表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/102

私の症状は、どうやら魔力が膨張した結果だそうです

エレナ、ついに

目が覚めた時には、自分の寝室の上でした。


「お嬢様!目が覚めたのですね!?」


ナタリーがぼろぼろと涙を流す。


「な、ナタリー?大丈夫ですか?ごめんなさい、そんなに心配をおかけしましたか?」


「はい!心配しました!もうご無理をするのはやめてください!」


…心配をかけないようにと思っていたのですが、もっと早く頼るべきだったようです。


「ごめんなさい、ナタリー。もう無理はしない…ように、気をつけます。ナタリー、これからも私の側にいて、私が無理をしていたら注意してくれますか?お友達にも迷惑をかけてしまったので…」


「もちろん、ずっとお側にいます!私はもうお嬢様に無理はさせません!」


「ふふ、頼もしいです。ありがとうございます、ナタリー」


「はい、お嬢様!」


話が落ち着いたところで、部屋のドアがノックされます。


「はい」


「エレナ。もう大丈夫なのか?」


「お兄様!はい、今はすっかりと気分が良くて」


「さすがはリナリー女医だな」


「先生が見てくださったのですか?」


「ああ。すぐにエレナの病気を突き止めて適切な対応をしてくださった」


「有り難いです」


「そうだな。…エレナ」


お兄様は真剣な表情で私を見つめます。


「はい」


「お前は魔力膨張症で体調を崩していた。後天的に膨大な魔力を得たんだ」


「…え?」


「たまに後天的に膨大な魔力を得る人がいるのは知っているだろう?お前もそれだ」


「びっくり…です…」


何故そんなことに?


「後天的に膨大な魔力を得るのは、別に特別なきっかけがあるわけではないらしい。本当に偶々、そういう星の下に生まれたから、らしい」


「そう、なんです…ね?」


「ああ。とりあえず今回は応急処置で魔石を作ってもらったが、これからは自分で魔力をコントロール出来るようにならないといけない。しばらく家で特訓するぞ」


「…なんだか、せっかく学園に入学出来たのにこんなことばっかりです。ちょっとは登校したいです」


言ってしまってからハッとしました。思わずわがままを言ってしまいました。パッと顔を上げてお兄様を見ると、びっくりした顔をした後…破顔しました。なんででしょう?


「そうか。なら、下校してから夕食までを特訓の時間にしよう」


「い、いいのですか?」


「ああ。初めてエレナが自分からわがままを言ってくれたんだ。叶えたい」


…クリス様に保健室で甘えてから箍が外れてしまった気がします。でも、甘えてもこんな風に許されるならむしろ良かったのかな。


「エレナ」


お兄様は嬉しそうに私の頭を撫でます。…震えは来ません。全く怖くありません。


「…エレナ」


「…お兄様」


「「震えが止まった!」」


きゃあきゃあとはしゃぎ、お兄様に抱きつきます。びくりともしません。〝スキンシップ恐怖症〟克服です!


「お嬢様、おめでとうございます!」


「ありがとうございます、ナタリー!」


ナタリーとも抱きしめ合います。うん、大丈夫。もう全然震えません。


「でもどうして突然?」


「多分、クリス様が今日すごく甘やかしてくださって…なんだか、箍が外れたような…こう…なんか大丈夫になりました!」


ふっとお兄様が笑います。


「雑な説明だな?」


「ふふ、だって自分でもよくわからないんですもの。でも、クリス様のおかげなのは確かだと思います。素敵なお友達が出来て、幸せです」


「…友達かぁ」


「はい!」


何はともあれ、これでもっとお兄様に撫でてもらえます!嬉しいです!…なんだか私、すごくわがままになってきていますね?少しは自重しないと…でも、すごく良い気分です!

スキンシップ恐怖症克服です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ