ホビットのバルグル
僕はホビットのバルグル。ホビットも生きていくには大変なことがある。
ホビットは、身長1mぐらいの小さな種族だ。
ホビットの人生はちょっとバランスが悪い。ホビットは33歳で成人し、50歳で中年だ。お酒とタバコが好きなのに33年間も我慢しなくちゃいけない。これは長い。
僕は両親に連れられて9歳の頃にこの都市に来た。この都市で知り合った幼なじみの人間達がお酒やタバコを嗜み始めたのに、僕はそれを横目に10年以上我慢して横で見てたんだよ。そしてやっと成人したと思ったら、あっという間に中年だよ。バランス悪すぎない?
ちなみにホビットだけ学校が長く通うということもないので、ホビットもまわりに合わせて成人前に働き始めるんだ。20歳ちょっと前ぐらいからみんな働き始める。社会にでて数年働けば一人前だとは言わないけれど先輩ぐらいにはなっていると思うんだけど、33までは未成年の扱いだ。ホビットの庄では働きが認められないんだよ。
30ぐらいが一番きついな、もう職場で10年以上働いているのにだよ、飲み会とか誘われると「いや、未成年だから飲めません」って断らないといけないのだもの。(/ _ ; )
33になった時にはじめてお酒を飲んで、ハメを外してやらかすホビットは多いよ。そりゃ長年我慢したものが溜まってるからね。なかなか抑えられないよ。別種族の友達に10年以上にわたってお酒を飲むのを見せつけられたんだ。それを我慢してきたからね。そりゃ33になったら飲むよね。ホビットの急性アルコール経験率は70%ぐらいあるんじゃないかな。今日も僕は飲むぞー! マスター、おかわり!
33歳成人なので、ホビットは魔法使いが多い。いや、魔法は使えないよ? ただ魔法使いとなぜか呼ばれることがあるんだよ。よくわかんない。
ちなみに寿命は120歳ぐらい。50歳で中年になってから先が長い。ここもバランス悪いと思う。ホビットは本来牧歌的な性格だから、往年をゆっくり生きるので中年以降が長くても問題ないのかもね。
ホビットは運が良いと言われている。その運の良さで罠の解除なんかが得意だ。冒険にも罠の解除役として同行することが多いな。その運の良さのせいでホビットと博打をやるやつはいないな。冒険中にも、パーティのみんながちょっとした賭け事をしていても、ハブられることが多いな。賭場も「ホビットお断り」が普通だ。
少し寂しい。別に博打は好きじゃないけど、みんなが楽しんでいるところに混ぜてもらえないのは寂しいよ。
ホビットの体で意味がわからんのが足の裏なんだ。足の裏に毛が生えている。この毛のおかげで靴もいらない。でも普通は、足の裏だけ毛がないのが普通じゃないか?毛が生えていたらすべるじゃないか。猫だって犬だって肉球があって、その分毛がないだろう?
少し滑りやすい場所では、この毛のせいでつるつる滑る。滑ってこける。偵察役として冒険に参加することもあるんだけど、よくこける偵察ってダメじゃないかな? こけた音で見つかるじゃないか。
でも、この滑る問題は事故になったことがないんだ。ホビットの運の良さで大事なところではこけたりしないからだろうと思う。ただただ滑る様に進化したホビットの足の裏毛の意味がわからんというだけなんだ。なんなのー??
ホビットは贈り物好きだ。贈るのも贈られるのも好きだ。まわりからは「記念日男」と言われている。何か贈りたくて、すぐに記念日を作ってしまうからな。「なんでもない日」を考えたやつは天才だな。毎日贈り物が出来るぞ。ホビットの村では普通のことだが、まわりの別種族にはちょっとうざいらしい。
体が小さいホビットには店で出される食事が多すぎて大変だと思われるかもしれないが、ホビットは美食家で食事大好きなので問題ない。ホビットは割と太っている人が多い。ただ冒険者のホビットは敏捷性が問われる職業が多いので食べ過ぎ注意!だ。僕は冒険者なので、少し少なめの料理が嬉しいな。マスター、おつまみ盛り合わせ頂戴。晩ご飯がわりにするから。
最近のホビットの悩みは禁煙だ。なんか人間達の間で禁煙ブームになっているが、煙草を愛するホビットには困ったブームだ。多くのホビットがマイパイプを持っているからな、喫煙者であることは一目瞭然。最近、まわりの見る目がきついな。冒険者はあまり健康を気遣わないので、冒険者である僕はそんなに苦労はしない。
都市がホビットの扱いで困っているのが子供料金らしい。体が小さいから子供か、年齢から大人か、なかなか難しいらしい。子供料金がある場合は要確認だな。
うーん、ホビットで生きていくのが大変ってあんまりないな。