表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/102

奇跡

エレナとエル、大活躍

私はひたすら邪魔にならないように屋敷で大人しく過ごしていましたが、ふと思います。このままでいいのかと。何もできない自分でいいのかと。


思い詰めていたら、エルが私の周りをふわふわ飛んで鳴きました。


「…みゅう!」


そして先程お兄様が助けた少年とそのご両親の周りをふわふわ飛んで、色々な指示を出すセバスチャンの周りを飛んで、そしてもう一度私の周りを飛んでから玄関の方を手で指し示しました。


「…うん!行こう!」


「お嬢様…?どこに行かれるおつもりですか!?」


「ナタリー、ごめんなさい。後で叱られるから、今だけ行かせてください!」


「お嬢様、いけません!」


「ナタリア。行かせて差し上げなさい」


「セバスチャン!」


「行かせて差し上げろ、分かるだろ」


「…」


「お嬢様、くれぐれもご無理はなさらないでくださいませ。旦那様から我々が叱られますのでなあ」


「はい!」


私はエルに魔力を回して大きな身体になってもらいます。そしてそのモフモフの背中に飛び乗って、エルに空を飛んでもらいます。落っこちないように必死にしがみつきました。


「みゅう」


そういえば避難所の場所わからないやと飛び出してから気付きましたが、エルが着地したところは避難所でした。なんでだろうと思いましたが、エルは嗅覚に自分の魔力を回してお兄様とルーヴの匂いを辿っていたそうです。言葉はわからないけれど、エルのジェスチャーで伝わりました。


そして避難所に入ると、少年が少女を抱いて助けてと叫んでいました。私はお兄様の元へ急ぎます。


「お兄様ー!」


お兄様は目を見開きます。


「エルの力、使っていいですか!?使いますね!」


「使うの前提じゃないか。…頼む」


「エル、あの二人に治癒魔法やっちゃって!」


「…みゅー!」


エレオノールがエルに魔力を有りったけ回し、エルの渾身の治癒魔法が今にも死にそうな兄妹を包む。それはまるで奇跡のよう。光が溢れて、兄の身体の震えは止まり妹は目を覚ました。


「…お兄ちゃん?」


「…よかった!よかった…よかった…ありがとうございます!ありがとうございます!」


その奇跡に誰もが歓喜した。奇跡だと。公爵様の妹君は奇跡の姫君だと。


マクシミリアンは、助けられたのは良かったがどうしてこうなったと頭を抱えていた。

お兄様は苦労人

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ