って始める。今日はランニングが終わったら、パチンコに友達誘うか。

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