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第四話 野上くん達は、喧嘩中のカップルを仲直りさせたい!

「なんで、お前なんだよぉぉぉ!」


「ええー、違うんですか、私嬉しかったのに。」


「あぁ、もうこれあれだ、なんだ、ファショダ、軍事衝突起こしてやろうかこの野郎!」


「おお、それはつい最近世界史で習った知識!!」


「そんな事はどうでもいいんだよ。」


今の先輩達の現状を話した。そして、仲直りをさせようと提案した。

なんてったって、もし、仲直りをせずに部活を辞められてしまったら、この部活は、僕と糸織しおりの二人になってしまう。そうなってしまえば僕には損しかない。

今朝みたいに!

これが、仲直りをさせたい理由だった。


「私は、参加しませんよ。私は野上くんと二人でいたいんですよ。」


え、可愛い。


いやいや待て待て、今朝を思い出せ。深呼吸、スーー、ハーー。


「うるさーい!貴様のその、誘惑はきかん!僕の理性の堤防は、鋼よりも固いのだ!!」


「はぅぅー。」


「よし、協力してくれるな。作戦は題して『協力して、困難を乗り越えろ!愛の熱で溶かせない氷はない!あれっ、なんで喧嘩なんかしてたんだっけ、どうでもいいや。大作戦!!』だ。」


「題名が長いです!」キッパリ


「お、おう、そうね。(´・ω・`)まぁいい!

内容はこんな感じね。」


うにゃうにゃ、むにゃむにゃ、スピー、、、、パンッ!


「決行は、今週の土曜日。成功させるぞ!」


「お、おーー、?」


糸織しおりには不安しかなかったが、渋々参加する事に、、

(休日も野上くんと一緒にいられる。やったー!)

こういう理由でね!


金曜日、僕と糸織しおりは、作戦を実行する為、それぞれ空先輩と上原先輩に話をしに行った。


「空先輩、ちょっといいですか。」


「何、この子。あんた亮司と別れてこの子と付き合ってんの?」


空先輩の周りにはいつも、人が居る。その人たちに揶揄からかわれている。


「違うっての。で、何?ここじゃダメ?」


「はい、部室でお願いします。」


「はーい、ちょっと待ってね。」


狭くて、ホコリっぽい部室に入って腰を下ろす。早速本題に入る訳ではなく。まずは、気になっていたことを聞いてみる。


「空先輩って、いつもは髪結んでるんですね。」


部活での、空先輩はいつもかみを下ろしていたので、ボーイッシュな感じに結んでいるのは、初めて見る。


「あ、ああ、これは、」


短く結ばれた髪を手でなぞりながら、空先輩は、口を動かす。


「私って、結構男勝りなとこあるからさ。こうしてた方が合うってよく言われるんだよ。」


その目には、どこか寂しそうなものを感じさせる。


「そんな事ないですよ。空先輩は、可愛いです!」


「あぁ、ありがと」


(あぁ、全然響いてない。)


そういえば、いつもと違って、シャツを出してたり、胸元だって少し空いてたりする。 あぁ、そうか、そういう事か。


「空先輩、上原先輩の事好きすぎません?」


「なんでそうなるのさ。あ、あいつの事がなんで出てくるんだよ。」


無自覚にやってんなら尚更なおさらよ、上原先輩め、喧嘩する理由なんてないだろ。


「明日の13時から、服買いに行くんですけど、一緒に来てくれません?」


「なんか、怒ってない?てか、なんで私なんだよ、ドジ子と行けばいいじゃん。」


「女性の意見を聞きたいなと、まぁ、アイツはちょっと、危なっかしいんで。」


「まぁ、、いいけど。」


「詳しくは、LINEでまた言います」


一方その頃、糸織サイドでは、


「う、、う、上原先輩!お話があります!」


「お、おう、まぁ待っとけ、放課後な。」


放課後、亮司りょうじ糸織しおりは、部室に来ていた。


「どうした、ドジ子。話ってなに?」


「ど、ドジ子?上原先輩まで酷いです!もう、イカロスです。」


「なんだそりゃ」


「笑うがワロスなら、いかるはイカロスです!」エッヘン


「お、おう、そうね。」


「話というのは、あ、明日の13時から、一緒にお洋服を買いに行ってくれましぇんか?」


糸織はかなり勇気を出して言ったようだ。


「糸織からとは、珍しいな。なんだなんだ、ガミを振り向かせたいのか?」


「そ、う、な、ん、です!!」


食い気味に糸織は頷いた。


「おう、そうか、まぁいいぜ。可愛い後輩ちゃんの頼みだ。ここは、恋愛と学校の先輩として、教えてやる!、、、、、あ、俺、喧嘩中だった。」


「ま、、まぁ、よろしくお願いします!詳細はLINEで送ります。それでは〜」ビューン


察してしまった糸織は、直ぐに帰ってしまったため、傷ついた亮司の心を慰めてくれる者はいなかった。

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