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アルゴスのカイアン

ギリシャ神話、百の目をもつ巨人アルゴス

我はアルゴス族のカイアンだ。

神々の時代に生きた百の目を持つ巨人アルゴスに連なる由緒正しい巨人族だ。


 我々は数が少ない。この都市にいるのも我一人だろう。まぁ寿命があって無いような我らの人生なので、一時的に冒険者を演じてみるのも悪く無いと思ってこの都市にやってきた。いつもは神山に住んでいる。そのうち帰れば仲間に会えるであろう。


 先祖アルゴスと同じく我も多くの目を持つ。100というのは適当な数字で、まぁ多くの目を持つ比喩表現であろう。我は43の目を持つ。目は交互に開いているので、我は眠ることが無い。冒険のキャンプで一晩中話しかけていたら「うるさい」と怒られた。神々に連なるものだぞ、うるさいは無いだろう。

それからは眠らないなら丁度良いと、見張りを一人でやらされている。神々に連なるものの扱いじゃなく無いか? まぁ「カイアンのおかげでゆっくり寝れるな、さすがだ!」と言われると、まぁいいかと思ってしまう。

 我のあだ名はチョロイアンらしい。仲間が言うには「頼りになる」という意味らしい。 なんか皆、笑いを噛み殺していないか?


 目がたくさんあると全方位が見られて良いのだが、少し絵がずれることがあうのだ。どうも目によって視力が異なるらしい。二の腕の内側とかいつも体しか見ていない目は視力が悪い。視力が悪い目と良い目で同じ方向を見てしまうと、絵がおかしくなるのだ。あと、ブンブン動いている部位にある目で見ているものは風景が飛んでいく。脳の中で合成されるとわけがわからん絵になる。

うまく合成されていないようだ。ちょっと混戦になると仲間にとって危ない動きをしてしまうらしい。すまぬ情報が多すぎるし、合成がうまくいかなくてな、、

 戦闘中は少し離れて一人で戦えというのはひどく無いか?「チョロイアンなら一人で十人分だから大丈夫よ」と言われてはしょうがない。

 目は外向きに7〜8個ぐらいで足りるのでは無いか?43個でも多すぎでは無いか? いやきっと父たるアルゴスに我の才能が追いついていないだけであろう。

見えるといえば体の各所が見えるな。足の裏の目は「魚の目じゃん」と笑われたが、小銭を見つける良い目だぞ。いや、神に連なる身としては拾わん。見つけて届けるだけだ。。。たぶん。

尻にある目で排泄も間近で見ている。うん、尻の目はいらんな。


 人間が作る目薬というのはいいな、身体中がすっきりする。しかし高すぎるぞ。一回で全部なくなる少量しかないのにあの値段は無いだろう。一月ぐらい使える量で安く売って欲しい。

 逆に風呂はダメだ。身体中の目を瞑っていないといかん。なんだか不安で落ち着かんし、なんか苦しく感じる。シャンプーハットも意味がわからん。風呂はささっと洗って上がる。仲間に速風呂すぎると笑われる。


 我の苦手な攻撃は目潰し攻撃だ。剣や牙が目に迫ってくるのは怖いのだぞ。皆が言うには普通に攻撃しているだけだが、多くの攻撃が目潰し攻撃になっている。我は巨人なので目が大きいので、狙いやすいのであろう。仲間には「いや目潰しにならないようにするの無理」と言われてしまった。


 食べ物は何でも食べる。まぁ神山の食べ物には劣るが、この店の食べ物はなかなかうまい。

好物はブルーベリー、ほうれん草、レバー、牡蠣、サバなどだ。この店であった医者曰く「目にいい食べ物」ばかりらしい。うむ体が欲しているのであろう。

マスターよ、ニラレバとカキフライを所望する。合う酒も一緒にな。


うーん、ここの生活は気に入っているのだが、なんだか軽んじられている気がしてしょうがない。

それだけがアルゴス様に申し訳ない。

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