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妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ  作者: 下菊みこと


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なんだか最近、身体がほわほわします

エレナに異変

再び学園生活に戻り、やっとまた慣れてきたのですが、なんだか最近、身体がほわほわします。浮き足立つというか、宙を浮いてあるっているような浮遊感。熱くは決してないけれど、体の芯から温まるような感覚。意識も少しふわふわしているような気がするのです。こんなこと始めてですが、辛いというほどでもないのでお兄様には報告せず治るのを待ちます。


「ねえ、エレナ様。なんだか最近ちょっと歩き方がふらふらして見えるのですけれど、大丈夫ですの?」


「いつも歩き方すら美しいエレナ様がふらふらしていると噂になってますぅ。少し保健室で休みますかぁ?」


いけない。迷惑をかけてしまいます。


「このくらいなら大丈夫です。お気になさらないでください」


「でもぉ…あ、皇太子殿下」


「皇太子殿下からもエレナ様に休むよう言ってくださいまし」


「うん。そのためにわざわざこの教室に来たからね。…エレナ」


「…はい」


「ああ、そんな顔しないで。叱りに来たわけじゃないんだ。ただ、みんな心配しているから少し休もう。ね?」


優しく微笑んでくださるクリス様。今だけは少し、甘えたい。


「…はい」


「よし。エレナを保健室に連れて行く。先生に報告はよろしく」


「わかりましたわ」


「皇太子殿下のクラスの先生にも伝えておきますぅ」


「ありがとう。…エレナ、ふらふら歩くと危ないから、ちょっと失礼」


クリス様にお姫様抱っこをされる。何故かびくりと反応しなかった。それどころか、今はこの温かさが心地良い。もっと甘えていたい。安心する。これはそう。母がいた頃の、あの温かさ。思わず涙が溢れる。


「…エレナ。そんなに辛いなら、ちゃんと言わないとダメだよ。無理はしないで」


「…はい、クリス様」


「でも、よく頑張ったね。偉い偉い。今はゆっくりお休み」


クリス様の腕の中で、保健室に向かうまでの間少しだけ微睡む。眠りと覚醒の間で、ただクリス様の優しさに身を寄せていた。


「先生、すみません。両手がふさがっているのでドアを開けてください」


「はいはい。…あら、またお姫様抱っこ」


「ふふ、ええ。ベッドをお借りしてもよろしいでしょうか?」


「もちろんです、皇太子殿下。早く寝かせて差し上げてください」


ベッドに下される。保健室の先生に私の状況を報告するため離れようとしたクリス様の制服の裾を掴む。


「クリス様、行かないで…」


「…うん。わかったよ。大丈夫、僕はここにいるからね」


「皇太子殿下、椅子要ります?」


「要ります」


クリス様が椅子に座って私の手を握ってくださる。温かくて、安心する。意識が再び微睡んでいく。


「歩き方がふらふらしていて、どこか意識が上の空らしくて」


「うーん。お熱を測ってみましょう。…36.9℃。平熱ね」


「とりあえずマックスに連絡をお願いします」


「保護者の方への連絡ですね。わかりました。熱はないから、後は休ませてあげるくらいしか出来ないけれど、後で医者に見せてもらうよう伝えておきます」


「はい」


微睡んだ意識の中で、ただクリス様の手の温度だけが私を癒してくれた。

何が原因でしょうか

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