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妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ  作者: 下菊みこと


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お説教

ナタリー大噴火

「で」


「はい」


「ナタリアの制止を振り切ってあの雨の中エルに乗って来たと」


「はい」


「お前はてっきり賢い子だと思っていた。せめて雨具の用意くらいしろ」


「はい」


ただいまお説教中です。私の。領内はあれから水害がようやく落ち着いて、復興事業を行っているところです。幸いお金はあるセヴラン公爵家なので、借金をせずとも領内の復興に力を入れられます。


「問題はそこではありません!何故危ない状況で外に行かれるのです!旦那様だって本当はお屋敷に留まっていただきたいくらいなのに、お嬢様まで行かれる必要はないでしょう!」


「ごめんなさい」


「ごめんなさいで済む問題ではありません。ナタリーはお嬢様が心配で心配で…」


ナタリーには本当に申し訳ないことをしました。素直に反省します。


「ですが、領民達を助けて一躍有名になられたとか。奇跡の姫君でしたかな?素晴らしいではありませんか」


「素晴らしくない」


セバスチャンの軽口にお兄様が切れます。うん、お兄様が怒るのはわかります。下手に有名になると妾の子だってことがバレたら余計に面倒ですものね。


「それでエレナに縁談が舞い込んだら大変なことになる。主に…皇太子殿下が。まあ、ご寵愛を広く知られているから大丈夫な気もするが。皇太子殿下のご機嫌を損ねたい貴族はいないだろうしな」


よくわからないですが違う理由もあるみたいです。なんで皇太子殿下が私の縁談で気を悪くするのでしょう。私の大切な友人なのに。


「ほっほっほっ。このセバスチャン、旦那様とお嬢様の幸せを心から願っておりますぞ」


「お前は呑気だな本当に…」


…これでお説教は終わりでしょうか?


「お嬢様。そもそもお嬢様はご自分の価値が分かっておられないのです!」


「は、はい」


「お嬢様はたしかに、公爵家の長女でいずれお嫁さんとして何処かの家に嫁がれるお方。…まあ多分王家に嫁がれるのでしょうけれど、それは置いておいて。でも、それだけがお嬢様の価値ではないのです」


「…?」


「良いですか?お嬢様は沢山の方々に愛されていらっしゃるのです!それは旦那様はもちろん、私達使用人一同もそう。学園で出来た素晴らしいご学友の皆様もそうなのです!だから、ご自分を大切になさらないといけないのです!わかりますか?お嬢様の大切な方々のために、お嬢様がお嬢様自身を大切にするのです!」


「私が愛されてる。だから、自分を大切に…?」


そっか。すとんと心にナタリーの言葉が落ちてきた。前の私は分からなかったと思うけど、今は分かる。クリス様が大切な何かを私にくれたから。それが何か私にはまだ見えてないけれど、きっと大切な感情だから。


「…ごめんなさい、本当に。私、もっと自分を大切にしますね。大切な人が傷付いたら誰だって嫌ですよね。」


「お嬢様…!」


「…でも、領民達は私にとって大切な人達です。彼らが居るから、私達はこうして生活出来る。彼らを守るために私達貴族はいる。だから、助けられる人がいる時は助けに行きたい」


「お嬢様!」


「だから、今度はナタリーも来てくれますか?もちろん今度がないのが一番ですけど」


「…それならまあ」


「ありがとうございます、ナタリー」


「お嬢様…」


「みゅう!」


それまで空気を読んで黙っていたエルが鳴きました。ナタリーもそれで気が抜けたようです。


そのあとはみんなで大活躍したエルを労いました。エルはお陰でご機嫌です。

でもお陰で少しは自覚が出たエレナ

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