家路の詩
暗い夜道を一人で歩く
トボトボ、トボトボと歩いてゆく
俯き周りを見ることもせずに
深い闇夜に紛れて歩む
上を見上げることもせず
虚しい家路を一人で歩く
段々、段々と足取りを重くしながら
周囲の幸福に圧し潰されていくように
暗い場所を選んで歩く
もう見慣れた地面を睨むように
心を軋ませ一人で立ち竦む
ジリジリ、ジリジリと足元から這い上がってくる
形容出来ないほどの激情が
己への虚しさと怒りに立ち止まる
なぜ、こんなものに自らは成り果ててしまったのかと
己以外の全ての憎しみに立ち止まる
なぜ、お前らはそんなに幸せな顔をしているのかと
立ち止まり俯いた地面に雫が落ちる
ポタポタ、ポタポタと魂が零れ落ちるように
喜びも怒りも悲しみも憎しみも全てを詰め込んで
ただただ落ちて地面に染み込んでいく
まるで、己の無価値さをまざまざと見せつけるように