第六話 野上くん達は隠れたい!
「アイツら、嵌めやがったな」
「ちょっと、お手洗い行ってきていい?」
空先輩は、逃げる様に走って行った。今、会話の途中だったよね。そんな急ぎなのか?
「おう」
(今のうちにアイツらに電話してやる)
『どうしたんですか?上原先輩?』
『どうしたんですか?じゃねぇだろ、お前らどこにいる?ガミも一緒だろ?』
『は、はい。すみません。えっと、えっと、イオンの中で待っているんで二人で来てください!』
『ツーツー』
(切りやがった)
「ごめんね、亮司。」
空先輩が戻ってきた。ボーイッシュではなくなっている。
「おう、ってなんかいつもの涼香に戻ってる。」
「あれ、そうかな?どう?」
あぁ、もう、空先輩可愛すぎだろ!好きな人の前では、可愛くありたいってこういうのが理想なのでは?
「ふーん、いいんじゃない?どっちも似合ってると思うけど」
上原先輩は、そっぽを向いてしまった。これは、興味が無いからでは無い。僕には分かる。照れているんだ。
「へぇー、そっか」
空先輩は、嬉しそうに頬を赤らめる。上原先輩も照れてるし、なんだよ、アイツら。
(ほぉー、野上くんは、ああいう風に自分の事を思ってくれる女の子が好きなんですね)
「俺、まだ昼食べてないんだよね。食べてくるなって言われてて」
「私も」
このために、二人には近くのカレー屋の割引券を配っていたので、自然にそこに行く流れになった。
そのカレー屋が仕組まれた店だとも知らずに。しかし、その店では野上くん達も想像していなかった事が発生する。
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